わかりやすい社会保障制度
IV.医療保険
2.国民医療費
国民医療費とは、毎年わが国において医療にどれくらいの費用が使われたかを示すもので、自己負担分を含む医療費の合計のことです。医療の高度化による診療内容の変化や、1人当たり医療費の高い高齢者の増加などを背景に、国民医療費は年々増加を続け、平成20年度では34兆円を超えています。(厚生労働省・平成22年11月発表の平成20年度国民医療費の概況より)このうち高齢者医療費(75歳以上および65~74歳の障害者認定者に係る医療費)は約11兆円で、国民医療費の約3割を占めています。医療保険財政は大幅に悪化して危機的な状況にあることから、良質な医療を国民すべてに提供する医療保険制度を今後も維持していくために、制度全般にわたる総合的な改革が現在進められています。