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第1部 所得税アラカルト

4. 新しい株式譲渡益課税の仕組み

証券税制

「貯蓄から投資へ」という流れに乗って、数年前から改正が繰り返されてきた証券税制は、複雑で難しい制度になっています。しかし、平成21年に迫っている株券のペーパーレス化を控え、証券税制を理解することは大変重要なこととなります。

上場株式の売却益に対する課税

株式売却益の課税の仕組み

上場株式の売却益に対する課税は、株式の売却によって得た収入金額から、株式の取得にかかった費用(取得費)と売買に関する手数料などの経費を差し引いて課税される所得金額を計算し、他の所得とは分離し、一定の税率をかけて計算します。

株式の取得費の特例

平成13年9月30日以前に取得して引き続き所有していた上場株式を、平成15年1月1日から平成22年12月31日までに売却した場合の取得費は、その上場株式の実際の取得費と、平成13年10月1日の株価の終値の80%に相当する金額とを比較して、いずれか有利な方を選択することができます。

この特例を受けるために必要な平成13年10月1日の終値は、国税庁ホームページの「平成13年10月1日における上場株式等の株価一覧表」によって確認することができます。
株式譲渡益課税制度「平成13年10月1日における上場株式等の株価一覧表」(国税庁へリンク)

株式売却益に適用される税率

平成15年度から平成19年度の間に、証券会社を通して上場株式等を売却した場合には、その売却益に対して10%(所得税7%、住民税3%)の低い税率で所得税を計算する特例が適用されています。

平成20年度からは、20%(所得税15%、住民税5%)の税率が適用されます。

株式の売却益に対する税率

区分 上場株式 上場されていない
株式の売買
証券会社を
通じての売買
いわゆる相対
での売買
平成15年1月1日

平成19年12月31日
10%
(所得税7%、住民税3%)
20%
(所得税15%、住民税5%)
平成20年1月1日~  

対象となる上場株式等の範囲

証券税制が適用される上場株式とは、(1)上場株式、(2)店頭管理銘柄、(3)新株予約権付社債、(4)上場REITなどをいいます。

タンス株の特定口座への受入れ

特定口座へのタンス株の受入れは平成16年12月31日を期限としていましたが、その後も、多くのタンス株が残っていることが推測されたことから、平成17年4月1日から平成21年5月31日までの間、一定の要件の下で、タンス株を特定口座へ預け入れる制度が復活しました。

前回のタンス株の特定口座への受入れに際しては、「みなし取得費」といって、実際の取得価額と平成13年10月1日の終値の80%相当額とを比較して、いずれか有利な額を選択できる制度がありましたが、今回、復活したタンス株制度では、特定口座への受入れに際しては、実際の取得価額での受入れに限定されました。

タンス株とは?

株券は紙に印刷されており、銀行の貸金庫や証券会社の保護預かり制度の利用などによって、大切に保管されるものですが、特に自宅(投資者の手元)で保管されている株券を一般にタンス株といいます。

特定口座では?

投資をする人が証券会社に開設した「特定口座」を通して行った上場株式等の譲渡については、投資家本人に代わって、証券会社がその売買損益を計算します。

特定口座と一般口座

(1)特定口座を選択した場合

特定口座に預け入れた株式を売却した場合、本人に代わって証券会社が上場株式等の譲渡所得の計算を行い、その年1年間のすべての取引について「年間取引報告書」を発行しますので、これを使って簡単に確定申告をすることができます。特定口座では譲渡益について、源泉徴収制度の「あり」と「なし」のどちらかを選択することができます。

源泉徴収の「あり」を選択すると、売却して利益が出る度に、所得税と住民税を証券会社が計算して源泉徴収し、損失が出た場合には既に徴収されていた税額を限度として証券会社が還付まで行いますので確定申告をする必要はありません。源泉徴収ですべての課税関係が終了しますので、控除対象配偶者や扶養親族となるかどうかの判定をする場合の合計所得金額にも含まれません。 ただし、年間を通じて損失の方が多かった場合には、別途、確定申告をすることになります。
源泉徴収の「なし」を選択した場合には、証券会社が発行した「年間取引報告書」を添付して、自分で確定申告を行い、自分で納付します。

(2)一般口座を選択した場合

一般の口座に預け入れた株式を売却した場合には、取引をした本人が、株式の銘柄ごとにその取得費を確認し、譲渡益を計算して確定申告しなければなりません。

特定上場株式等の非課税の特例

平成13年11月30日から平成14年12月31日までの間に購入した特定上場株式については、平成17年から19年までの3年間に証券会社を通して売却した場合、購入価格1,000万円までの株式に係る譲渡益については、「特定上場株式等非課税適用選択申告書」に記載して確定申告することを要件に非課税となる特例があります。

注意!
特定口座で源泉徴収「あり」を選択していた場合には、この特例を受けることはできません。売却する前に源泉徴収「あり」の特定口座から引き出して売却しなければなりません。

特定上場株式等とは?

特定上場株式等とは、上場株式等で、平成13年11月30日から平成14年12月31日までの間に購入又は払込みによって取得した株式等をいいます。ただし、相続・贈与によって取得した上場株式等は特定上場株式等に該当しません。

特定管理株式のみなし譲渡損失(紙くずとなってしまった株式の損失)と確定申告

通常、所有していた株式が発行会社の破綻によってその価値を失い、紙くずとなってしまった場合には、譲渡をして譲渡損失が出たわけではありませんので、その損失は投資家の自己責任ということになり、何らの補償もありませんでした。しかし、株式投資を促進するための環境整備の一環として、平成17年4月1日以降に、特定口座内の株式が発行会社の破綻等によって上場株式等に該当しなくなり、その後、価値がなくなってしまった場合の損失について、一定の要件の下に、これを「みなし譲渡損失」として取り扱うことができるようになりました。証券会社では、この上場廃止になった株式を「特定管理口座」に移し、価値を失った株式に係る証明書を発行しますので、これにより株式の譲渡損失として他の株式の譲渡益と通算し、確定申告を行うことができます。

気をつけなければならない点は、上場廃止となっただけでなく、その株式の発行会社が解散し、精算結了した場合や、破産手続開始決定を受けたことなど、一定の要件に該当しなければ、この特例の適用はありません。

上場株式等の譲渡損失の繰越控除

上場株式等を譲渡して損失が出た場合には、他の株式等の譲渡益から差し引くことができますが、譲渡損失の方が上回ったときは、確定申告をすることによって、この損失を翌年以降3年間にわたって繰り越すことができる制度があります。この制度は、譲渡損失が発生した年以後、毎年確定申告をしなければ適用されません。特定口座で源泉徴収「あり」を選択している場合であっても、損失を繰り越すには確定申告をすることが必要です。

著名人・有識者が語る

  • プロサッカー選手 中村憲剛さん
  • 脳科学者 中野信子さん
  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
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  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
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  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
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