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企業年金

第2部 各企業年金制度の詳細

第3章 厚生年金基金

3.給付と手続き

厚生年金基金の解散や新たな制度への移行が進み、現在、存続する厚生年金基金が少ないため、手続きは簡単に説明します。

(1)給付内容

厚生年金基金の給付は、厚生年金基金のルールごとに違います。しかし、法律や基金の規約の承認基準により一定の制約の下にルールが作られています。基本的に厚生年金基金は国の厚生年金の代行部分の給付をするほかに基金独自の給付を行います。また、老後の給付は終身年金が基本となっています。

図表2-3-2:厚生年金基金の給付と条件
給付 条件
老齢給付金 老齢年金
  • 厚生年金基金のルールによる。
  • 加入期間が10~15年以上の人が、公的年金の支給開始年齢あるいは60歳等規約で決めた年齢になると原則終身年金が支給される。
  • 厚生年金基金ごとに年金の金額や受給資格が決まっている。
選択一時金
  • 老齢年金に代えて一時金で受け取る。
  • 退職後から老齢年金の支給開始までの間に手続きをする。
  • 厚生年金基金ごとに年金を一時金に換算する率が決まっている。
脱退一時金
  • 老齢給付金を受け取ることができるようになる前に退職した場合(中途退職など)に一時金を支給される。
  • 一般的に3年以上加入した場合には支給することになっている。
障害給付金 任意給付
  • 一定の障害になった場合に支給される。
  • 厚生年金基金ごとのルールによるが、実施しているところはあまりない。
遺族給付金 任意給付
  • 本人が死亡した場合に遺族へ支給される。
  • 厚生年金基金ごとのルールによるが、老齢給付等の受給前に死亡した場合や、老後、あらかじめ決められた保障期間が終わる前に死亡した場合に遺族が受け取れる場合が多い。

(2)手続き ~どうやったらもらえるのでしょうか?~

厚生年金基金の受け取り方法とその手続きは、退職のパターンによって次のようになります。

図表2-3-3:退職のパターンと給付

定年退職、中途退職の場合等で異なる受け取り方法と手続きについて説明しています。詳細は本文のとおりです。

①定年退職の場合

  • 基金が存続する場合

    加入していた厚生年金基金が存続している場合は、加入していた厚生年金基金に連絡して手続きをします。

  • 基金が解散等をした場合

    加入をしていた厚生年金基金が解散した場合は、解散時の選択により手続きは違います。解散時に企業年金連合会へ資産を移換した場合は、企業年金連合会へ手続きをします。また、解散時に分配金を受け取った場合は、給付はありませんので、手続きは不要です。その他の企業年金へ資産を移換した場合は、それぞれの企業年金の窓口へ連絡をして手続きをします。

②中途退職の場合

  • 基金が存続する場合・退職時に基金が存続していた場合

    加入していた厚生年金基金が存続している場合は、加入期間により次のように分類されます。また、加入していた基金ごとに多少ルールが異なりますので、具体的な手続きは加入していた厚生年金基金への確認が必要になります。

    このほか、2014(平成26)年4月から厚生年金の代行部分の取り扱いが変更されました。自分が退職した時期により取り扱いが違いますので、気をつけましょう。

    1. 短期勤続後の退職(加入期間が3年未満での退職)

      一般的に加入期間が3年未満で退職した場合は厚生年金基金からの給付はない場合が多くなっています。この場合は退職後すぐに自分で手続きをすることはありません。

      しかし、厚生年金基金の給付がなくても、厚生年金の代行部分の給付はありますので、公的年金の支給開始時期になったら、企業年金連合会で手続きをとる必要があります(2014(平成26)年3月以前に退職した場合)。2014(平成26)年4月以降に退職した場合は各厚生年金基金で手続きをします。

    2. 短期勤続後の退職(一般的に3年以上10年未満<または15年未満>の加入期間での退職)

      退職後、加入していた厚生年金基金から脱退一時金を受け取れます。ただし、その一時金を企業年金連合会へ移換する、再就職先等の企業年金へ移換することもできます。いずれにするかは遅くとも1年以内に自分で決めて厚生年金基金へ申し出なければなりません。期限が過ぎてしまったりした場合は、強制的に基金があらかじめ決めている方法がとられてしまいます。また、基金によっては、原則として3ヶ月など、一定の期間が経過すると連合会へ年金資産を移換することにしている基金もあるようです。

