金融教育公開授業
2017年度 金融教育公開授業
京都府金融広報委員会
京都市立下鳥羽小学校
金融広報中央委員会
京都の実施報告
「金融教育公開授業 in 京都(下鳥羽小学校)」(12月15日開催)
京都市立下鳥羽小学校は、明治9年に下鳥羽村に創立された歴史のある学校です。良質の湧水を産し、昔からの酒造りの伝統(「伏見の酒」)が脈々と受け継がれている地域を校区に持っています。
「輝け下鳥羽魂」を合言葉に、教科研究を学校経営の柱にして取り組みを進め、教育目標実現のため邁進しています。
12月15日(金)に金融教育公開授業を開催し、育成学級・1年生・4年生・6年生を対象とする公開授業、研究発表、北俊夫氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「レストランへいこう」
お客側とお店側の2グループに分かれてレストランごっこをしました。役割に応じて準備し、レジでのお金のやりとり・挨拶のやりとりなどをロールプレイした後、片付けも行いました。これらを通じて児童は日常生活で必要な力、とくにお金をやりとりする力を身に付けることをめざしました。最後に今日の活動を振り返り、一人ずつ感想を発表しました。
(2)「ものを大切にしよう」
学級の落とし物を提示し、これらをお金に換算するといくらになるのか計算しました。落とし物をするということはお金を落とすことと同じであるということに気づき、どのようにしたら落とし物をなくすことができるかを考えました。振り返りでは、児童が学級の落し物を合わせると高額になることに驚き、物を大切にしようと思ったことが窺われました。
(3)「きょう土をひらく」
京都市の発展に尽力した先人の働き、とくに琵琶湖疏水(琵琶湖の水を京都市に流すための水路)を実現するための努力や費用について学ぶ中で、児童は「人口を増加させると経済活動が活発になる」という経済の仕組みをとらえました。資料を読み取りながら、人口の移り変わりや工事の効果についてノートにまとめていきました。
(4)「新しい日本、平和な日本へ」
日本が戦後どのように復興を果たし、経済成長していったのか、本時は幣原喜重郎内閣の「新円切替」を扱いました。国民と銀行に分かれ、お金をやり取りするロールプレイを行いながら、当時お金が不足していた銀行にどのようにして国民からお金を集めたのか、それが経済にどのような影響を与えたのか、グループで考え、発表しました。
2.研究発表
「金融教育の実践発表」と題して、金融教育を実践するうえで各教科の中に金融教育の視点を無理なく位置づけた教材開発をしてきたこと、「下鳥羽ふれあいカーニバル」で各学年の児童が企画・運営に携わり金融教育の学びを活かす機会を設けたことなどについて報告がありました。また、そこから見えてきた成果と課題についても発表されました。
3.講演会
公開授業の後、国士舘大学教授の北俊夫氏から「学校における金融教育の課題」と題する講演が行われました。「生きる力」の育成、より良い社会の形成者の育成など、金融教育が目指していることについてお話がありました。また、金融教育の時間枠がそもそもなく指導内容が各教科に散在していることなど、金融教育を推進していくうえでの課題についてもわかりやすく解説していただきました。
最後に、お金の多様な使い方、働くことの喜び、お金の大切さなどについて、実践指導の例を具体的に挙げて説明くださいました。
北先生が教師の金融教育に対する課題意識の希薄さをお話しされた時には、参加された教職員の方々はうなづきながら熱心に聞き入り、教科横断的な指導を進めるカリキュラムマネジメント力の大切さを痛感しているようでした。
4.プログラム
- 14:00~14:45
- 公開授業
(1)「レストランへいこう」(ひまわり学級 生活単元学習)
(2)「ものを大切にしよう」(1年生 学級活動)
(3)「きょう土をひらく」(4年生 社会科)
(4)「新しい日本、平和な日本へ」(6年生 社会科) - 15:00~15:05
- 開会挨拶
京都市立下鳥羽小学校校長 井上宣之 - 15:05~15:25
- 研究発表
「金融教育の実践発表」
発表者:京都市立下鳥羽小学校教諭 研究主任 森元光 - 15:25~16:30
- 講演「学校における金融教育の課題」
講師:北俊夫 氏 - 16:30~16:35
- 閉会挨拶
京都府金融広報委員会 谷原章文