金融教育公開授業
2019年度 金融教育公開授業
広島県金融広報委員会
広島県立広島商業高等学校
金融広報中央委員会
広島の実施報告
「金融教育公開授業 in 広島(広島県立広島商業高等学校)」(10月23日開催)
広島県立広島商業高等学校は、明治32年の創立以来120年の歴史をもつ県内屈指の伝統校です。その伝統を継承しつつも、校訓「誠実進取」のもと、広島県商業教育の拠点校として、常に新たな取組み、先進的な教育実践を行っています。本校では、自分で考え、主体的に判断し、他と協力して新しい価値を創造する力、簡潔に言えば、「どうすればうまくいくか」を仲間と共に求め続け、その解決に向けて挑戦していこうとする資質・能力の育成を目指しています。
学校全体で取り組む実践的な学習活動の一つに「(模擬)株式会社 広商デパート」があります。学校を店舗とした販売実習を毎年12月第2週の土日に開催しています。7千人を超えるお客様をお迎えし、売上高は約1,500万円です。また、模擬株式会社として年間を通じて株式会社の運営を体験し、仕入から販売、決算までを生徒が主体的に学習しています。
10月23日(水)に金融教育公開授業を開催し、3年生を対象とする公開授業と、全校生徒、教員、保護者等を対象とする山田真哉氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
3年生の商業科目「課題研究」では、これまでの商業科目の学びを踏まえて、商業に関する課題を生徒が自ら設定し、主体的にその課題を探求し、課題の解決を図る学習を行っています。金融やファイナンスについて学ぶ「ファイナンス講座」を受講する生徒を対象として、「リスクマネジメントとライフプランの作成」、「生命保険に対する心構えや考え方」について学習したうえで、公開授業では「医療保険に対する心構えや考え方」をテーマとしました。
まず、先生から、「医療保険に入る必要ある?」として、医療保険に入る必要性を否定する方向からの説明がありました。続いて、先生は、「医療保険に入らないと心配?」として、医療保険に入る必要性を肯定する方向からの説明を行いました。
生徒たちは、2つの異なる方向からの説明を受けたうえで、まず第一印象としての自分の考え(入るか、入らないか)とその理由を、ワークシートに記入しました。続いて、グループになって、他の人の考えとその理由を確認したうえで、意見交換を活発に行いながら考えを深めていきました。最後に、改めて医療保険についての自分の考え方や心構えをまとめました。
社会人になることが身近に迫っている高校3年生なので、将来の自分の姿を思い浮かべながら、意見交換や自分の考えをまとめることができました。
2.講演会
山田真哉氏から、「今後の生活設計をするうえで大切なこと」と題する講演が行われました。
まず、日常によくある「限定7割引」や「本日ポイント5倍」といった数字を使ったクイズを交えながら、「会計学は、実社会ではほぼ心理学」、「会計センスを磨くには、『感情』ではなく『勘定』で、冷静に判断することが大切である」と教えてくださいました。
次に、「現場の会計学」として、機会損失と埋没費用といった会計用語について事例を用いてわかりやすく解説いただいた後、利益の多寡は環境に大きく依存することを学びました。
最後に、「生活設計に欠かせない投資」として、投資の種類や基本用語の解説のあと、損失を出しにくくする投資法として「長期・積立・分散投資」の重要性を教えてくださいました。
生徒からは、「商品の価格表示に対する考え方が変わった」、「簿記を勉強する意味が初めてわかった」、「お金の運用は大人になったら避けて通れないことなので、教えていただいたことを大事にしていこうと思った」といった感想が聞かれました。
3.プログラム
- 13:25~14:15
- 公開授業
「ファイナンス講座」(3年生 商業科・課題研究)
- 14:30~14:35
- 開会挨拶
広島県金融広報委員会事務局長 伊村宏樹 - 14:35~16:05
- 講演「今後の生活設計をするうえで大切なこと」
講師:山田真哉氏 - 16:05~16:10
- 生徒代表 お礼のことば
- 16:10~16:15
- 閉会挨拶
広島県立広島商業高等学校教頭 土屋研