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高校生小論文コンクール

第10回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクール(2012年)

講評

第10回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールには、前回を大きく上回る2,062編の作品が寄せられました。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作49編が決まりました。募集テーマは、「あなたのライフプランと働くことについて考えよう」「日本のこれからを考える」「日本経済を活性化する将来有望な産業とは」「消費者としてのルール」「自由テーマ」の5つでした。

今回は、豊富な資料や取材活動を基に多角的な視点から論理を展開した作品が目立った一方で、自らの日常の暮らしに立脚して十分に考察した優れた作品も多く寄せられました。東日本大震災からの復興や少子高齢化、世界の中での日本経済のあり方など、私たちの国が直面する大きな課題について、正面から向き合ったダイナミックな作品も多くみられました。その中から特選を受賞した作品は次の5編です。

金融担当大臣賞「見えること見えないこと」の筆者は、携帯電話に毎月かなりの数の楽曲や画像をダウンロードしていることをきっかけとして、目の前でお金のやり取りが行われない「見えないお金」で買っている内容を書き出し、多くの無駄があることを発見します。そして、お金が見えるか見えないかの差はとてつもなく大きい、と気付きます。小学校の頃、遠足のおやつは300円までというルールの下で悩み抜いて買っていたことを思い出し、その頃最も純粋にお金と向き合うことができていたかもしれない、手元にお金があるのは父親が必死に働いてくれているからであって決して当たり前ではないので、感謝の気持ちを忘れず、お金と向き合っていきたい、と綴っています。体験を踏まえて考えたことが丁寧に書かれ、「見えない」とその本質を見失うという人の行動原理を深く突いていると高く評価されました。

文部科学大臣賞「働くということ」の筆者は、働く人には「自分の仕事が好きで働く人」と「仕方なしに嫌でも働く人」とに分けられると考えていました。そこで、「夢見た仕事に就けなかった人」は嫌々働いているのではないか、と考えます。しかし、自分の両親がともに「夢見た仕事」とは違う仕事に就き、ともに仕事にやりがいや喜びを感じていたことを知り、仕事のやりがいや仕事に喜びを感じるとは、どういうことかを考え始めます。そして、夢見た仕事でなくとも、その仕事と向き合い、懸命に働けば、やりがいを見いだすことができ、新たな目標も生まれるのだと気付きます。ボランティア活動に参加している人が、ボランティア活動に情熱だけでなく誇りを持っていることにも着目し、たとえ将来、その時点での「夢見た仕事」でない仕事に就いても、その仕事と向き合い、目標を見つけ、仕事を誇りに思えるようになりたいと心に誓います。「高校生らしい迷いや悩みの中で、働くということの意味を根本から考えた作品である。」、「多くの高校生に読んでほしい。」、といった評価を受けました。

日本銀行総裁賞「『賢い消費者になる』ために」は、経済や人との関わりに大切なのは「信用」であるとし、「信用」の積み重ねが「賢い消費者になる」ことにつながると主張しています。そして、消費者が商品そのものに価値を見出し、納得した値段で手に入れるという行動を取れば、経済の安定と活性化につながる、と展開しています。「信用」のもとである「評判」の大切さにも触れ、引越センターでの気持ちの良い対応は将来の客に好印象を与えること、祖母が朝市で販売する野菜は生産者と直接話をできることが消費者の安心につながっているとしています。また、客だからと傲慢にならず、敬意や感謝を表すことが「賢い消費者になる」ための近道であり、それがサービスの向上にもつながり、必ず自分に返ってくるはずだとも述べています。経験を基に考察を重ねた作品であり、文中から経済やビジネスの本質が垣間見えると高く評価されました。

全国公民科・社会科教育研究会会長賞「不便な生活の中に見えてくる本当の快適さ」の筆者は、「便利」を「正確に、かつ確実に思い通りの結果が迅速に得られるもの」と捉え、安心感や満足感を得ることができるものの、より便利なものを求めて提供されたものを当たり前のように受け入れていくと、その先には、物事を考える意欲を失った姿や、考えていないことすらわかっていない未来が見える気がすると述べています。そして、便利さを追求する中でも、多少の不便さを感じる生活を取り戻してバランスをとるべきである、と主張します。味噌作りや餅つきを例に挙げ、手間はかかるが手作りの良さを実感できる生活を体験すれば、便利さから得られるものとは全く質の違う快適さを見出せると説き、こうした生活様式を受け継ぎ、人間らしく生きる上で必要なものが何かを見極める力を身に付けていきたい、とまとめています。私たちが忘れていたことに気付かせる作品であり、読んでいて引き込まれると多くの審査員の支持を集めました。

金融広報中央委員会会長賞「森林価値の再発見」の筆者は、多様な参考資料を基にして、森林大国・日本における恵まれた森林資源の価値について論じました。人と共生できる林業を、これからの日本経済を支える産業と捉え、大切に育てられた地元産の木製品を使うことで森林を支えていく仕組みに積極的に参加したいという決意を綴っています。具体的には、地元である浜松市の植林の歴史や森林の現状をはじめ、森林の荒廃防止には木製品を使うことが必要であること、森林の公益的価値が年間約4,000億円にも上ること、といった情報を整理して紹介しています。そして、森林の適正管理のための取り組みや、間伐材活用等の方法について資料に基づき詳しく論じた上で、森林組合や市役所へも直接足を運んで取材した労作です。多くの文献をよく読みこなして論理を展開している点、直接取材した行動力に高い評価が集まりました。

著名人・有識者が語る

  • プロサッカー選手 中村憲剛さん
  • 脳科学者 中野信子さん
  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
  • マラソンランナー 谷川真理さん
  • 数学者 秋山仁さん
  • TVキャスター 草野仁さん
  • サッカー選手 澤穂希さん
  • ピアニスト 梯剛之さん
  • 女優 竹下景子さん
  • 食育研究家 服部幸應さん
  • おもちゃコレクター 北原照久さん
  • 宇宙飛行士 山崎直子さん
  • 早稲田大学名誉教授(工学博士) 東日本国際大学副学長 エジプト考古学者 吉村作治さん
  • 工学博士 淑徳大学教授 北野大さん
  • 登山家 田部井淳子さん
  • 音楽家 タケカワユキヒデさん

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