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「おかねの作文コンクール」

第50回「おかねの作文」コンクール(中学生)(2017年)

講評

第50回「おかねの作文」コンクールには、全国の中学生から3,391編の作品が寄せられました。テーマは、おかねに関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、50回記念特別賞1編、秀作4編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

お金の価値を論じている作品が目立ちました。大人でも考えないようなところに視線を向けて論じているものや、中学生らしい思いを正直に表現しているものがありました。自分の経験から思考を深めている作品、勉強の跡がうかがえる作品も多く、審査員が甲乙を決めるのは簡単ではありませんでした。力作ぞろいの中から、特選5編および50回記念特別賞1編の概要を紹介します。

金融担当大臣賞「『活きたお金』の使い方」の筆者は、母親から「お金は大切に」と言われて育ち、貯めた小遣いをまとめて使うことはめったにありませんでした。そんな筆者ですが、今年の6月初めに動物園のクラウドファンディングの募集のポスターを見て、「私も動物サポーターの一員になりたい!」という思いから、このことを母親に相談します。すると、「それってほんまに『活きたお金』やと思うで」と言って賛成してくれたことから、その募集に3,000円の申込みをし、動物園から入園券や缶バッジと共にお礼状をもらいました。その券で母親と動物園へ行き、その夏の最高の思い出を作った筆者は、「3,000円は動物園からすると、1日分のエサ代にも到底及ばない」が、本当に有意義な使い道」と感じました。筆者の考える活きたお金とは、「その後も後悔せず、使って良かったと思えるもの」だからです。「貯金イコールお金を大切にすることではない」と気付いた筆者は、「この先も活き続け、私の糧となる、そんなお金を使っていこうと思います」と結んでいます。審査員からは、「クラウドファンディングなど、新しい金融分野を取り上げており、よく勉強している」「お金の有意義な使い方を論じていて好感がもてる」「子供らしい頭の働き、心の働きが表れている」ことなどが評価されました。

文部科学大臣賞「人のため社会のために」の筆者の祖母の家には、筆者専用の貯金箱があります。友達と遊ぶ時などにそのお金を大切に使い、減ってくると祖母は「また貯めておくよ」とうれしそうに言ってくれます。ある日、筆者は病気で入院することになり、入院から20日目の月末に百万円単位の請求書が渡されました。驚き、不安になった筆者は、母親から、国や自治体の援助があるので、この金額を全部払うわけではないと教えられました。そして「昔から皆が頑張って国を良くしてくれていたから助けられている」ことを知りました。申し訳ない気持ちになった筆者に、母親は「これは人のために役立つお金の使い方なのだから大丈夫。健康になってきちんと働いて税金を納め、恩返しをすればよい」と教えます。それを聞いて、「大人になったら一生懸命働こう。一日も早く退院しなくては」という考えが湧き上がってきたという筆者。さらに、祖母が筆者のためだけにお金を使ってくれていたことにも気付き、筆者自身も「自分の力を、役立つお金のために精一杯使おう」と考えます。審査員からは、「社会の中で活きたお金とは何かについて論じられている」「社会保険制度など世の中におけるお金の意味まで考えが広がっていたところが面白い」「自分がどう社会貢献できるかを考えている」などの点が評価されました。

日本銀行総裁賞「我が家のコーヒーショップ」の筆者は、誕生日に、欲しかったレジスターを買ってもらい、父親からの提案で家族向けの「コーヒーショップ」を始めました。父母のためにコーヒーをいれ、その代金をレジスターに貯めていくのです。これにより筆者は、利益を出すためには、コーヒー豆を安く仕入れるなど、商品を安く提供するための工夫が必要であることを学びます。何か月か経ってお金が貯まったので、筆者は、そのお金で新しいポットを買うことにしました。両親にもっと美味しいコーヒーを飲んでもらおうと考えたからです。筆者は、両親が「コーヒーショップ」をやらせてくれているのは、「将来に役立つように」との優しさからだと気付き、「貯まったお金は、家族の温かい気持ちからできている」「人の気持ちを考えながらお金を稼ぐという難しいことをいつもしてくれている両親に感謝し、恩返ししなければいけない」と考えるようになりました。審査員からは、「着想が非常にユニーク」「稼いだお金でポットを買った話は、企業の設備投資に相当し面白い」などの点が評価されました。

