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おかねのシンポジウム2004

『地元発信。元気な未来はみんなでつくる』

パネルディスカッション

助け合いの精神を学ぶ農業体験の試み

藤田 少し話を前に進めたいと思います。長野県の四賀(しが)村の取り組みをVTRでご紹介しますので、ご覧下さい。

資料VTR(3)

長野県四賀村に集まる都会の住民
・四賀村では平成5年から滞在型の市民農園「クラインガルテン」を日本で初めて創設。
・市民農園利用者と地元の高齢者との間に「田舎の親戚」という関係を築いている。
・村民が都市住民に農作業や田舎暮らしのノウハウ等を伝授することにより交流を深めている。

藤田 福井さん、今の映像をご覧になっていかがですか。

福井 仲間がいるところには共同作業というものがあり、自分の力以上のことができる場がある。そこに、ちょっぴり自分の夢というのを確認して投入すると、自己実現の場が広がる。

高度成長時代、大量生産・大量消費では、コースが一本に決まっていて、それが実現しやすい場所は非常に限られてくるから、自己実現の場を必要以上に狭く見ていた時代が4~50年あったということではないでしょうか。それが急速に広がってきているということではないかと思っています。

福井俊彦


藤田 農業というと衰退産業と決めがちですが、新しい展開で広がっているようです。

福井 私はアメリカやヨーロッパばかりでなく、アジアにも参ります。最近仕事で参りましたら、日本の果物は値段が高いけれども非常に美味しいといっています。それから、キーウィ、これはニュージーランドとか南半球で作られていた。だから、一年のうち半分は食べられないものだと思っていたら、日本が素晴らしいキーウィを作ってくれて、一年中食べられるなんて喜んでいます。

日本のわれわれが農業は衰退産業だなんて、一方的に決め付けていますけれども、その農産物にわれわれの夢の実現という要素が入っていれば、世界の人たちの感覚が変わって評価されている面もあると思います。

藤田 堀田さん、今の四賀村では、都会から行った滞在者と地元の人が、田舎の親戚という間柄を結んでいます。この関係がちょっと注目されると思うんですが。

堀田 いいですね。私の生みの親の里が島根県の山奥の農家なんですけれど、手作りの農業というのはまさに助け合いの世界なんですね。田植えのとき、稲刈りのとき、これはもう、みんなが助け合わなきゃ自分もやっていけない。助けてもらう、そして、自分も助けるという関係です。

今、都市部にいると、にらみ合いの世界、すれ違って知らん顔する世界。挨拶すらしない。そういう社会になってきているんで、都市部の人にとってはそういう場所に行って、まず自分で作るということ自体が嬉しいですよね。子どもにとっても大きな喜び、辛抱もしなくちゃいけないけれども、その代わり出来上がる喜びがある。

その過程でいろんな人が助け合っている。人間っていうのは非常に厳しい自然の中で助け合って頑張って食べ物を作っているんだっていうことを実感できる。都市部にいたらそんなことは絶対に実感できませんから、どんなに親が働いていても、子どもは知らん顔で「すねをかじって遊んでやろう」ということしか考えられない。

だけど、みんなでこうして四賀村に出かけて行ったら助け合うことを学べる。だから、助け合って自分のやれる範囲が広がって、そこに喜びが生まれるということを学習する。手作りの農業ってそういうことを学ぶための最高の手段なんですよね。

農協さんも子どもたちに体験させる事業を色々と始めているようです。地方では空き家がたくさんあります。もう捨てられた家ですから、住居侵入にならないんですよ。だから、都市部から来てもらっている農村もありますね。都市に住んでいる人が、できるだけ子どもの頃から、自分で生み出す喜び、助け合う喜び、そしてもう一つ自然のおそろしさを学ぶといいですね。

藤田 河合さん、考えてみれば、農村には、堀田さんがおっしゃる助け合いの作業とか、一年中が助け合いだったという伝統があったはずですね。

河合 助け合いでやってきたのが、悪い方へ行くと、がんじがらめになって自分の好きなことが出来ない。そこから飛び出て、何か自分の好きなことが出来るといって、そこから飛び出て都会に出てくるのだけれども、今度はポツンと孤立してしまうという極端なことになるんですね。だから、両方の良さを生かしてやっていかなければならんと思いますね。

私はVTRを見ていて、都会の人は田舎の親戚の人を自分の家へ呼んでるんかなと思ってるんですけれども。そうすると面白いと思うんですね。農業教えてもらうけど、一遍、東京へ来て下さい。そして、歌舞伎見に行きましょうとかね。

都会は都会の良さがあるでしょう。にらみ合いだけじゃないんですよ。こっちの良さも見てもらうから、そっちの良さもという風にして頂いたらいいなと思いました。

それをもっと、何か、拡大できないかな。たとえば子どもたちを夏休みの間、預かってもらうとか。その代わり、そこの子どもさんも東京へ来て頂いて一緒に何か見に行きましょうとか。そういうことを、もっと組織的にやったらいいんじゃないかと思うぐらいですね。

著名人・有識者が語る

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