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第1部 所得税アラカルト

7. 退職金や年金にかかる税金

勤続30年の人の退職金については1,500万円までは所得税も住民税もかかりません。

退職金と年金は老後の生活設計に欠かせない大切な柱ですが、高齢社会を支えるためにシルバー世代にも応分の負担が求められようとしています。

退職金と税金

退職金にかかる税金は長年の功労に報いるために、他の所得より優遇されており、分離課税となっています。

その計算は、収入金額から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引き、残りの金額の2分の1に対して税率を掛けて計算します。退職所得控除額の計算に当たっては勤続年数に1年未満の端数があるときは1年に切り上げます。また、退職所得控除額の最低額は80万円です。

例えば、勤続30年で2,000万円の退職金を受け取った場合には、2,000万円から退職所得控除額の1,500万円を差し引き、残りの500万円を2分の1にした250万円に対して税率を掛けます。

退職所得にかかる所得税は分離課税といって、他の所得とは切り離して計算します。また住民税は通常の場合、その年の所得に対して翌年納めますが、退職金の住民税は現年課税といって、退職金を受け取ったとき、退職金から差し引いて、その年に納める仕組みになっています。

障害者になったことを直接の原因として退職した場合には、通常の退職所得控除額にさらに100万円が上積みされます。

万一、死亡によって退職した場合の課税関係は、死亡退職金には所得税も住民税も課税されず、相続税の対象となり、法定相続人一人につき、500万円が非課税となります。

退職所得にかかる所得税と住民税は、退職のとき「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出すれば、支給額から税金を差し引いて支給されます。申告書の提出がないと、20%の税率で所得税がかかり、過不足は確定申告によって精算しなければなりません。

退職所得の源泉徴収では定率減税分は考慮されません。確定申告によって減税額の還付を受けることになります。

退職所得の計算

退職所得金額=(退職金の収入金額−退職所得控除額)×1/2

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(最低80万円)
20年超 70万円×(勤続年数−20年)+800万円

年金と税金

国民年金、厚生年金、共済年金等の社会保険制度に基づく公的年金を受け取る場合には、収入金額から下記のように受給者の年齢と年金の収入金額とに応じた公的年金等控除額を差し引いて計算します。

生命保険会社等の任意加入の個人年金の場合には、収入金額から既に支払った掛金や保険料の総額を必要経費として差し引き、残りの金額に税金がかかります。

公的年金等控除額

年齢65歳以上の人
年金収入区分 公的年金等控除額
330万円以下 120万円
330万円超410万円以下 年金収入×25% + 37.5万円
410万円超770万円以下 年金収入×15% + 78.5万円
770万円超 年金収入× 5% + 155.5万円
年齢65歳未満の人
年金収入区分 公的年金等控除額
130万円以下 70万円
130万円超410万円以下 年金収入×25% + 37.5万円
410万円超770万円以下 年金収入×15% + 78.5万円
770万円超 年金収入× 5% + 155.5万円