金融教育公開授業
2014年度 金融教育公開授業
山梨県金融広報委員会
北杜市立高根西小学校
金融広報中央委員会
山梨の実施報告
「金融教育公開授業 in 山梨(高根西小学校)」(11月13日開催)
北杜市立高根西小学校は、八ヶ岳の麓の豊かな自然に囲まれ、創立141周年を迎えた伝統ある学校です。「夢を切り拓く 心豊かで たくましい子ども」を学校教育目標として、家庭や地域とのつながりを大切にしながら、知・徳・体のバランスのとれた教育を行っています。
同校は、平成25・26年度の2年間、山梨県金融広報委員会から金銭教育研究校の委嘱を受け、「自ら判断し よりよく行動しようとする子どもの育成~ひと・もの・こととのつながりを大切にした『金銭教育』を通して~」をテーマとして研究活動を進めてきました。
11月13日(木)に金融教育公開授業を開催し、全学年を対象とした公開授業といちのせかつみ氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「ものをたいせつに~けんちゃんのサッカーボール~」
資料「けんちゃんのサッカーボール」を題材に、自分のもの(サッカーボール)を大事に扱うことの大切さを学びました。その後、自分たちの生活を振り返り、まわりで泣いているものや喜んでいるものなどを考えてワークシートに記入し、発表しました。ものを大切に扱ったときのすがすがしい気持ちや、不適切な扱いをしたときの後味の悪さなどに気付き、ものを大切にすることを学びました。
(2)「ものをたいせつに~おもちゃのかいぎ~」
資料「ものをたいせつに~おもちゃのかいぎ~」を題材に、日ごろ自分が大切にしているおもちゃはどんなものか、どうして大切にしているのかを発表しました。そして「おもちゃのかいぎ」で、おもちゃたちはどうして会議を開いたのかを考え、おもちゃの気持ちになることで、ものを大切にすること、ものを大切に扱うことの気持ち良さにも気付くことができました。
(3)「ハートをつなごう」
事前学習で、身近な地域の場所(図書館、郵便局など)を探検し、そこで働いている人々を見たり、話を聞いたりしてきました。それらを踏まえ、気が付いたこと、感じたこと等を発表しました。働いている人々の工夫や努力を知るとともに、「お金を得るためだけに働く」のではなく、「ほかの人に喜んでもらえるように努力して働いている」という心を持っているということに気付くことができました。
(4)「見直そう わたしたちの買い物」
これまでの学習(買い物調べやスーパーマーケットの見学)を通して、店のよさや、上手に買い物をするためにはどうしたらよいのかを考えました。その後、グループに分かれて、販売者の立場になってちらしを作りました。作成したちらしで、どんなことを消費者に訴えたいかを発表しました。発表を聞いた後、自分が買い物をする前にちらしを見るときには、どんなところを見たらよいかを考え、まとめました。販売者と消費者の両方の立場で考えることで、働くことの大切さや上手に買い物をするためにはどうしたらよいかを学びました。
(5)「健康なくらしとまちづくり~ごみはどこへ~」
これまでの学習でごみを減らすために地域の人やごみ処理事業に従事する人々が、どのような工夫や努力をしているのかを調べました。そして、ごみ処理に関わる対策や事業が、地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っていることを学んできました。これらの学習を振り返り、ごみを減らすために自分たちにできることについて考え、発表しました。友達の意見を聞いて感じたことや、自分の意見とくらべて気付いたことなどをワークシートに記入しました。
(6)「田んぼの学校~田んぼのはたらきを知り、米の価格について考えよう~」
米作りが盛んな地域であることから、これまでの学習で米作りを通して収穫の喜びや苦労などを学んできました。その上で、本授業では米の価格が品種や産地により違いがあることを知り、それはなぜかを考えました。まず、個人で理由と答えを予想し、その後、班ごとに話し合いました。自分たちが生産に関わった米の価格を考えることにより、生産される米や金銭を大切にしようとする気持ちを持つことができました。また、米農家の現状や金銭を超えた勤労の意義も学びました。
(7)「What do you want to be ? 」
将来の夢を題材として、自分の将来を真剣に考え、どのようなことがしたいのか、どのような職種につきたいのか、それはなぜなのかを考え、一人ずつ英語で「夢宣言」をしました。また、世界の子どもたちのおかれている環境や生活、将来の夢も知りながら、働くことの大切さや働くことによって得る収入の大切さを考えることにより、生活を支えてくれる様々な対象(人・社会・環境など)に感謝する気持ちを養いました。
(8)「わくわく ルンルン お買い物」
子どもたちの一番身近にあるコンビニエンスストアを再現したセットを設置し、「売り手」と「買い手」両方の立場を経験しました。買い物に関心を持つほか、「ひと」とのコミュニケーションの仕方や、場に応じた言葉づかいなど社会生活に必要なルールを学んだほか、金銭の見分け方や数え方を理解しました。
2.研究発表
金銭教育研究校の委嘱を受けて取り組んできた様々な活動について紹介されました。
教育活動が地域とのつながりを活かしたものがさかんであることを背景に、各教科・領域を通して「人とのつながり」「ものやお金とのつながり」「働くこととのつながり」の大切さを学ばせることによって、子どもたちの感謝と自立の心を育て、自分で判断しよりよく行動しようとする態度を育てるよう活動してきた、との発表がありました。
3.講演会
公開授業の後、いちのせかつみ氏から、「欲しいモノと必要なモノ」と題する講演が行われました。前半は、コンビニエンスストアを題材に、売り手の工夫や、つい買いたくなる買い手の心情について解説されました。後半は、児童にとって身近なお菓子や文房具を例にあげながら、欲しいモノと必要なモノの違いについて話されました。子どもたちは、いちのせ氏からの質問に対して考えながら積極的に参加しました。
講演後、児童からは、「欲しいモノと必要なモノの違いがわかった」「モノを買う時、本当に必要なモノかどうか考えて買うようにしたい」といった声が聞かれたほか、保護者からは、「子どもたちに考えさせる話し方で、とても分かりやすく、これからお金について親子で話し合いたい」との感想が寄せられました。
4.プログラム
- 13:00~13:45
- 公開授業
(1)「ものをたいせつに~けんちゃんのサッカーボール~」(1年1組 道徳)
(2)「ものをたいせつに~おもちゃのかいぎ~」(1年2組 道徳)
(3)「ハートをつなごう」(2年生 生活科)
(4)「見直そう わたしたちの買い物」(3年生 社会科)
(5)「健康なくらしとまちづくり~ごみはどこへ~」(4年生 社会科)
(6)「田んぼの学校~田んぼのはたらきを知り、米の価格について考えよう~」(5年生 総合的な学習の時間)
(7)「What do you want to be ?」(6年生 外国語活動)
(8)「わくわく ルンルン お買い物」(むらやま学級 生活単元学習)
授業者:北杜市立高根西小学校教諭 坂本千津子、八巻京平、伊藤寛、内藤茂樹、小林洋子、渡邊裕子、小林茂晴、小林恵、依田千恵子 - 14:00~14:05
- 開会挨拶
北杜市立高根西小学校校長 田中隆 - 14:05~14:20
- 研究発表
「自ら判断し よりよく行動しようとする子どもの育成 ~ひと・もの・こととのつながりを大切にした『金銭教育』を通して~」 発表者:北杜市立高根西小学校教諭 内藤茂樹 - 14:20~15:20
- 講演「欲しいモノと必要なモノ」
講師:いちのせかつみ氏 - 15:20~15:25
- 閉会挨拶
山梨県金融広報委員会事務局長 石橋由雄