住宅購入資金 ~ローンの選び方、そのポイントとは?
マイホーム購入計画
購入予算の考え方
適切な借入額はどのくらい?
住宅購入で最も重要なのが予算です。身の丈を超える金額の物件を購入してしまうと、住宅ローンの支払いが困難になったり、老後の生活資金が不足したりなど、今後の長い人生に影響を与えかねません。
購入する物件予算を決めるには、いくらくらいの借入額なら無理なく返済できるのかがポイントになります。ここでは適切な借入額を簡単に、概算で算出する方法をご紹介します。
毎月返済できる金額は?
住宅購入をした場合に、毎月いくらなら返済できるかを考えます。下図の式に実際の数字を入れて計算してみましょう。
毎月返済できる金額=(❶-❷-❸-❹)÷12ヶ月
- 手取り年収
- 住居費以外の生活費などの年間支出
- 住宅を購入した場合の年間維持費(管理費、修繕積立金、固定資産税など)
住宅購入後の維持費参照 - 教育費、老後生活資金等、将来に向けた年間貯蓄額
何年間支払うことができる?
算出した毎月返済額は、いつまで支払うことができるでしょうか?
会社員であれば、定年退職の年齢までの年数が無難です。自営業であればリタイアする年齢までの年数と考えると良いでしょう。ただし、今後、繰上返済を多めにできる余裕がある場合には、5年程度であれば長めに考えても良いでしょう。
無理なく返せる借入額を試算する
「毎月返済できる金額」と「何年間支払うことができるか」がわかったら、借入額の目安表で、無理なく返せる借入額を調べてみましょう。金利は、返済できる期間を全期間固定した場合の金利で見ると安心です。
借入額の目安表(別ウィンドウで開きます)
借入目安額の算出例
- 毎月返済できる額=(❶500万円-❷280万円-❸40万円-❹60万円)÷12ヶ月=10万円
- 手取り年収 500万円
- 生活費などの住居費以外の年間支出 280万円
- 住宅を購入した場合の年間維持費 40万円
- 教育費等、将来に向けた年間の貯蓄額 60万円
- 定年退職までの年数 25年
- 金利 2.0%
目安表の①毎月返済額10万円、②借入年数25年、③金利2.0%の欄を見る
借入額の目安表(別ウィンドウで開きます)
借入目安額は2,350万円
住宅購入にかかる諸費用
住宅購入の予算を考えるのに忘れてはならないのが諸費用です。主な費用としては、
- 登記費用(所有権移転登記や所有権保存登記、抵当権設定登記など)
- 契約書に貼付する印紙税
- 住宅ローン借入れのための保証料や事務手数料、火災保険料
などがあります。中古住宅の場合には、仲介手数料もかかります。
諸費用の金額は、住宅ローンの借入額や借入年数、住宅の固定資産税評価額などにより異なりますが、目安として、新築で購入価額の3~5%、中古では5~8%を見込んでおきましょう。これらの諸費用を住宅ローンで借入れすることができる金融機関もありますが、借入額が増えてしまうこともあり、原則自己資金で準備するよう心がけましょう。
購入予算の考え方
借入額や諸費用の目安がわかったら、いよいよ購入予算を考えてみます。
購入予算は、借入額に自己資金をプラスしたものから諸費用分を引いたものと考えましょう。自己資金には、自分で貯蓄して準備したものや、両親などから援助を受けられる場合の金額も含めます。
<例>購入予算の考え方(新築マンションの場合)
購入物件の予算=借入目安額+自己資金-諸費用
- 借入目安額 2,350万円
- 自己資金 1,000万円(自分の貯蓄500万円+親からの援助500万円)
⇒2,350万円+1,000万円=3,350万円 - 諸費用(5%で試算)※3,350万円×5%=168万円
購入物件の予算=3,350万円-168万円=3,182万円
※実際の計算は物件価額の5%ですが、ここでは目安額を出すために簡易化した計算方法にしています。