金融教育公開授業
2017年度 金融教育公開授業
愛知県金融広報委員会
津島市立蛭間小学校
金融広報中央委員会
愛知/津島市の実施報告
「金融教育公開授業 in 津島(蛭間小学校)」(10月27日開催)
津島市立蛭間小学校は、国の学制発布前に地域住民の協力(寄付など)による義校として設立された「有餘(ゆうよ)学校」(旧校名、明治6年認可)以来、地域に愛され続け、平成30年に開校145周年を迎える、大変歴史のある学校です。「一人一人を大切にしよう」を合言葉に、ユニバーサルデザインの視点を教育活動全体に積極的に取り入れてきました。
今まで取り組んできたユニバーサルデザインの視点を、金銭教育にも取り入れ、平成28・29年度の2年間の研究主題を「人・ものを大切にする心豊かな児童の育成-ユニバーサルデザインの視点を取り入れて-」とし、子どもたちに「人・もの・お金」のそれぞれの価値をわかりやすく実感させることを通じて、心豊かな児童の育成を目指しました。
10月27日(金)に金融教育公開授業を開催し、4年2組を対象とする公開授業、研究活動の発表、あんびるえつこ氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「ぼくたち わたしたちの未来へ」と題した4年2組の公開授業では、まず初めに、「50家族3日間から出た食品ごみ」の写真を見せ、量の多さを実感してもらいました。次に、「大量の食品ごみが出るのはなぜか?」と児童に問いかけ、買い物をするときどのような基準で商品を選んだらよいか、話し合ってもらいました。
その後、グループに分かれて、具体的な例題を基に、商品を比較し、どれを買うかを考える「買い物ゲーム」をしました。児童は、値段や商品に関する情報を見ながら「どれを選ぶか」よく考えました。そのうえで、「なぜそれを選んだか」について話し合いをしました。これらを通じて、自分なりの考えを持って「大切にしたい基準」を決定することができました。
2.研究発表
蛭間小学校研究主任肥田順子教諭より、金銭教育研究校の委嘱を受けて取り組んできた、各学年における様々な活動について紹介がありました。
研究は、同校が力を入れてきた、ユニバーサルデザインの視点を取り入れながら、全員参加型の授業で進められました。また、外部講師や地域の方との触れ合いにより、「人・もの・お金」のそれぞれの価値を実感できるような授業が行われ、自分だけではなく他人への思いやりも大切にすることが目指されました。さらに、異学年交流を行い、学校全体でお互いを認め合う場面を作ることを通じて、自尊感情を向上させ、人やものを大切にすることができる、心豊かな児童の育成を図りました。
このような金銭教育に2年間取り組んだことで、児童や保護者に「人・もの・お金」を大切にすることについて、プラスの影響がみられるようになったとの発表が行われました。
3.講演会
公開授業と研究発表の後、あんびるえつこ氏により、「お金のしつけ~子どものお金の教育を考える」と題する講演が行われました。
あんびる氏は、まず初めに、月3万円で暮らしたときの体験の話をされました。生活レベルを下げることの大変さを実感し、自身の価値観を見直す機会になったそうです。今後職業はOA化によりどんどん奪われていくため、将来自分と同じような経験をする子どもたちが増えるのではないか。そして、そうした事態を乗り越えられるよう、子どもたちに「生きる力」を養うことが大切であると話されました。
また、子どもたちのおこづかいの形骸化や、電子マネー等の「見えないお金」についても紹介されました。そして、「カレーづくりゲーム」をしながら、欲しいものがあっても子どものうちから欲望をコントロールさせること、よりよいお金の使い方を考えさせることが重要であると説明されました。
最後に、金銭教育は、「お金」について考える中で、子どもたちの資質能力を養い、世の中を生き抜く力を養う教育です、と締めくくられました。
参加者からは、「子どもに金銭教育をする必要性がわかった」、「家庭でも教育していきたい」といった感想が寄せられました。
4.プログラム
- 13:30~14:15
- 公開授業
「ぼくたち わたしたちの未来へ」(4年2組 総合的な学習の時間)
津島市立蛭間小学校教諭 中野倫子 - 14:30~14:35
- 開催挨拶
愛知県金融広報委員会常任委員 平松哉人 - 14:35~14:40
- 来賓挨拶
愛知県教育委員会海部教育事務所長 浅野薫史 - 14:40~14:55
- 研究発表
津島市立蛭間小学校研究主任 肥田順子 - 14:55~15:10
- 指導助言
愛知県教育委員会主席指導主事 加藤広也 - 15:10~15:55
- 講演「お金のしつけ~子どものお金の教育を考える」
講師:あんびるえつこ氏 - 15:55~16:00
- 閉会挨拶
津島市立蛭間小学校校長 千賀輝男