「おかねの作文コンクール」
第34回「おかねの作文」コンクール(小学生・中学生)(平成13年)
おかねをたいせつにつかっていますか? ものをだいじにしていますか?
「お金で買えるもの」
秀作・毎日中学生新聞賞
山口県 宇部短期大学付属中学校 1年 山本 涼子
携帯電話を買って初めての請求書がきたとき私はびっくりした。まだほとんど通話したこともないのにずい分と利用料金が高いのだ。よく明細を見ると通信料が大半である。無料のゲームを次々とダウンロードしていたら、通信料だけはどんどんふくらんだわけだ。
ダウンロードするたびに現金を払うわけではないからどうもお金を使ったという実感がない。現金を支払って本を買うのとは違う。こういうお金の使い方があるんだと改めて思った。
母にこのことを話すと電話代だけでなく、水道代もガス代も学校の納入金も、生活に必要な費用の多くが現金で支払われるのでなく自動的に預金口座からひき落とされることがわかった。
そういえば小学校の時は毎月給食費を学校に持っていっていたが今は一体いくら納めているかも私は知らない。こういった方法は途中でお金を失くしたり計算がまちがうこともなくとても便利だと思う。しかしその一方で毎日の生活でどれくらいのお金を使っているのか実感がなく、お金の使い方について考える機会が少なくなっていると思う。
よく母に、
「シャワーやお湯を出しっ放しにしないで。」と注意される。水がもったいないからだろうと何気なく思っていたが水をむだに使うということはお金をむだに使うということと同じなのだ。
おさいふのお金を捨てるようなことは誰もしないがエアコンのスイッチを切らずに眠ったりする。でも結果は同じだ。気をつけてこまめにスイッチを切ろう。
ではなぜお金をむだに使ってはいけないのだろう。よく大切な物を表現するのに『お金では買えない』ということばを使う。確かに思い出とか経験とか才能とか、お金を支払って買うものではない。第一値段もつけられない。しかし大切な思い出を作ったり貴重な経験をしたり素晴らしい才能を育てるためにお金はとても重要だ。
去年母が私の何年分かのおこづかい分の金額で子犬を買ってきた。その後、次々とふえた犬用グッズの料金や病院に払った費用など、携帯電話の料金など問題にならないほどかかった。
それでも意外にも全員が家の中にいつも小さな犬が居ることでとても幸せな気持ちを味わって満足している。お金では買えないものを買った。
何が本当に大切なのか。何が一番必要なのかは一人一人違うと思う。同じ人でも今日と明日では違うかもしれない。重要なのは自分の使っているお金についてきちんと考えることだ。本当に使いたい目的のためにお金を使うことだ。
お金は私達の夢をかなえる。しかしお金そのものが私達を幸せにするわけではない。お金を何にどう使うのかより良い選択ができるようにもっとお金のことを勉強しよう。携帯電話の料金もこまめにチェックしよう。
お金の価値について考えよう
- 水道料金、電気料金、電話料金。物を買うときだけでなく、見えないところでお金を支払っていることが多いのですね。むだ使いしていても気づきにくいのですね。
- あなたは今までに、「むだ使いをしてしまったな」とか、逆に「上手にお金を使ったな」と感じた経験はありませんか。
- お金は夢をかなえるのに役立ちますが、お金そのものが私たちを幸せにするのではありません。あなたはお金をどう使いますか。