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知るぽると 東京都金融広報委員会

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都立豊多摩高等学校「金融教育公開授業」実施報告(2022年11月4日開催)

主催:東京都立豊多摩高等学校
東京都金融広報委員会

都立豊多摩高等学校は、昭和15年に創立されました。同校は杉並区にあり、銀杏並木が美しい緑豊かな敷地を有しています。

2022年11月4日(金)に、同校3年生を対象として対面とオンラインを併用したハイブリッド方式により、金融教育公開授業を行いました。

▼ 参加者内訳:
対面参加者:
生徒35名、外部参加者11名、開催校教員4名、東京都金融広報委員会3名
オンライン参加者:
11名
合計64名

1.公開授業

「暗号資産のしくみから捉える貨幣の性質」をテーマとして、暗号資産の内容や仕組みを理解し、暗号資産の特質や課題を考察し、貨幣の性質を学習しました。

クラス内でグループを作り、Tコインという仮想のコインについてカードゲームを通じて取引しました。ゲーム参加者は、獲得したコインを記録書に記入しました。これによって、貨幣としての実体がなくてもTコイン(暗号資産)を取引することが可能であることに気付きました。また、ゲーム参加者全員が終了後に記録書(取引履歴)を写真撮影することで改ざんを防止することができることに気付きました。

公開授業「暗号資産のしくみから捉える貨幣の性質」の様子

暗号資産は、ハッシュ関数という暗号技術を利用しており、暗号化された通貨取引の履歴をデータとして保存していることを学びました。
更に、このデータを幾つかにまとめたうえでそれぞれを鎖のようにつなげる、ブロックチェーンと呼ばれる技術を用いて通貨取引の履歴を保存していることを学びました。
上記のカードゲームを通じた気付きと関連付けながら、暗号資産は、通貨取引の履歴を改ざんされにくい仕組みを採用していることについて学習しました。

このような仕組みを備えながら、暗号資産の普及が進まない要因について、幾つかの新聞記事をもとにグループで考察しました。富裕層による投機の対象となった暗号資産の価格変動が大きいことが通貨としての普及を妨げている一因ではないか、ということに気付きました。
また、国家による暗号資産取引の禁止措置に関する新聞記事を読み、国家の政策によっては通貨の信用性に悪影響を及ぼす場合があることを理解しました。

最後に、今回の公開授業を通して、社会で使用されるためには、市民が、通貨の利用に対する安心感や通貨への信用を共有していることや、価格が安定していることといった「貨幣の性質」が必要であることを学習しました。

2.プログラム

14:20~15:10
公開授業「暗号資産のしくみから捉える貨幣の性質」(政治経済)
東京都立豊多摩高等学校 教諭 井波祐二