金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
山形県金融広報委員会
山形県立小国高等学校
金融広報中央委員会
山形/西置賜郡の実施報告
「金融教育公開授業 in 小国(小国高等学校)」(9月8日開催)
山形県立小国高等学校は小国町で唯一の公立高校です。町は、新潟県との県境に位置しており、飯豊や朝日連峰などを望める自然豊かな環境にあります。最近では森林セラピーの取り組みでも注目されています。また、マタギの里としても有名で、小国駅では、熊の剥製が出迎えてくれます。小国高校は、平成20年7月から金融教育研究校となり、昨年度は、日常生活と金融との関わりを、2年目の今年度は、企業と金融との関わりなどについて学習してきました。
9月8日(火)の金融教育公開授業では、3年1組15名の生徒を対象に「小切手について」と題して経済活動と法の授業が行われました。その後、2・3年生を対象に、加賀屋克美氏による「日米のディズニーランドで学んだ感動のサービス」とのテーマで講演がありました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「小切手について」の授業では、代金決済の方法として現金のほかに小切手があること、現金および小切手の長所・短所の比較、実際の小切手用紙を用いた小切手作成、またこれを通じた小切手の仕組み、小切手の法的裏付けについて学習しました。
まず導入部で、現金以外の支払手段にどういうものがあるかを生徒に考えさせ、例題を挙げさせて、カードや口座振替、小切手など、現金以外の支払方法があるということを確認しました。
次に、現金(硬貨・紙幣)については法的な強制通用力があるものの、20枚を超える硬貨については、受け取っては貰えないことがあり得ることを教えました。さらに、硬貨と比較すると紙幣が便利である点を理解させたあと、実際に1千万円、1億円の模擬紙幣を持たせてみると、紙幣もかなりかさばり、また搬送のリスクが伴うという短所があることを生徒に認識させました。
授業の後半は、小切手の要件を中心に進められ、上記のような硬貨、紙幣の短所を小切手が補っていることをまず生徒に理解させました。その後、実際の小切手用紙を生徒に配り、小切手を振り出すために必要な要件を小切手に記入しながら確認しました。また、商業六法の小切手法の条文に目をとおし、小切手が有効に通用するための要件を学びました。
参加者からは「一億円の束や、小切手作成などを通して生徒の興味・感心を引き出す工夫がされており、とても良かった」といった感想が聞かれました。
2.講演会
公開授業終了後、加賀屋克美氏から「日米のディズニーランドで学んだ感動のサービス」と題する講演が行われました。
加賀屋氏は、小学6年生の12歳の時にディズニーランドを初めて訪れ、「明るく、元気に楽しく働いている大人の姿」を眼にし、その後6年間「ディズニーランドで働きたい」との思いを持ち続け、18歳でその夢を叶えました。そして、「あきらめずに思い続ければ夢は実現する」、「目標を持ち、今できることに一生懸命になることが大切」との思いをエネルギッシュに話されました。
「あきらめずに思い続ければ夢は実現する」実例として、同氏がスプラッシュマウンテンにかけた想いと行動を紹介されました。東京ディズニーランドに新しくスプラッシュマウンテンが出来ることになり、加賀屋氏はスプラッシュマウンテンの搭乗員になりたくて、毎日スプラッシュマウンテンの建設現場へ足を運び、その様子を撮影し、運転試験会場までも出かけて行きました。こうしたスプラッシュマウンテンへの強い思いを周囲も認め、晴れてスプラッシュマウンテンの搭乗員になれたと話されました。
また、「生のジャガイモにストローを突き刺すことができるかどうか」というワークショップでは、代表の生徒4人とともに「夢を実現したい」と強く念じて生のジャガイモに向けてストローを振り下ろすと・・・、何とストローが生のジャガイモを突き抜けてしまいました。「出来ないと思ったこともやってみることが大切」ということを、眼に見える形で生徒達に伝えました。
普段は学校の様子などをあまり家庭で話さない生徒が、親に講演会の模様を語り、ジャガイモの実験を自宅で試してみたとの後日談が伝えられるほど、生徒にとって印象深く感動的な講演会となったようです。
3.プログラム
- 13:20~14:10
- 公開授業「小切手について」
講師:小国高等学校教諭 井上和広 - 14:20~14:25
- 開会挨拶 小国高等学校校長 齋藤裕司
- 14:25~15:25
- 講演「日米のディズニーランドで学んだ感動のサービス」
講師:加賀谷克美氏 - 15:25~15:30
- 閉会挨拶 山形県金融広報委員会副会長 藤江泰郎