金融教育公開授業
2012年度 金融教育公開授業
岡山県金融広報委員会
岡山県立笠岡商業高等学校
金融広報中央委員会
岡山/笠岡市の実施報告
「金融教育公開授業 in 岡山(笠岡)(笠岡商業高等学校)」(10月25日開催)
岡山県立笠岡商業高等学校は明治35年に岡山県下で2校目の商業高校として創立され、今年で111年の歴史を持つ伝統校です。
商業科・情報処理科の2つの学科があり、「誠実・健康・努力」の校訓のもと、時代の要請に応える優れた産業人の育成を教育方針の中心にして日々の教育活動を行っています。
10月25日(木)に金融教育公開授業を実施しました。1年生2クラス、2・3年生各1クラスの授業を公開し、その後、生活経済ジャーナリストのあんびるえつこ氏による講演会を開催し、全校生徒が参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「簿記」(1年生)
「簿記」は、企業における日常発生する取引について適正な会計処理を行う能力と態度を育てることを主眼とした科目です。公開授業では、5伝票制の仕組みを理解し、伝票による会計処理について学習しました。その後、仕訳集計表の作成や総勘定元帳への転記を演習問題で行いました。
(2)「ビジネス基礎」(1年生)
「ビジネス基礎」は、ビジネスに関する基礎的な知識と技術を習得し、ビジネスの諸活動に適切に対応する能力と態度を育てることを主眼とした科目です。公開授業では、まず、金融の意味について理解し金融の役割や取引相手について学習し、次に各自が調査した民間金融機関の会社名と取引相手を発表しました。その後、政府系金融機関等について学習し、日本銀行の目的や役割、業務内容についても学習しました。最後に、「金融クイズ」のプリントを利用し授業の内容確認を行いました。
(3)「家庭総合」(2年生)
1)「わたしが誕生するまでの費用」、2)「わたしの生活費」として、現在までの生活費、3)「わたしの教育費」をそれぞれ計算することにより、自分を育んだ費用がどのくらいになるのかを把握し、生活の営みに必要な金銭について学習しました。その後、グループに分かれ、今後必要となってくるライフイベント(進学・一人暮らしなど)にかかる費用について話し合い、発表しました。自分にかかった金額の大きさに驚きを持つとともに、生活の営みに必要な金銭の大切さに気づく授業になりました。
(4)「課題研究(FP講座)」(3年生)
テレビ番組の「サザエさん一家」を題材に、自分の生活に置き換えて、特に社会保険料について考えました。実際の求人票や標準報酬月額等級表を活用し、保険料の算出をしました。その後、労災保険の通勤災害についても、事例を通して学習しました。
2.講演会
公開授業の後、あんびるえつこ氏から「生きていくためのお金の話」と題する講演が行われました。
まず、お金の管理力・選択力・消費者力といった「お金力」があるかどうかについて、生徒たちに身近な話題を取り上げて問いかけました。
そして、「一人暮らしを始めよう!ゲーム」を通し、お金には限りがあるという「希少性」、何を選び、何をあきらめるかという「トレード・オフ」について説明されました。
また、保険や複利計算に関するクイズでは、数人の生徒がパネラーとして参加し、会場では一人ひとりの答えに全員が注目していました。
最後に、お金と同じように時間にも限りがあるため、「自分の幸せ」や「社会の幸せ」について「考える力」を養うこと、「知識」を身につけることが重要であり、そうすることで、「生かす力」更には「生きる力」に繋がっていくと生徒たちに伝えました。
講演を通して、生徒たちは「お金力」を身につけることの重要性や自己責任について理解した様子でした。
3.プログラム
- 11:50~12:40
- 公開授業
(1)「簿記」(1年生)
(2)「ビジネス基礎」(1年生)
(3)「家庭総合」(2年生)
(4)「課題研究(FP講座)」(3年生) - 13:30~13:40
- 開会挨拶
岡山県立笠岡商業高等学校校長 伊東伸介 - 13:40~15:00
- 講演「生きていくためのお金の話」
講師:あんびるえつこ氏 - 15:00~15:10
- 閉会挨拶
岡山県金融広報委員会事務局長 田中敏弘