金融教育公開授業
2017年度 金融教育公開授業
福岡県金融広報委員会
福岡県立東鷹高等学校
金融広報中央委員会
福岡/田川市の実施報告
「金融教育公開授業 in 福岡(田川)(東鷹高等学校)」(11月7日開催)
福岡県立東鷹(とうよう)高等学校は、普通科総合コースと総合生活科の2つの学科を有する、今年で創立91年目を迎える学校です。「がんばっ東鷹」の合言葉の下、「りっぱな社会人を育てる」という教育目標の達成に向け、全校生徒が勉学や部活動、学校行事に一生懸命に取り組んでいます。
11月7日(火)に金融教育公開授業を開催し、1年生を対象とする公開授業と、全校生徒を含めた全ての参加者を対象とする山田真哉氏の講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「インフレ・デフレって何だろう?」
1年生の現代社会の授業で、需給と物価の関係に着目し、インフレ・デフレのしくみについて学びました。授業の前半では、プリントにある資料問題を解いていきながら、需給と物価の関係について確認しました。「ハワイ旅行の値段と時期の関係」を資料から読み取ったり、「今年4月におけるネットオークションでのポテトチップスの高騰」を実際のオークション画面とニュース記事から読み取ったりして、その都度全体で意見交換を行いました。授業の後半では、「結婚」や「持ち家を建てる」などの人生における大きなイベントを軸に年代ごとのライフプランニングを行いました。そして、もし、各年代でインフレ・デフレが続いたら、とるべき行動はどう変わるかを一人ひとりが考え、意見交流を行い、インフレ・デフレが消費や貯蓄にどのような影響を与えるのかについて理解を深めました。
(2)「自主性を育む金融教育~オリジナルブランド商品の販売実習を通して~」
地域の祭りに参加して行った、本校オリジナル商品の販売実習を振り返りながら、事前に設定した売上目標の妥当性や達成度、今後の課題や改善点についてグループで検討していきました。まず、事前に設定していた目標を達成できていたかどうかをクラス全体で確認したのち、販売実習を終えて見えてきた課題とその解決策を一人ひとりが考えました。その後、考えた内容をグループで意見交換し、グループごとに発表することによって、クラス全体の課題と共通して取り組むべき解決策を共有しました。グループから出た意見としては、「販売の際にはコミュニケーション力が大切だということがわかった」、「コミュニケーション力は日頃から身につけることができるから、日頃の挨拶などを頑張っていきたい」などがあり、次回の販売実習に対して具体的な目標を立てることができました。
2.講演会
公開授業の後、山田真哉氏から「今後の生活設計をする上で大切なこと」と題する講演が行われました。
前半は、「会計センス」を磨き、「限定○割引き」や「本日ポイント5倍」といった日常によくある数字にまどわされないようにするための考え方を、クイズを交えながら説明していただきました。クイズは、「同じような商品が2つ並んでいる場合、定価1,000円の商品が今だけ特価800円のものと、定価700円のもの、どちらがお得か」など、日常生活でよくある場面を想定されたものが出題されました。クイズに答えていきながら、「お得よりお得感を重視しがち」、「金額が大きいとマヒする」、「値引きや特別に弱い」などといった、人が陥りがちな思考や行動の偏りについて学び、知らず知らずのうちに損する行動を取ってしまうことのないように会計センスの磨き方を学びました。
後半は、「資産運用の初歩」について教えていただき、「キャピタルゲイン」や「インカムゲイン」といった基本用語から、「借金の返済も投資」といったことまで学びました。資産運用の種類など、大人でも理解していない内容について丁寧に説明していただき、生徒のみならず、教員や保護者にも聞きごたえのある内容でした。まとめとして、会計センスを磨くためには、「過去にとらわれず、『感情』を排除し、『勘定』で考える思考法が重要」というお話をしていただきました。
生徒からは「普段意識しないお金の話をしていただいて勉強になった」や「今まで、割引されているだけでお得だと思ってついつい買ってしまうことがあったので、これからは割引にまどわされずに金額をきちんと見て買い物をしたいと思う」などといった感想が寄せられました。
3.プログラム
- 13:15~14:05
- 公開授業
(1)「インフレ・デフレって何だろう?」(1年生 現代社会)
(2)「自主性を育む金融教育~オリジナルブランド商品の販売実習を通して~」(1年生 生活産業基礎) - 14:15~14:20
- 開会挨拶
福岡県立東鷹高等学校長 原田幸蔵 - 14:20~15:30
- 講演「今後の生活設計をする上で大切なこと」
講師:山田真哉氏 - 15:30~15:35
- 閉会挨拶
福岡県金融広報委員会事務局長 明知聖士