      退職後に厚生年金基金から手続き期限や手続きの内容や選択肢などを記載した書類が届きます。

      • 脱退一時金を受け取る

        脱退一時金を受け取る場合は、加入していた厚生年金基金へ脱退一時金の裁定請求書を提出し、一時金を受け取ります。そのほか、厚生年金の代行部分の給付は公的年金の支給開始時期に手続きが必要になります。

        代行部分の手続きは退職時期や基金が退職後に解散した時期により手続き先が異なります。

        2014(平成26)年3月以前に退職 企業年金連合会で手続き
        2014(平成26)年4月以降に退職 加入していた厚生年金基金で手続き
        (参考)退職後に厚生年金基金が解散した場合は代行分も厚生年金と一緒に年金事務所で手続き

        厚生年金の代行部分にあたる給付の手続きは、退職時期が2014(平成26)年3月までの場合は、企業年金連合会で手続きが必要です。

        また、2014(平成26)年4月以降に退職した場合、厚生年金基金が存続していれば、存続する加入していた厚生年金基金で手続きをします。もし、加入していた基金が解散してしまった場合は年金事務所へ厚生年金の手続きと併せて手続きをします。

      • 企業年金連合会へ資産移換

        脱退一時金を受け取らずに企業年金連合会へ資産を移換した場合は、手続きが完了すると企業年金連合会から「年金の引継ぎのお知らせ(年金支給義務承継通知書)」(図表2-3-4)と「年金の請求と各種届出等について」というパンフレットが送られてきます。厚生年金の支給開始年齢になったら企業年金連合会へ裁定請求の手続きをとります。企業年金の受給開始の1ヶ月ぐらい前になると企業年金連合会から登録してある住所へ請求に必要な書類が送られてきます。必要事項を記載して企業年金連合会へ提出し、年金を受け取ります。

        図表2-3-4:年金支給義務承継通知書

        ※画面を横にするか、横にスクロールしてご覧ください。

        年金支給義務承継通知書は、「年金の引き継ぎのお知らせ」と題して、加入していた厚生年金基金の年金の支給義務を企業年金連合会が引き継いだ旨とともに、次の事項が記載されています。氏名、加入していた厚生年金基金の名称、厚生年金基金加入員番号、年金手帳の基礎年金番号、加入していた期間(資格取得年月日から資格喪失年月日まで)、将来支払われる年金額(年金の支払い見込み額)、支給開始年齢。

        資料:企業年金連合会ホームページより

      • 個人型確定拠出年金へ資産移換

        脱退一時金を受け取らず、個人型確定拠出年金へ資産を移換することが可能です。2001年(平成13年)から企業年金間で自分の企業年金の資産を持ち運ぶことができるようになりました。

        個人型確定拠出年金の加入者になれる場合は、厚生年金基金の脱退一時金相当額を個人型確定拠出年金へ移換することができます。ただし、手続きは退職後1年以内に厚生年金基金へ申し出なければなりません。

        手続きとしては「厚生年金基金・確定給付企業年金移換申出書」に必要事項を記載・捺印の上、加入していた厚生年金基金へ提出し、「移換可否決定通知書」を受け取ります。受け取った通知書は確定拠出年金の運営管理機関へ提出します。詳細は加入していた厚生年金基金と個人型確定拠出年金の運営管理機関に確認しましょう。

      • 転職先の企業年金へ資産移換

        脱退一時金を受け取らず、転職先の企業年金へ資産を移換できる場合もあります。移換できるかどうかは転職先の企業年金のルールによります。転職先で企業型確定拠出年金を導入している場合は資産移換ができますが、確定給付企業年金の場合は資産移換ができるルールとなっている場合がほとんどなく、自分の資産を移換するのは現実的には難しい状況です。

        転職先の企業年金へ資産移換を希望する場合は、まず、転職先の企業年金や移換ができるかを確認しましょう。移換できる場合は、退職後1年以内に手続きが必要です。

    3. 中長期勤続後の退職(一般的に10年以上<または15年以上>での退職)

      各厚生年金基金のルールによって多少異なりますが、一般的に勤続年数が10~15年になると、それぞれの基金の独自の給付にあたる加算年金か、加算年金に代わる選択一時金を受け取る権利を得ます。

