金融教育公開授業
2012年度 金融教育公開授業
群馬県金融広報委員会
高崎市立南小学校
金融広報中央委員会
群馬の実施報告
「金融教育公開授業 in 群馬(南小学校)」(11月21日開催)
高崎市立南小学校は、明治33年に高崎尋常小学校南分校として開校し、111年目を迎えた伝統校で、商業都市高崎の玄関口である高崎駅西口前にあります。
当校は、平成13年度から高崎市教育委員会の小規模校の解消と特色ある学校づくりを目指す「特認校」に指定されて、情報教育(パソコンに慣れ親しむ)に取り組み、平成23年度に「特認校」制度が廃止されるまで、市内全域から通う児童に対し、人とかかわる力の育成や情報モラルの育成に特に力を注いできました。また、平成23年度より金銭教育研究校の委嘱を受け、金融教育にも取り組んでいます。
11月21日(水)に、5年2組のクラスで金融教育の公開授業が行われました。午後には、会場を体育館に移し、ファイナンシャルプランナーのいちのせかつみ氏による講演会を行い、5・6年の児童、教員、学校評議員、保護者及び教育関係者などが参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
金銭教育の公開授業は、小学5年生の家庭科授業の一コマとして、教科書「わたしたちの家庭科」(小学校5・6年)の「じょうずに使おう 物とお金」を題材に行われました。
児童には、事前授業において、お金についてのアンケートやイメージをワークシートに書かせ、金銭に関心を持たせることから学習を開始していました。
当日の授業では、まず最初に実物の落とし物を見せて、落とし物があっても取りに来ない実情を示し、ものを大切にできていない、お金が大切に使われていない、との問題を提起しました。
次に、単価の違う4種類の実物ノート(5冊パックのノートや人気キャラクタの入ったノート、エコマークの入ったノートなど)を児童に示し、自分ならどれを買うか、目的と理由を考えて発表させました。児童からは、価格の違いや自然環境への配慮などの視点を踏まえ、様々な意見が出ました。自ら考えたり、友達の発表を聞いたりすることによって、何を買ったらじょうずなお金の使い方になるのか、気づかせる授業となりました。
さらに、学習を深めるために、「無駄のないじょうずなお金の使い方」について、班で話し合いを行わせました。グループワークでは、児童各自に付箋紙に意見を書かせ、画用紙にその付箋紙を貼り付けさせ、意見を分類させたり、班としての意見をまとめたりさせました。その後、いくつかの班に発表させました。買い物をする時は、本当に必要かよく考えて品質や品物表示などを確かめて買うことが大切であることについて、理解を深めました。
授業の最後に、お金へのイメージの変化を赤鉛筆でワークシートに書き足させ、お金の大切さやじょうずな買い物について今回の学習によって気づいたことなどを確認させました。
2.講演会
いちのせかつみ氏は、大阪の出身で、親しみやすいテンポのいい大阪弁を使い、児童にクイズや質問に答えさせたり、手を挙げさせてアンケートをとったりして話されました。
まず、冒頭、携帯電話の着メロを使ったイントロクイズを行い、小学生でも関心の高い携帯電話を取り上げました。小学校から大学まで所持した場合にはどれだけ費用がかかるか数字を示して驚きを与え、購入する際には慎重にその必要性を考えて買うことの大切さを説明しました。また、携帯ゲームで夢中になると高額な費用がかさむ仕組みもわかりやすく説明されました。
次に、児童にとって一番身近なコンビニでの買い物を例にあげ、児童の好む定価60円のお菓子類をいくつか並べ、「どれがほしいか」と児童に手を挙げさせました。その後、これに鉛筆を加え、「必要なものはどれか」と同様に手を挙げさせ、欲しいものと必要なものとの違いを実感させました。
最後に、クリスマスを題材として「昨年買ってもらった物は、今どうなっているか」と思い起こさせ、買ってもらった物が果たして必要な物だったのかと改めて考える機会としました。
児童達のアンケートでは、9割が「よくわかった」と答えました。「すごく難しいお話かと思っていましたが、とてもおもしろく、これからは、お金を必要なものに使うようにしたいと思いました」とか、「自分のほしい物と本当に必要な物が違っていてびっくりしました」といった感想が多数寄せられました。
3.プログラム
- 13:35~14:20
- 公開授業
「じょうずに使おう 物とお金」(5年2組)
授業者:高崎市立南小学校教諭 福島貴代子 - 14:35~14:40
- 開会挨拶
群馬県金融広報委員会事務局長 貝原日出夫 - 14:40~15:40
- 講演「かしこい お金のつかい方」
講師:いちのせかつみ氏 - 15:40~15:50
- 閉会挨拶
高崎市立南小学校校長 中島千惠美