金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
金融教育セミナー 東京会場
全国銀行協会
企画部長 : 岩本 秀治氏
「金融犯罪にご用心!~金融犯罪の手口と対策」
オレオレ詐欺など、手口はますます悪質・巧妙に、振り込む前に相談を
金融犯罪には振り込め詐欺、ATM利用者を狙ったひったくり、偽造・盗難キャッシュカード、盗難通帳、インターネットバンキングを悪用した不正資金移動などがありますが、その手口はますます悪質・巧妙になっています。平成20年度の発生状況を見ますと、偽造キャッシュカード被害が363件、2億3,000万円、盗難キャッシュカード被害が2,481件、11億8,400万円であるのに対し、振り込め詐欺の被害状況(平成20年)は、認知件数が2万件強、被害総額も270億円強に上っており、特に注意が必要です。
振り込め詐欺は大きく、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺の4つのパターンに分かれます。まず、被害の大宗を占めるオレオレ詐欺ですが、「オレだよ、オレ」といって息子や孫になりすまして電話をかける手口だけではありません。あらかじめ名前や職業を調べておいて、例えば医師の場合は「孫の太郎だけど手術に失敗して示談金を払わなければ…」といった真実味のある嘘を言ったり、あるいは、「孫の太郎だけど携帯電話の番号が変わったから」と電話をかけて登録させ(次回かけたときに「太郎」と表示されるので、相手は孫からの電話と誤認します)、数日後、再び電話をかけて「会社の金を使い込んだ。今日中に振り込んで…」といった手口も増えています。
また架空請求詐欺は、手紙や電子メールで「インターネットの有料サイトの料金が未払いです」など架空の料金等を請求する文書を送り、犯人の管理する預金口座に振り込ませる手口です。還付金等詐欺は、税務署や社会保険事務所の職員になりすまして、「保険料をお返します。銀行のATMで簡単にお返しできます」などと電話をかけ、ATMまで巧みに誘導し、返す手続きをしていると思わせて振り込ませるというものです。
こうした犯罪には不正に売買された銀行口座が使われていることから、銀行では口座開設時の本人確認や開設目的の確認を行っているほか、警察庁から提供される過去に振り込め詐欺に利用された口座名義人の情報を、口座開設時等のチェックに活用しています。またATMや窓口で「振り込め詐欺でありませんか」とお声かけしたり、「ATMコーナーでの携帯電話による通話をご遠慮下さい」とお願いするなどの未然防止に努めています。
最近では、エクスパックなど郵送による送金のほか、バイク便や犯人グループが直接お金を受け取りに行くという手口も増えています。被害に遭わないために、あわてて一人で判断せず、振り込む前に家族と連絡をとって確認したり、ニュースで最新の犯罪の手口を把握しておきましょう。なお、被害に遭われた方には、口座に残っている被害金をお支払いする法律がありますので、お心あたりのある方は振込先の金融機関にご連絡ください。
全国銀行協会とは
全国銀行協会は、国内で活動する銀行等を会員とする業界団体で、パンフレットなどの刊行物やホームページ、どこでも出張講座などを通じて、銀行業務に関する様々な啓発活動に取り組んでいます。
