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「おかねの作文コンクール」

第53回「おかねの作文」コンクール(中学生)(2020年)

講評

第53回「おかねの作文」コンクールには、全国の中学校から1,723編の作品が寄せられました。テーマは、おかねに関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作30編の入賞作品が決まりました。

お小遣いの使い道や家族で決めたルールなど、身近な体験からお金の価値について考察した作品が多数寄せられました。コロナ禍を経験し、社会の中で循環するお金の存在意義に目を向けた作品も見られました。力作ぞろいの中から、特選5編の概要を紹介します。

金融担当大臣賞「ぶたの貯金箱の使い道」は、欲しいものを衝動的に買っていた筆者が中学1年生の時、断捨離を決意。モノにあふれていた部屋を片付けていく過程のなかでお金の大切さ、有効な使い道といった本質的な問題に気付いていく作品です。部屋からは一生かかっても使い切れないと思うほどの大量の色ペン、見たこともないストラップ、開いた形跡のない本などゴミ袋3つ分ものゴミが出ました。自分の愚かさを実感し母に小声で謝ると、母は優しい声で「いい勉強になったね」と言い、続けて「こういうためにお小遣いを渡しているのよ」と微笑みました。その顔を見て、筆者はゴミ袋の中からぶたの貯金箱を戻します。以来、浪費をしなくなり、その貯金箱にはお金が貯まるようになりました。そのお金でいずれは母にプレゼントをしようと考えています。そして、「自分や周りが幸せになれるお金の使い方をしたい」と締めくくっています。審査員からは「断捨離を通じて無駄遣いをしていたことに気付き、親も子どもの無駄遣いを知っていたが手を出さず、本人が気付くまで待っていた点が良い」「小さな失敗を子供のうちに積み重ねながら活きた金銭感覚を身につけていく教育がビビッドに描かれている」などと評価されました。

文部科学大臣賞「心に栄養を」は、新型コロナウイルスの影響でオリンピック、全国各地の祭り、花火大会などのイベントが中止になり、多くの人の気持ちが沈んでいる今こそ、明るく元気になることにお金を使うのが「活きたお金の使い方」ではないかと記しています。6月1日、全国各地で一斉に花火が上がりました。筆者の暮らす宮崎県でも行われ、1回で終わらせることなく、プロジェクトとして継続していこうと地元の人たちが立ち上がりました。クラウドファンディングで寄付金を募り毎週土曜日に合計7回、花火が夜空を彩りました。このプロジェクトを立ち上げた地元の人たちの熱い気持ちに共感した筆者は、寄付をし、花火が打ち上がるのを楽しみに待ちました。初めてのクラウドファンディングを通し、寄付をすることは「応援する気持ちのおすそ分け」だということに気付いたといいます。審査員からは「寄付を通じて皆が幸福になるお金の使い方が大切だ、ということに着目した点が非常に良かった」「クラウドファンディングという新しい手法を調べて参加したり、花火を打ち上げるという新しいお金の使い方を学んだりしたところが良かった」「題名がとても良い。花火からクラウドファンディングへの話の展開もしっかりしている」という評価を得ました。

日本銀行総裁賞「ゲーム内課金とお金の使い方」は、ゲームへの課金をしたいという筆者の弟と、それに反対する母親の攻防が描かれます。普段、電子書籍を利用している筆者は、商品やサービスの電子化が進む現代では、仮想と現実のどちらに対するお金の使い方も同じくらい尊重されるべきではないかと考えます。一方、母親はオンラインで支払いをすることでお金の価値が感じづらくなること、ゲーム課金にはギャンブル性があり、お金を使いすぎる可能性があることを指摘します。さらにユーザーに課金させるためのゲーム制作会社の戦略について書かれた記事を読ませます。その結果、筆者の弟は母親の管理下で小額の課金をすることでいったん決着します。ところが後日、弟の友人の母親から「課金はやめて欲しい」とやんわりと言われ、筆者は「課金は遊び仲間の課金を誘う力がある」ことに気付きます。そして、課金は禁止しないけれど周囲には内緒にすることとなり、これが「我が家にとってベストな選択」ではないかと、迷いながらも考えます。この出来事を経て、筆者はお金との向き合い方には正解がないからこそ、家族で話し合い、お金に関する経験を増やすことが大切だと学びます。審査員からは、「ゲーム内課金という若年層トラブルが増えてきている現代的なテーマを子どもの視点で掘り下げ、よくまとめている」「文章の構成がしっかりしていて、読み物としても面白い」といった評価を得ました。

日本PTA全国協議会会長賞「社会との繋がりであるお金」は、お金を多く持っているほど人生の選択肢が広がると考える筆者のお金に対する認識の変化がつづられた作品です。筆者は、お金が存在する理由について「人は一人では生きていくことができないから、物を交換する必要がある」という原点に立ち返り、お金の存在意義は社会と繋がることだと気付きます。また、お金を使うことが好きではなかった筆者に母親が言った「お金は回るもの」という言葉から、お金は使えば無くなるのではなく、回っていくものであるという新たな視点を得ます。新型コロナウイルスの影響で、倒産や減給せざるをえない会社が多くあることにも目を向け、お金を貯めるだけではなく、使うことの大切さを学びます。そして、お金を使うことは自分の意思を社会に伝えることであり、一人ひとりがお金の使い方について考えるためにも、「どう使うか」を重視したお金の教育をすべきだという主張で結んでいます。審査員からは、「コロナ禍の中で学んだことを書いた今年ならではの作品」「中学生らしい目線から、『お金は使うと無くなると思っていたけれど、回っていくもの』と端的に表現した点が素晴らしい」などと評価されました。

金融広報中央委員会会長賞を受賞した「値段では決められない価値」の筆者は、小学生の頃、大好きな祖父母の家に毎週末遊びに行き、祖父からお小遣いとしてたびたび「500円玉」をもらって、一緒に散歩しながらお菓子を買いに行くのが好きでした。やがて、小学6年生になったあたりから、勉強に追われる日々となり、また恥ずかしさもあって、祖父母を訪ねる回数は減っていきました。それでも、たまに行くと祖父は必ず500円玉をくれ、筆者はそのお金をゲームなどに使っていました。ある時、そのことを知った母親から「おじいちゃんからもらったお金は大切にしなさい」と言われます。筆者は特に気にせず、お金の使い方を変えませんでしたが、中学2年生の春、祖父が亡くなります。葬儀の後、筆者は祖父の部屋に入り、自分の名前が書かれた貯金箱を見つけます。中には500円玉がたくさん入っていて、祖父が筆者に渡すためにいつも貯めており、祖父の500円玉には「思いがこもっていたのだ」と気付きます。そして、何円であってもお金は大切に使おう、と強く心に誓います。審査員からは「実生活にもとづいた心温まるエピソードにひかれた」「祖父の手で温かくなったことのある500円玉はもうない、という表現は中学生としては秀逸」と評価されました。

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