わが家の味方「生命保険」
3.年代別・目的別に考える生命保険
独身時代の生命保険
最低限の基本的な保障を
学校を卒業して、就職すると、さっそく会社に生命保険の営業の人が訪ねてきます。そして、保険を勧められるわけですが、はたして言われるままの保険に入ってもいいのでしょうか。
20代の独身者に勧められるのは、「定期保険特約付き終身保険(以下、定期付き終身保険)」か、「自由設計型の保険」のどちらかです。
どちらの場合も、死んだ時の保障額を小さめにして、医療の保障をわりと充実させています。
たとえば、終身保険120万円に2,880万円の定期保険特約を付けて、死亡保障額を合計3,000万円(自由設計型は定期保険特約だけで3,000万円)にしたもの。これに入院1日あたり5,000円が支払われる医療特約が付いています。これに三大疾病保険特約をはじめ、さまざまな特約がセットされています。
3,000万円というのは決して小さな死亡保障ではありませんが、30代以上の既婚者には死亡保障5,000万円以上の保険が勧められることを考えれば「小さめ」と言えるでしょう。保険料も月額10,000円~15,000円におさえ、入りやすさをポイントにしています。なんとなく「社会人になったら保険に入るもの」という雰囲気がありますから、つい加入してしまいます。
でも、考えてみて下さい。会社に入ったばかりの独身者に3,000万円もの死亡保障が必要でしょうか。いずれ結婚して、子どもが生まれれば、自分に万一のことがあったときに家族を支えるための保険―死亡保障が必要になるでしょう。でも、結婚するまでは、ふつうはいらないのです。ただし、親を経済的に援助している人、シングルでも子どものいる人は相当の死亡保障が必要です。
独身の時に必要なのは、死亡保障ではなく、本人が病気やけがで入院したときの医療保障です。入院していろんな費用がかかった場合も、両親などに経済的な負担をかけることのないような備えは、社会人として最低心がけておくべきことです。この保障のための保険には、単独の「医療保険」(入院保険ともいう)があります。外資系(元外資系もふくむ)の生命保険会社や、中堅の保険会社、全労済などがあつかっています。通信販売で加入できる商品も多く、一部の損害保険会社も医療保険を販売しています。
入院日数や手術の種類に応じて給付金が支払われる掛け捨ての保険で、入院1日あたりの給付金5,000円の契約なら、20代の場合の保険料は2,000円前後からです。不必要な死亡保障のための保険に10,000円もの保険料を払うより、2,000円の掛け捨て保険だけにして、浮いた分は結婚の費用のために積み立てるなり、親孝行に使うなりするのが、賢いやり方です。
女性は、定期付き終身保険ではなく「終身保険」を勧められることも多いようですが「必要なのは医療保障だけ」、というのは男性の場合と同じです。独身時代にすすめられて、終身保険に医療特約をつけて入る人も多いのですが、結婚や出産で仕事を辞めると、保険料を払いつづけるのが難しくなります。保険料の安い医療保険なら、無理なく続けられます。
種 類 | 内 容 | 保障額 |
---|---|---|
疾病入院給付金 | 病気による入院は1日目から通算最高 1,000日まで保障される |
1日5,000円 |
災害入院給付金(*1) | 病気による入院は1日目から通算最高 1,000日まで保障される |
1日5,000円 |
手術給付金(*2) | 手術の種類に応じて支払われる | 50,000円 100,000円 200,000円 |
*1災害入院の保障は90歳まで
*2給付金額は手術の種類による
20歳 | 25歳 | 30歳 | |
---|---|---|---|
男 性 | 1,490円 | 1,635円 | 1,790円 |
女 性 | 1,420円 | 1,565円 | 1,720円 |