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家のたたみ方と墓じまい
「空き家」放置の問題点と解決法は?

家を相続した場合の対処法

具体的な方法は五つ 早期対策がカギ

では実際に、親が亡くなるなどして家を相続した場合、どうすればよいのでしょうか。主な方法として、①自己利用、②適正管理、③売却、④賃貸、⑤それ以外への利活用、があります【図表6】。

【図表6】相続した家や土地に対する選択肢

※画面を横にするか、横にスクロールしてご覧ください。

メリット デメリット
建物を自己利用
(リフォームなど)
  • 思い入れのある建物を残すことができる

  • 生活圏が合わないなどの場合は不向き

適正管理
(現状維持)
  • 時間をかけて今後の対処法を検討できる

  • 管理費用や手間がかかる

売却
  • 現金化して資産を相続人間で分配できる

  • 相場や立地などによって売却額が想定より下がったり、売却できない場合も

賃貸
  • 長期にわたって収益が期待できる

  • 貸借人が見つからない場合も

  • 管理費用や手間がかかる

それ以外への利活用
(住宅以外への建物転用)
  • 現状の建物を有効活用できる

  • 地域の福祉、まちづくりなどに貢献できる

  • 用途により住宅よりも改修条件などが厳しくなる場合も

それ以外への利活用
(駐車場など)
  • 住宅としては活用しにくい土地も利活用できる

  • 初期投資が抑えられる

  • 相場や周辺の需要によっては投資を回収できない場合も

(出所)
東京都「東京空き家 ガイドブック2019」を基に監修者作成

相続した家をリフォームするなどして、自分や家族が住むこと(①自己利用)ができれば、それがベストといえます。また、自分や家族が住むことは難しくても、近隣に住んでいて適切な管理ができる(②適正管理)といった場合は、しばらく現状維持にしておくという手もあります。ただし、空き家の管理にはお金も手間もかかるため、なるべく速やかに、その後どうすべきかを考える必要があるでしょう。

そのほか、③売却して現金化する、④賃貸に出し賃貸収入を得る、あるいは、元の住宅としての形ではなく、改修・改築をして店舗やオフィス、工房、コミュニティスペースとして活用したり、駐車場にしたりするという方法(⑤それ以外への利活用)も考えられます。

「空き家バンク」など 市区町村の制度の活用も

売却や賃貸を検討しても、立地などの関係で、スムーズに買い手や売り手が見つからないこともあるでしょう。そんなときには、家のある地域の市区町村に相談するのがおすすめです。市区町村によって実施している空き家対策はさまざまですが、その一つに「空き家バンク」があります。

空き家バンクとは、市区町村が空き家対策の一環として運営している制度で、住民から空き家を募り、空き家の利用を希望する人に物件情報を提供するという、需要と供給のマッチングをする仕組みです【図表7】。

【図表7】空き家バンクの仕組み

「全国の市区町村」は、「宅建協会」と協定を結んでいます。①「全国の市区町村」は、住民より「空き家」を募り、「空き家の所有者」は、これに登録します。②「全国の市区町村」は、「空き家」を利用したい住民へ「空き家」の情報を提供し、利用希望者が申込みます。③申込みを受け、「宅建協会」は、「空き家」の現地調査を行います。④その後、「宅建協会」は、「空き家の所有者」と利用希望者の間に立ち、契約交渉を行います。

(出所)
監修者作成

空き家バンクの物件情報の掲載は各市区町村のWEB サイト上で行われていますが、2018年4月から、公募で選定された事業者によって運営される「全国版空き家・空き地バンク」のWEB サイトが開設されており、全国の空き家バンクの情報を確認することができるようになりました。利用促進のため、空き家バンクに登録して成約をすると奨励金を支払うという市区町村も多くなっています。

また、住宅を賃貸に出したいときには、「住宅セーフティネット制度」が利用できます。住宅セーフティネット制度は、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯など、住宅確保が困難な人(住宅確保要配慮者<以下、要配慮者>)に安全な住宅を提供するため、空き家を活用する仕組みとして2017年10月にスタートしました。賃貸人は、入居を受け入れることとする要配慮者の範囲等を記載した申請書を提出し、都道府県知事などから、「住宅確保要配慮者円滑入居賃貸住宅」としての登録を受けます。要配慮者は、その情報を見て、賃貸人に入居を申し込むという流れです。賃借人の受入れにあたり、必要な改修を行う場合には、改修工事費の補助を受けることも可能です。

ただし、空き家バンクや住宅セーフティネット制度への登録には条件があり、すべての物件が掲載できるわけではありません。また、掲載できたからといって必ず売却、賃貸に出せるという保証もありません。

そこで、売却価格が安くなるというデメリットを理解したうえで、どんな物件でも掲載できるという格安の仲介WEBサイトに登録して引取り手を探したり、安く家を買取ったうえで、改修・再販する買取再販業者に買い取ってもらうという方法もあります。

もちろん、生まれ育った愛着のある家を低価格で手放すことに抵抗を覚えるという人もいるでしょう。しかし、仮に家の外壁が崩れ落ちて通行人が大ケガをした場合には、莫大な賠償金が発生する恐れもあります。また、時間を置いたとしても値段が上がる土地は一部であり、一方で経年劣化が進んだ建物の価値はどんどん下がってしまいます。一般的にいえば、早期対策を検討することが得策だといえるでしょう。

空き家の解体に助成金を活用できる場合も

買い手や借り手が見つからず、処遇に迷っている空き家があるのならば、思い切って解体し更地にしてしまうことを検討しましょう。

もちろん、空き家を解体するのにも費用がかかります。建物の立地、規模、構造によって費用は大きく異なりますが、木造では1坪当たり4万円、鉄筋コンクリート造では1坪当たり7万円の費用が目安のようです。

そこで最近では、空き家の解体に助成金を出す自治体も徐々に増えてきました。例えば、東京都足立区では、一定の要件を満たした空き家に対して、解体工事費用の2分の1が助成されます(木造で上限50万円、非木造で上限100万円)。

ただし、助成金制度のある自治体はまだ少数で、その内容も自治体ごとに異なるため、まずは、家のある地域の自治体に相談してみることをおすすめします。

遺品整理は種類ごとに 分類業者に依頼する選択肢も

家を売却したり賃貸に出す場合でも、解体し更地にする場合でも、まず家に残っている家財の整理・形見分けを含めた遺産の分配が必要です。

遺品となる家財を整理する際には、まず種類ごとに分類することが大切です。具体的には、家財を「ごみ」、「リサイクルショップなどの活用」、「遺産相続に関係するもの」、「思い出の品」の4種類に分類し整理します。

例えば、タオルや食器、寝具、洋服などの日用品は原則「ごみ」として分類します。家電やブランド品など市場価値のあるものは、「リサイクルショップなどの活用」に分類し、出張買取などを利用しましょう。売却して得た代金は解体などにかかる費用に充てることもできます。

さらに、遺された家財の中で最も重要なのが「遺産相続に関係するもの」です。遺産分割の対象となる金品類や、遺言状、権利書などは、誤って処分することなく、確実に保管しておきましょう。

コスト面を考慮するならば、遺品整理はすべて自分たちで行うことが理想ですが、整理すべき家財が大量にあったり、思い入れのある物を自分で処分するのが難しいといったときには、最低限の目途をたてたうえで、遺品整理業者に依頼するとよいでしょう。

なお、業者によってもサービス内容や料金に差があるため、複数の業者に見積もりを作成してもらい、比較・検討するとよいでしょう。

つづく

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