本文へ移動

知るぽると 東京都金融広報委員会

知るぽるとのキャラクター「矢口家」のイラスト

都立荒川工業高等学校「金融教育公開授業」実施報告(2021年11月10日開催)

共催:東京都立荒川工業高等学校
東京都金融広報委員会

都立荒川工業高等学校定時制課程は、都立高校唯一の電気系専門学科を設置する夜間の工業高校です。電気科と電子科が設置され、1・2学年で、ものづくりに従事するための基礎を学習し、3・4学年では、各分野の専門的知識や技能を習得します。国家資格の取得に向けた環境が整備されており、社会で貢献できる人材の育成に力を入れています。

2021年11月10日(水)に金融教育公開授業を開催し、定時制課程第3学年を対象とする公開授業と、定時制課程全学年を対象とする弁護士菊間千乃氏による講演会を行いました。なお、公開授業、講演会の模様は、希望する教育関係者にオンライン配信しました。

▼ 参加者内訳:
生徒38名、開催校教員14名、教育関係者19名、合計71名

1.公開授業

現代社会の授業において、「リスクとリターンを体験してみよう」をテーマに、株式学習ゲームを使って授業を行いました。

これまでの授業では、グループに分かれて株式学習ゲームを使って株式売買を疑似体験し、四季報の読み方や記載事項等についても学習しました。今回の授業では、株式学習ゲームでのチーム毎の取引報告書や売買損益や株価推移等の事例を通して、どのような意図をもって株式売買を行ったかを共有し、リスクとリターンについて考えました。

まず、株式売買を行った各チームの取引内容、売買損益、保有株式の株価推移などを見ながら、売買を行う時に各自が考えた「リスク」と「リターン」について意見を共有しました。その後に「リターン」は資産運用を行うことで得られる成果で、「リスク」は一般的に危険なこと・避けるべきことであることを確認しました。そして、これらは自分のライフプラン形成を考えるうえで重要であることも理解しました。

次に2020-2021年の新型コロナウィルス感染症の影響やアメリカ大統領選挙等の出来事が株価にどのような影響を与えたのかを概観し、株価は景気を映す鏡であること、株価を通して景気には波があることを理解しました。

そして、人生100年時代においては、将来の不安を取り除くためにも正しい知識を身に付けるとともに、自分の家計を把握して、公的年金制度等を理解する必要があること、お金の見える化による資産形成にも取り組むなど、将来を見通した「ライフプランを考える」ことの大切さについて学びました。

(写真1:公開授業「リスクとリターンを体験してみよう」の模様)

2.講演会

公開授業の後、弁護士菊間千乃氏から「自分の人生を描く~ライフプラン実現に向けて行動するためのヒント~」と題する講演を頂きました。

菊間氏は、ご自身の経験を紹介されながら、生き方の選択で迷ったとき、これまで経験したこと、感情が揺り動かされたことなどを振り返り、自分は何がしたいのかを自問自答し、自分で選択することが大切である、と話されました。

また、同調圧力や他人の批判等に負けることなく、やりたいことを自分で選択する。自分で選択するからこそやり甲斐を感じ、楽しくなる。自分が何をしたがっているのか、自分に問いかけ、自分探しをしっかりすることが重要で、人生は自分自身で選択する責任と楽しみをもつことです、と話されました。

最後に、将来を見据えたライフプランニングの大切さについて、ご自身のこれまでの人生の選択を振り返って頂き、ライフプランの作成の参考となるお話を伺いました。

(写真2:講演会「自分の人生を描く~ライフプラン実現に向けて行動するためのヒント~」の模様)

3.プログラム

17:25~18:10
公開授業 「リスクとリターンを体験してみよう」(現代社会)
東京都立荒川工業高等学校主任教諭 米谷友規
18:40~18:45
開会挨拶 東京都立荒川工業高等学校校長 西牧豊実
18:45~20:15
講演「自分の人生を描く~ライフプラン実現に向けて行動するためのヒント~」講師:弁護士 菊間千乃氏
20:15~20:20
閉会挨拶 東京都金融広報委員会事務局長 岡崎竜子

4.荒川工業高等学校 米谷主任教諭による感想

本校は、日々の学習や資格取得だけでなく、地域社会や外部機関と連携した実践的な学びを充実させ、「ものづくり」を通じて自分の持てる力に気付き、産業社会を支えていく「職業人」としての資質・能力の育成に取り組んでいます。

金融教育研究校の取組は、本校生徒にとって、大切な「社会に根付かせるための学び」の一つです。生徒たちは、金融広報アドバイザーとの協働授業や、弁護士菊間千乃氏の講話から、自立した主体として活動するために、社会的な見方・考え方を総合的に働かせ、どのように将来を見通した「ライフプラン」を描くべきか、考察・探究していました。

この取組を通して痛感したのは、私たちが生きる現代社会で「お金」の存在意義や役割は大きいということ。お金との付き合い方について、入学後の早い段階から学習させることは重要であり、お金を手掛かりに授業を進めることによって、生徒たちは、自らの生活や社会に関わる知識や物事を、より具体的に把握し、理解することができます。

金融・金銭教育を推進することは、「生きる力」を育成することにつながると思います。

今後も、本物に触れる学習の場を設定し、本校生徒の「未来を創る力」の育成に向けて、東京都金融広報委員会をはじめとする外部機関との連携を充実させ、本校生徒の活動と成長を支援していきたいと思っています。