      手続きは各厚生年金基金になります。ただし、退職後に厚生年金基金が解散した場合は企業年金連合会へ手続きをします。

  • 基金が解散した場合

    厚生年金基金が解散した場合、厚生年金基金が支給するはずの厚生年金の代行部分は、国(年金事務所)または企業年金連合会から給付されます。

    厚生年金基金の解散時点の対応は次の2つがあります。対応の違いにより給付を受け取る時期や手続き先が変わりますので、注意が必要です。

    1. 厚生年金基金が解散し、廃止する場合

      解散する厚生年金基金に代行部分を国へ返上してもなお残余財産があれば、加入員へ分配されます。その分配金を一時金として受け取るか、企業年金連合会や個人型の確定拠出年金などへ移換するかなどは自分で選びます。

      企業年金連合会へ移換した場合は、支給開始年齢に達した月に企業年金連合会から登録してある住所へ請求に必要な書類が送られてきます。必要事項を記載して企業年金連合会へ提出し、年金を受け取ります。

      • 解散時点で一時金を受け取る

        2014(平成26)年3月31日以前に基金が解散した場合
        一時金で受け取った場合は厚生年金基金の独自部分はないので、公的年金の受給開始時期に厚生年金の代行部分を企業年金連合会で手続きをします。
        2014(平成26)年4月1日以降に基金が解散した場合
        一時金で受け取った場合は厚生年金基金の独自部分はないので、公的年金の受給開始時期に厚生年金の代行部分を含め、年金事務所で手続きをします。
      • 解散時点の残余財産を企業年金連合会へ移換

        残余財産を一時金として受け取らず、企業年金連合会に資産を移換した場合は、公的年金の受給開始時期に企業年金連合会で手続きをします。

      • 個人型確定拠出年金へ資産移換

        残余財産を一時金として受け取らず、個人型確定拠出年金へ資産を移換することが可能です。

        すでに個人型確定拠出年金の加入者であれば、解散する厚生年金基金と個人型確定拠出年金の運営管理機関に手続きを確認します。また、新たに個人型確定拠出年金に加入する場合は窓口となる運営管理機関を選び、加入する際に解散する厚生年金基金からの一時金がある旨も伝えて手続きをします。

      • 転職先の企業年金へ資産移換

        残余財産を一時金として受け取らず、転職先の企業年金へ資産を移換できる場合もあります。移換できるかどうかは転職先の企業年金のルールによります。転職先で企業型確定拠出年金を導入している場合は資産移換ができますが、確定給付企業年金の場合は現実的に資産移換ができるルールとなっている場合がほとんどなく、自分の資産を移換するのは難しい状況です。

        転職先の企業年金へ資産移換を希望する場合は、まず、転職先の企業年金や移換ができるかを確認しましょう。

    2. 新制度(確定給付企業年金、確定拠出年金)へ移行した場合(年金資産を新制度に移換)

      2014(平成26)年3月31日以前に基金が解散し移行した場合
      移行した新制度の手続きのほか、公的年金の受給開始時期に企業年金連合会で厚生年金の代行部分の手続きをします。
      2014(平成26)年4月1日以降に基金が解散した場合
      国の厚生年金の代行部分は通常どおり年金事務所から支給されるので、手続きは移行した新制度だけになります。

(3)受け取る時期

厚生年金基金の給付を受け取る時期は定年退職や中途退職ではなく、年齢と加入期間により受け取る時期が異なります。また、給付ごとの受け取る時期は次のようになります。

①定年退職の場合

厚生年金基金の老齢年金の受給時期は、基金のルールによって違いがあります。一般的には60歳、あるいは厚生年金の支給開始年齢になったときです。定年退職をしても厚生年金基金ごとに決められた基金が決めた支給開始年齢にならないと老齢年金は受け取れません。ただし、老齢年金に代わり受け取る選択一時金は、一般的に老齢年金を受給するまでの間であればいつでも請求することができます。また、老齢年金をもらい始めても一定の期間内であれば、本来年金でもらう分を一時金で受け取ることができます。この選択一時金を退職後すぐ請求しない場合は、請求する年齢により受け取る金額が少しずつ増えるしくみにしている厚生年金基金もあります。

②定年退職後も働いている場合

定年退職の場合と同様、厚生年金基金の老齢年金の受け取り時期は厚生年金基金ごとに決めた年齢になった時です。支給開始年齢に達した時に働いている場合は、厚生年金と同様在職老齢年金の対象となる厚生年金基金もあるので注意が必要です。

③中途退職の場合

中途退職した時に老齢年金の受給権がない場合は退職時に脱退一時金が受け取れます。また、選択一時金を受給できる場合も退職時に受け取ることができます。

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