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「おかねの作文コンクール」

第52回「おかねの作文」コンクール(中学生)(2019年)

講評

第52回「おかねの作文」コンクールには、全国の中学校から2,433編の作品が寄せられました。テーマは、おかねに関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作30編の入賞作品が決まりました。

募金や被災経験などの実体験を通じて得た学びを、中学生らしい視点で表現した作品が多く寄せられました。お金の本質を鋭く考察したもの、起業やライフプランを取り上げたものなど、金融経済に正面から取り組んだ作品も審査員の高い関心を得ました。これらの入賞作品の中から、特選5編の概要を紹介します。

金融担当大臣賞「姿を変えるお金」の筆者は幼い頃、母が募金箱に1円玉4枚程度を入れたのを見て、「その少しのお金で困っている人は助かるのだろうか」と疑問を抱きます。中学生になったある日、子供の治療費のための募金活動を見かけ、自身も税金の負担により治療を受けた経験から「お金のせいで治療を諦めてほしくない」と思い、立ち止まって財布をあけます。そして、「小銭の10円玉を全て募金しよう」とした時に思い出したのが、幼い頃のあの疑問でした。“少し申し訳ない気持ち”ながらも結局30円を募金すると、「ありがとうございます!」という大きな声が返ってきて、疑問は“思いが届いた喜び”に変わります。後日、小銭が詰まった募金箱に寄付金総額が書かれているのを見て、「一人一人の応援する気持ちがたくさん集まって支援につながっている」こともわかりました。最後に、エールをこめて募金することが『私の活きたお金の使い方』であると結んでいます。審査員からは「実体験を踏まえて、中学生の筆者に何ができるかという観点から、活きたお金の使い方を丁寧に考察している」「力強い言葉が心に残る作品」などの評価がありました。

文部科学大臣賞「目を向けるべきは『お金の本質』」は、「お金とは何なのだろう」との疑問をきっかけに、お金の本質に迫っていく作品です。お金に価値を与えているのは、人々の絶対的な信頼であり、信頼がなくなれば、貨幣はその原料の価値だけになります。投資信託、株取引、FX取引では、世界各国が実際に保有している貨幣の総量よりも多額のお金が流通し運用されています。私たちはそれを意識し、経済の土台であり、日常生活と切り離すことはできないお金の信頼性をいかに保っていくかが大切だと筆者は述べています。またインターネットが普及し、仮想マネーが発明され、世界でキャッシュレス化が進んでいる今、「今後お金の持つ不透明さや曖昧さは増すことはあっても減ることはないのではないか」と考え、お金の価値と存在を保ち続けるためにも「お金に対する教育」が大切だと締めくくっています。審査員からは「為替、株、投資信託、仮想マネー、信頼などのキーワードを取り上げており、金融に正面から取り組んだ作品」「貨幣が価値を持つ意味、お金の本質について中学生らしい感性を持ちながら展開していて好感をもった」と評価されました。

日本銀行総裁賞「『活きたお金』とは」は、福島県に住む筆者が6歳の時に起きた東日本大震災を振り返りながら、「活きたお金」について考える作品です。被災した当時、避難所では、水、毛布、食料などを周囲の人と分け合いながら不安な日々を過ごしたこと、支援物資には誰かがお金を払っていたと後から気づいたこと、復興のための募金のおかげで8年たった今では被災前とほぼ同じ暮らしを取り戻すことができていることなどが、感謝の気持ちとともにつづられています。また、「誰かのために使われるお金」には、病気の人のための募金もあると気づき、貧しい国の人にワクチンや食料、衣類などを与えるために募金するとよいと考えます。最後に、「活きたお金」とは、「世のため、人のために使うものだ」とし、「人はみんな支え、支えられて生きている」「これからも人と人とが繋がっていけるといい」などと述べています。審査員からは「募金のお金には応援や励ましといった心が込められている、という文章が心にささり感動した」「実体験をストレートな文章で表した部分が印象的」「説得力のある文章」と、実体験をもとにした素直な文章が高評価を受けました。

日本PTA全国協議会会長賞「お金では買えない、本当の笑顔」の筆者は中学2年生。毎月のお小遣いは2,000円で度々足りなくなり、申し訳ないと思いつつも年金暮らしの祖父に小遣いをねだっており、ある日、親にお小遣いの値上げを申し出ます。ところが、身の回りのこともきちんとできず、欲しいものがあればすぐに買ってしまうようでは、値上げはできないと断られます。正論とわかっていながらも筆者はついカッとなって、「1,000円ぐらいなら増やしてもいいだろ」と言い放ちます。部屋に戻り、その過ちを反省し泣いていると、母親が扉の前に「生きた使い方をしてね」というメモと5,000円を置いていきます。母の優しさに触れ、生きたお金の使い方を考えながらひと晩眠り、翌朝、5,000円を母に返した筆者はその時の母親の優しい微笑をみて、お金で買えるものと買えないものがあることに気づくとともに、自分はこの先どのようにお金を使っていきたいか、を考えています。審査員からは、「家庭内の事情、お金に対する弱い気持ちを吐露しながらもそれを乗り越え、お金のプラスの面に気づく心の軌跡がうまく表現されており感動した」「中学生が心の内を正直に文章にしているところが素晴らしい」などと評価されました。

金融広報中央委員会会長賞「私は社長」は、家庭内で「家事代行サービス」の会社を起業した中学1年生の作品です。両親の代わりに家事を行う会社とし、サービス内容・料金・注意事項を示した企画書も作りました。特に力を入れたのは料金設定です。母親は毎朝忙しいので、「ゴミ出し」をよく頼みます。毎朝なので高いとつらいだろうと低料金に設定しました。代わりに次によく頼まれる「洗濯」は少し高めに設定しましたが、「洗う・干す」は1セットにし、「畳む」は独立させ、必要に応じて母親が選べるように工夫しました。ほかに「料理」「リビング掃除」「雑草取り」「草木の水やり」などを設けました。また自分と両親の性格を考え、未収金や二重払いを防ぐため収支をノートに記録することにも気づいて取り組みます。筆者はこの経験から「お客さんの心をとらえるサービス」「収支の記録」「お金の使い道」の大切さなどを学びました。審査員からは「家庭内で家事代行の会社を起業するという発想がおもしろい。両親の性格をとらえてサービスの改善を行っている点も論理的でわかりやすく描かれていた」「家事手伝いという身近な労働体験を題材にして、社会の仕組みを考察していく様子が自然で、内容も具体的」などと評されました。

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