金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2009
金融教育セミナー 東京会場
(社)全国労働金庫協会
多重債務相談デスク 消費生活相談員 : 堀田 英子氏
「マネートラブルにかつ!」
借金は必ず解決できる。普段から相談窓口を知り、家族と何でも話し合いを
「ろうきん(労働金庫)」は労働組合や生活協同組合の働く仲間が資金を出し合って作った協同組合組織の金融機関で、多重債務や悪質商法から人々を守るための相談や解決のお手伝いもしています。マネートラブルは、誰にでも起こり得ることです(中央労働金庫が作成した「ストップ!ザ・マネートラブル」のビデオを放映)。
消費者金融利用者は2008年度で約1,126万人、うち3カ月以上の延滞者は約200万人。自己破産を申し立てた人は12万9,508人、年間3万人の自殺者の中で生活苦による自殺者は7,404人もいて、多重債務は深刻な社会問題になっています。
お金を借りたら金利も払わなければなりません。10万円を利息制限法の上限金利の18%で借りると、1日49円、1カ月1,528円、出資法の上限金利の29.2%では、1日80円、1カ月2,480円。サラ金の広告の中には金利負担を少なく見せようと、「1カ月1,500円で10万円借りられます」「1日コーヒー1杯分で10万円借りられます」などを謳い文句にするケースもあります。また、50万円を金利18%で借り、毎月8,000円返すと、完済までの支払い利息は98万8,329円、返済総額は148万8,329円にもなります。このような支払いは大変な負担になります。
多重債務に陥った人に最初にいくら借りたのか聞きますと、10万円という人が多いそうですが、借金は必ず解決できます。まず、出資法と利息制限法の間のグレーンゾーン金利は民事的には無効です。弁護士や司法書士などの専門家に相談したり、自分で借りている先に取引履歴の開示を求め、利息制限法の上限金利に引き直し、過払いした利息があれば返して下さいと言ったりすることができます。どこから、いつ、どれだけ借りたかわからない人は株式会社日本信用情報機構で確認することもできます。
上限金利に引き直すソフトはインターネットで名古屋消費者問題研究会を検索すると利用できます。多重債務の解決には任意整理、特定調停、個人再生手続き、自己破産の4つの方法がありますが、債務整理後、5~7年は借り入れが困難になりますので、その時にヤミ金の魔の手が忍び寄ります。
ヤミ金は10日で4割、年利1,460%というケースが殆どです。元金も金利も返済不要という最高裁の判決が出ています。公的融資の利用や生活困窮の場合は生活保護を申請する事も可能です。困った時は当労金、消費生活センター、弁護士会などに相談して下さい。何よりも多重債務に陥らないために、普段から家族と何でも話し合う、欲しいものと必要なものを良く分けて考える、お金を貯めてから買う、友人間でもお金の貸し借りは控える、保証人にならない、などを心掛けましょう。
(社)全国労働金庫協会とは
・労金は営利を目的としない、勤労者の生活を守る金融機関です。
・多重債務相談、問題解決のお手伝い、マネートラブル防止の為のセミナーを行っています。
・関連機関、団体と連携し、法律改正の運動に参画しています。
