金融教育公開授業
2014年度 金融教育公開授業
東京都金融広報委員会
東京都立蒲田高等学校
金融広報中央委員会
東京/大田区の実施報告
「金融教育公開授業 in 東京(蒲田)(蒲田高等学校)」(1月19日開催)
東京都立蒲田高等学校は、中学校で力を発揮出来ず「高校に入って学び直して学力を確実に身につけたい」「新たな技術や能力を身につけたい」という意欲のある生徒を「勇気づけ、励まし、支援する」ことを目的としたエンカレッジスクールです。
同校は、平成26年度に東京都金融広報委員会から金融教育研究校の委嘱を受けた研究校1年目の学校です。今年度は、3学年の生徒が、1学期はミクロ的な事象から「金融(金銭)」という考え方に馴染み、まずは自らの生活設計において俯瞰的な視点、先を見通す視点を持つ、2学期はマクロ的な事象から「金融」という側面から捉えた経済の動きを理解し、実際に企業や金融機関などの立場に立って、経済や金融の仕組みを理解する、3学期は金融を通じた経済活動が私たちの生活を成り立たせるだけでなく、社会貢献にもつながることを学習する、という目標で取り組んできました。
1月19日(月)に金融教育公開授業を開催し、「自己と金融の関係から社会貢献を考える」と題する授業を公開しました。その後、教育関係者を対象に国立教育政策研究所初等中等教育研究部長の大杉昭英氏による講話と研究協議を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
これまでの授業で、発展途上国の現状や企業の社会貢献活動について、映像やインターネットなどの資料を活用して調べてきました。そのうえで、本授業では、生徒がそれぞれ調査した企業の社会貢献活動について、グループに分かれて討議しました。その後、各グループで一つの企業を選び、その企業の社会貢献活動、その活動による発展途上国の人々の生活の変化、それがどのような社会発展につながるのかについてまとめ、発表しました。生徒は、企業における「金融の仕組み」を利用した社会貢献活動が、発展途上国においてどのように社会発展につながるのかについて学びました。
2.金融教育協議会
まず、同校における金融教育の研究活動および担当教諭による公開授業の補足説明の後、参加者との質疑応答が行われました。参加者の金融教育に対する関心も強く、「授業時間や内容の焦点をどのように決めたのか知りたい」といった質問が寄せられたほか、「金融教育は重要なことと認識しつつ、どのように教えたらよいのかわからなかったが、今日の公開授業は今後金融教育に取り組むうえで大変参考になった」「先生と生徒の信頼関係が伝わるよい授業だった」といった感想が聞かれました。
続いて、「学校における金融教育の進め方」と題して大杉昭英氏による講話が行われました。金融教育の目標が「よりよい生活と社会づくりへの取り組み」であることなどを話されました。「もしも金融教育で教えることが一つだけなら何を教えるか」を参加者に対して問いかけると、「お金との付き合い方」「計画性」「信用」「お金には限りがあること」「人生や生活のビジョン」などの回答が参加者からあり、金融教育の進め方に関する意見交換も行われました。
最後に、自分にとって善いことはみんなにとって善いことか、自分の幸福が世界にどういうプラスになるのかを考えていくことが金融教育の最終命題であるとされ、今回の公開授業の内容も最後は社会貢献につながっていく、みんなにとって善いことにつながることを生徒に考えさせる授業であった、と評されました。
3.プログラム
- 11:40~12:30
- 公開授業「自己と金融の関係から社会貢献を考える」
授業者:東京都立蒲田高等学校教諭 浅川貴広 - 12:40~13:40
- 金融教育協議会
開会挨拶 東京都立蒲田高等学校校長 上村肇
講話「学校における金融教育の進め方」
講師:大杉昭英氏 - 13:40~13:45
- 閉会挨拶
東京都金融広報委員会事務局長 宮阪隆彦