金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
愛知県金融広報委員会
一宮市立奥小学校
金融広報中央委員会
愛知/一宮市の実施報告
「金融教育公開授業 in 一宮(奥小学校)」(10月2日開催)
奥小学校がある一宮市は愛知県の西部に位置し、木曽川を挟んで岐阜県と接しています。古くから繊維産業が盛んでしたが、最近は急速に宅地化が進み、児童数も年々増加しています。
同校は愛知県金融広報委員会より金銭教育研究校(平成20・21年度)の委嘱を受け、「学校・家庭・地域社会が連携し、自立して生きようとする子の育成」を研究テーマに実践を進めてきました。
公開授業・講演会には、全校児童および教職員のほか、民生児童委員をはじめ多数の地域の方、保護者、市内の小中学校の先生方など、多くの方々にご参観いただきました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1) 「どうしてすききらいをしてはいけないの?」(1年4組 学級活動)
1年生では食育を通して金銭教育について学習を進めています。この単元では食べ物を大切にすることや調理する人たちへの感謝の気持ちを高めることをねらいとしました。
今回の公開授業では栄養の偏りがないように食事をとることの大切さを学習した後、ゲストティーチャーとしてお迎えした栄養士の方から調理をするときの思いや苦労などについて話を伺いました。
(2) 「めざせ○○名人」(勤勉・努力)(2年1組 道徳)
自分がやらなければならない勉強や仕事は困難に負けず、最後までしっかりと行おうとする気持ちを育てることをねらいとしました。
資料「がんばれ ポポ」の主人公たんぽぽのポポが、お母さんと離れていろいろな苦労を重ねて、春には美しい花を咲かせた寓話をもとに進められました。
(3) 「人々のしごとと わたしたちのくらし」(3年5組 社会科)
校区内にあるスーパーマーケットを見学したり質問したりして調べたことをもとに、それらの仕事に携わる人々の工夫を考えさせることをねらいとしました。
今回の授業では、流通に携わる人々のおかげで、自分たちが消費するものを手に入れていることに気づかせることができました。
(4) 「仕事っていろいろあるんだね」(4年3組 学級活動)
自分の将来の夢や希望が少しずつ具体化してくる4年生の時期に、将来したい仕事について考えたり、仕事をする理由について考えさせたりすることをねらいとしました。
今回児童は、自分が将来したい仕事を考えることで、父や母が働いて得たお金で生活できていることや、いずれは自分も仕事に就き生活を営んでいかなければならないことを実感していました。
(5) 「将来のぼく、わたし」(5年2組 学級活動)
5年生は、まだ先を見通して計画的に生活をすることができません。そこで、将来の計画をたてさせることで、計画的に生活させることをねらいとしました。
そこで、自分の夢の実現のために自分なりの計画を立てさせる学習に取り組みました。さらに、ゲストティーチャーとしてお迎えした地域の銀行員の方より、児童が気づかなかった新たな視点からアドバイスを受けることができました。
(6) 「税金について調べよう」(6年3組 総合的な学習の時間)
自分たちの身のまわりではたくさんの税金として納めたお金が使われており、自分たちの生活と密接に関係していることに気づかせることをねらいとしました。
今回の授業では、ゲストティーチャーとしてお迎えした税務署員の方より、教育の場面でどれくらいの税金が使われているのか、具体的に話をしていただきました。
(7) 「買い物をして調理してみよう」(特別支援学級 日新 生活単元)
本学級には、お金の種類が理解できない児童から、自分ひとりで買い物ができる児童までいます。
そこで、今回の授業では、調理実習をしようという目標のもと、買い物の疑似体験をさせ、実際に買い物をするとき、うまく買い物ができるようにと練習をさせました。調理実習という目標が明確なため、児童は非常に意欲的に学習を進めることができました。
2.研究発表
金銭教育の委嘱を受けてから、「学校・家庭・地域社会が連携し、自立して生きようとする子の育成」を研究テーマとして実践をすすめてきました。研究では、教育課程を金銭教育という新しい視点で見直し、学校と家庭や地域社会がどのように連携することができるかを探りつつ実践してきました。ゆっくりとした歩みではあったが、児童に自分の生活を見直そうとする心情や態度が育っていることが認められます。また、自分と社会とのつながりを具体的な場面で考えていることが確認できたことなどが報告されました。
3.講演会
公開授業の後、いちのせかつみ氏を講師に、「小学生のお金に関するしつけ」という演題で講演会を行いました。講演では、ご自身の子育ての体験を交えながら話されました。
お小遣いを渡す時期、金額や渡し方などは、周囲の状況に流されるのではなく、一人一人の子どもの性格や日頃の行動から考えて決めればよいこと、携帯電話については、子どもは親以上に情報機器への対応力が高いので、携帯電話を持たせる際の必要性や使い方などを十分に話し合う必要があることなどを話されました。
講演会後のアンケートには、「楽しいお話で聴き入ってしまいました」、「今実際に悩んでいることなので大変参考になりました」など有意義な90分の講演だったことが伺えました。
4.プログラム
- 13:00~13:45
- 公開授業
(1)「どうしてすききらいをしてはいけないの?」(1年4組 学級活動)
(2)「めざせ○○名人」(勤勉・努力)(2年1組 道徳)
(3)「人々のしごとと わたしたちのくらし」(3年5組 社会科)
(4)「仕事っていろいろあるんだね」(4年3組 学級活動)
(5)「将来のぼく、わたし」(5年2組 学級活動)
(6)「税金について調べよう」(6年3組 総合的な学習の時間)
(7)「買い物をして調理してみよう」(特別支援学級 日新 生活単元) - 14:00~14:10
- 開会挨拶
愛知県金融広報委員会 常任委員 竹内龍司
一宮市教育委員会 教育長 馬場康雄 - 14:15~14:45
- 研究発表 「『学校・家庭・地域社会が連携し、自立して生きようとする子の育成』~地域学習や体験的な学習を通して~」
発表者:一宮市立奥小学校教務主任 児島裕久
指導講評 愛知県教育委員会義務教育課指導主事 二ノ宮正治 - 14:50~16:25
- 講演 「小学生のお金に関するしつけ」
講師:いちのせかつみ氏 - 16:25~16:30
- 閉会挨拶 一宮市立奥小学校 校長 松本良祐