企業年金
第6章 企業年金を年金で受け取るか、一時金で受け取るかを考えましょう
4. 税制適格退職年金
積み立て不足のある税制適格退職年金
税制適格退職年金の場合、退職年金を受け取ることができる人は、年金で受け取るほかにほとんどの場合で一時金でも受け取ることができます。
年金と一時金の選び方で他の企業年金と大きく違うところは、年金で受け取る場合の安全性です。確定給付企業年金はこの税制適格年金にある安全性の不安を逓減させるために作られたといっても過言ではありません。税制適格退職年金は積み立て不足など年金制度に適切な資金があるかをチェックする体制が不十分です。そのため、積み立て不足が多く発生し、適切な資金がない会社も多くあります。 このように適切な資金がない状態で会社が破綻してしまうと約束された年金がきちんと支払われない確率は、他の企業年金より高くなります。もちろん、税制適格退職年金がすべて危ないということではありません。また、全体からみると終身年金の会社はあまり多くありません。安全性を考えるときに有期年金であれば安全性を心配する期間も限られてきます。
税制適格退職年金は平成24年3月末で廃止
この税制適格退職年金は平成24年3月末で廃止が決まっています。現在、まだ、この税制適格退職年金制度の会社は急ピッチで新しい制度への変更などを行っています。
これから退職年金を受け取る人は、新しい制度に変更した場合に給付がどうなるかということが影響していきます。今後についての情報収集が必要になります。
もし、廃止後も退職年金をもらい続ける場合は税金の取り扱いが変わります。平成24年4月以降は今まであった公的年金等控除の適用がなくなり課税されるため、手取り額が減る場合も考えられます。