金融教育プログラム-社会の中で生きる力を育む授業とは-
(全面改訂版)
3.金融教育を支援する関係機関等の活動
(3)金融教育全般の活性化に向けた取り組み
<1>イベントの実施等による社会的認識の喚起
金融教育に対して、既に高い関心をもち、何らかの活動に携わる人々が増えている一方、関心の低い人々も少なくないのが実情であろう。
例えば、金融知力普及協会では、全国の高校生を対象にした金融経済クイズ選手権として「エコノミクス甲子園」を毎年実施し、高校生に「自分のライフデザイン」や「自分とお金の関わり方」についてクイズを通して考えてもらう取り組みを行っているほか、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会でも、金銭教育に関するフォーラムなどを各地で開催している。金融広報中央委員会でも、平成17年度~平成23年度に「金融教育フェスティバル」を実施したほか、平成24年度以降は「親子のためのおかね学習フェスタ」を開催している。こうした目にみえるかたちでの具体的な取り組みが活発に行われ、多くの人々に楽しみながら金融教育に触れる機会を提供することは、金融教育の社会的認知を高める上でも今後とも必要と考えられる。
<2>学生向け作文コンクール等の実施
(公財)生命保険文化センターでは保険に関する作文コンクールを実施しているほか、租税に関する作文コンクールなども広く知られている。金融広報中央委員会でも、中学生を対象とする「おかねの作文」コンクール、高校生を対象とする「金融と経済を考える」小論文コンクールを実施しており、日本銀行でも、大学生を対象とするプレゼンテーションコンテスト「日銀グランプリ」を実施している。また、「株式学習ゲーム」や「日経ストックリーグ」など、模擬的な株式取引を体験学習するためのツールも全国の中学校や高等学校などで広く利用されている。今後ともこれらのコンクール等を通じて、教育関係者、児童生徒、保護者等多くの方々に金融教育への関心を喚起することが望ましいと考えられる。