金融教育公開授業
2012年度 金融教育公開授業
静岡県金融広報委員会
静岡市立蒲原中学校
金融広報中央委員会
静岡の実施報告
「金融教育公開授業 in 静岡(蒲原中学校)」(1月25日開催)
静岡市立蒲原中学校は、古くから東西交通の要衝であり宿場町としても栄えた蒲原地区に、昭和22年に開校しました。
「自発・責任・友愛」の校訓のもと、本年度は「ことばを育て、子どもを育てる」を学校教育目標、「よい聴き手になろう」を重点目標とし、生徒も職員も諸活動に取組んでいます。
1月25日(金)に開催された金融教育公開授業では、公開授業と、教員による研究発表、阿部信太郎氏による講演会が開催されました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
当日の授業の一部を紹介します。
(1)「お店をつくってお金のやりとりをしよう」(1年生・特別支援)
お金の種類や両替について学習した後、教室に「スーパーSEIYA」を開店、生徒が店長となり、買物客(公開授業参加者)とやり取りをすることにより、代金やお釣りなどのお金のやり取りが正確にできるように学習しました。
(2)「Let's go shopping.」(2年生・英語)
買い物で使う表現を学習したあと、班対抗買い物ゲームをしました。予算内で収まるよう、英語を使って買い物や値引き交渉などを体験しました。
(3)「賢い消費者になろう」(3年生・家庭)
給食の献立に使う食材と給食費の内訳から、献立にあったデザートを選ぶことにより、食の安全や環境等に配慮してデザートが作られていることを理解し、その特徴を考えて選択することを学習しました。
2.研究発表
同校では、数年前より総合的な学習の時間を使って、地元商工会議所主催の「蒲原宿場まつり」に出店するという起業家体験をしてきました。
学習指導要領の改訂により、総合的な学習の時間が削減される中、質を落とさずに学習するにはどうしたらよいかが大きな研究テーマでした。
授業時数の減少に対応して、(1)授業内容の変更、(2)地域とのコラボレーション、(3)時間内でできるものに変更するといった工夫をしました。具体的には、(1)これまで専門家を数名招いて行っていた部門ごとの講話(2時間)から公認会計士1名を招聘する全体講話(1時間)のみに変更し、(2)授業で行っていた商品開発を、地域の事業所や店舗と協力して実施する、(3)これまでは店舗を目立たせるために大きな木製の看板を手作りしていたが、これを時間内でできる簡素なものに変更するといったことに取組みました。
このように授業内容を見直すことにより、授業時数が半減しても、引続き生徒が自分の思いを持って追究するように焦点を絞った学習を行うことができ、お金の使い方によって利益が増減することや、お金を介して事業所や地域の方々、客との信頼関係を築くことの大切さを生徒たちが学ぶことができたとの報告がありました。
3.講演会
研究発表に引続き、阿部信太郎氏による「学校における金融教育の進め方―消費者・経済教育の視点から―」と題する講演が行われました。
お金に関するクイズやことわざ等の具体的な教材や学習方法を紹介され、金融教育の入口は身近な所に揃っていると話されました。また、その場で参加者が実際に挑戦してみることにより、身近なことながらも案外知らないことが多いと気づかされました。
意思決定を惑わせる言葉や映像の特徴なども説明され、お金の知識は自然に身につくものではなく、学校教育で体系的に学習する必要があると強調されました。
参加者から、「さまざまな視点から授業で実践していくヒントをもらうことができた」、「授業で取り入れたい」、などの感想が聞かれました。
4.プログラム
- 13:30~14:20
- 公開授業
(1)「マネー討論会」(1年生・国語)
(2)「発明への道(真理愛・理想の実現)」(1年生・道徳)
(3)「蒲中生のお年玉はいくら?」(1年生・数学)
(4)「お店をつくってお金のやりとりをしよう」(1年生・特別支援)
(5)「公共物を大切に」(2年生・道徳)
(6)「地券を読んでみよう」(2年生・社会)
(7)「Let’s go shopping.」(2年生・英語)
(8)「投資家になって考えよう」(3年生・社会)
(9)「賢い消費者になろう」(3年生・家庭) - 14:35~14:40
- 開会挨拶
静岡県金融広報委員会会長 秋山修 - 14:40~15:00
- 研究発表
「宿場まつりで起業家体験」
発表者:静岡市立蒲原中学校教諭 望月亮 - 15:00~16:00
- 講演「学校における金融教育の進め方―消費者・経済教育の視点から―」
講師:阿部信太郎氏 - 16:00~16:10
- 指導講評
静岡市教育委員会学校教育課 指導・企画管理担当指導主事 小泉憲明 - 16:10~16:20
- 閉会挨拶
静岡市立蒲原中学校校長 石田弘幸