日本PTA全国協議会会長賞の「五千円の価値」の筆者宅は、食肉店を経営しており、筆者は小学生の時から毎週土曜日に手伝っています。今年の夏休みに筆者は、父と出退勤の時刻を同じにし、一週間の本格的な手伝いに臨みました。しかし、3日目から疲れがたまり、「一生懸命働いてお金を得ることは大変だ」と痛感します。そして、最終日を終えて父から思いがけずもらった小遣い5,000円は、「お年玉でもらった5,000円とは重みが違う」と感じます。改めて、父が働いてお金を得ている大変さ、お金の大切さを実感した筆者。世界中には小遣いをもらえない人も多くいると考え、両親が必死に働いて得たお金からもらった小遣いを無駄使いしないようになりました。さらに、「飲み物は買わず水筒を持参する」「小遣い帳をつける」「必要な物・欲しい物・あったらいいなと思う物に分けて優先順位をつける」という三つの無駄使い防止策で上手にお金を使おうとしています。審査員からは、「お金の使い方にルールを課して実践しているところ、気付きから学び、成長プロセスにつながった点が良い」「働くことの価値に加え、お金の使い方のルールなど考え方に広がりがある」などの評価を受けました。

金融広報中央委員会会長賞「使ってこそ」の筆者の家は、母子家庭です。貧乏を嫌がってイライラすることが多い長兄に、つらさと共感の両方の感情を覚える筆者。友達と一緒に行きたい所があっても「お金がないから無理」と諦めていた時、母親から、「やりたいことや、行きたいところがあるなら使っていいよ。お金は使うためにあるものだから」と諭されます。母親はさらに、長兄は、学校が費用を負担してくれる留学制度を利用して留学したり、給付型の奨学金を受けたりするなど、いろいろ考えてくれているのだ、と教えました。筆者は、「一番上の兄よりもっと賢くなろう」「自分に好機が巡ってくるように、情報と心のアンテナを常に張り巡らせておこう」と決意します。その気持ちは、「スポンサーが付くくらい何か得意な分野で活躍したい」というほど高まっています。審査員からは、「お兄さんが家族のことを考えている家族愛がよく表現されていた」「自身のチャンスを得ていくために何ができるかを考え、自分の言葉で書いている。ハンデがあってもめげない強い姿勢を感じた」との評価を得ました。

50回記念特別賞「着物に思いをつなぐ」は、曽祖母が母のために買い、祖母が35年間大切に保管してきた七五三の着物から、お金の価値について考えた作品です。100円均一ショップが大好きだという筆者。今すぐに必要ではないものまで買ってしまっている、と反省します。そこで、自分が着た後に7歳下のいとこが着た七五三の着物を思い出します。四季の花柄が入った鮮やかなピンクの着物で、「良い着物だと、これから先もずっと着られるからいいんだよ」という曽祖母の言葉通り、母が着て以来、計6人が袖を通しています。普段、スーパーなどでは割引シールの付いた安いものを買うという筆者は、「お金の価値は一つに決まっているものではない。安いから価値のあるもの、高価だから価値のあるもの、どちらを選ぶにしても理由がある」と感じます。そして、長い歴史のある着物を着られたことを誇りにして、曽祖母や、大切に保管し守っている祖母の思いを忘れずに、この着物を次の人につないでいこうと決意します。審査員からは、「お金の尺度だけでは測れない、多様な価値観を論じている」「子供らしい素直な考えや思いが表現されている」などの点が評価されました。

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