金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 東京会場
(社)金融財政事情研究会
ファイナンシャルプランナー
新倉 由紀 氏
「ライフプランニングとファイナンシャルプランニング」
家計管理をしっかりして、将来の確かな生活設計を
あなたの夢は何ですか? それを実現するために、どんなことをしようとしていますか? 夢を実現するためには、お金が必要です。そのお金を貯めるには、何のために、どのくらい必要かを明確にすることが大切です。留学したい、独立開業したいとか、結婚やマイホーム取得などの目標や希望を、まずは具体的に書いてみることから始めましょう。ライフプランを立てることは、とても大切なことです。ライフプランによってお金にも働いてもらえる人と、そうでない人では将来、大きな差が出てきます。知らないで損をしないために、今日は、家計管理の方法と投資に関してお話しします。
家族のライフイベント表を、ご夫婦でよく話し合って作ってみてください。イベント表には、何年に子どもが小学校に入るとか、お嬢さんを私立中学校に行かせたいといった計画とともに、教育費はいくらで、それには何年間でこれだけ貯める必要があるといった金額も記入すると、より具体的になります。
目標金額を貯めるには、まず家計の現状を把握することが必要です。よく「昨年の収入はいくらでしたか」と聞くのですが、それにはすぐ答えられるものの、続けて「では、いくら使いましたか」と聞くと、多くの方が答えられません。家計簿をつけていれば答えられることですが、忙しくてつけておられない方も多いでしょう。そのような方は、次のような方法で計算するとよいでしょう。
給与から所得税、住民税、社会保険料を差し引いた可処分所得から、主な支出項目である基本生活費、住居費、教育費などと一時的な支出を引きます。そうすると、何に使ったのかわからない家計における“使途不明金”が出てきます。この使途不明金は、レシートを1週間とか1カ月取っておいて、そこから不要なものをチェックすれば削減することができます。
お金を増やすためには、安全性、流動性、収益性の3つの観点から金融商品を選びます。金利の変動に対しては、一般的に、高金利の時には長期固定金利商品を、低金利の時には変動金利商品、金利の上昇局面では短期か変動金利型の商品、下降局面では中期の固定金利商品が好ましいと考えられます。
株式、投資信託、外貨建て商品などの金融商品には、高い収益性が期待できる半面、元本割れのリスクが伴うことを理解したうえで購入しなければなりません。リスクを軽減する方法として、若い方は時間を味方につけた長期の積み立てで資産を作ることができます。1万円くらいから積み立てができる商品もあり、ある特定の株を月々同じ株数買う「定量購入」や、月々1万円ずつ買うといった「定額購入」の方法があります。
一般的に長期分散型の投資が推奨されていますが、「長期投資」と「長期保有」では意味するところが違います。成長しない資産や成長が期待できない金融商品の長期保有は避けなければなりません。売却したり持ち分の比重を落とすなど、半年か1年に1回はチェックし、メンテナンスをしましょう。
(社)金融財政事情研究会とは
金融庁、財務省、文部科学省共管の公益法人で、1950年に設立されました。ファイナンシャル・プランニング技能検定を実施する厚生労働省指定試験機関です。金融、財政、法務に関する研究会、検定試験、雑誌、書籍、セミナー等を企画、制作、実施しています。