金融教育公開授業
平成20年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
大分県金融広報委員会
大分県立大分商業高等学校
金融広報中央委員会
大分の実施報告
「金融教育公開授業 in 大分(大分商業高等学校)」(11月19日開催)
大分県立大分商業高等学校は、大正6年に開校した歴史と伝統ある商業専門高校で、平成18年には創立90周年を迎えました。「士魂商才 質実剛健」の校訓のもと、多くの卒業生が産業人として県内外で活躍しています。
同校は、商業科、国際経済科、情報処理科に合わせて830名の生徒が学んでおり、学問はもとより、部活動でも県内上位入賞や全国大会出場などの成果を挙げています。
11月19日(水)に開催した金融教育公開授業では、1年生のクラスで公開授業が行われました。これに引き続きキャスターの生島ヒロシ氏による講演があり、生徒、保護者および地域住民など合計約1,000名の方々が参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1) 1年生「金融業者のビジネスを知ろう」
「金融業者のビジネスを知ろう」では、私達の周辺には多くの金融機関が存在し、それぞれ異なる役割を果たしていることが説明されました。中でも特に日本銀行の役割について学習しました。
日本銀行は、「銀行の銀行」、「政府の銀行」、「発券銀行」の3つの役割がありますが、その中のひとつである「発券銀行」に注目し、私達にとって日頃から身近な存在である紙幣(日本銀行券)について、「どのような偽造対策がなされているか」をグループで討議しました。
準備された本物の千円札を手にした生徒は、触ったり透かしたりしながら、日本経済にとって血液の役割を担っている紙幣への認識を新たにしました。
(2) 1年生「手形の会計処理について」
「手形の会計処理」では、これまでの「自己受け為替手形」、「貨物代表証券」についての学習を受け、売り主が代金を早く回収するために振り出す、「荷為替手形」について授業を行いました。
「荷為替手形」を振り出す際の担保となる「貨物代表証券」の役割を再認識したうえで、なぜこのような手形があるのかを図を使って確認しました。
これまでの学習の総決算といった内容であり、生徒は売り手・買い手それぞれの立場からの会計処理について理解を深めました。
2.講演会
公開授業の後、生島ヒロシ氏による「チャレンジから未来が見える」と題する講演が行われました。
生島キャスターは、自動車やコーヒー、お茶のペットボトルの原価を生徒に質問し、会場内の雰囲気を盛り上げた後、「サブプライムローン問題などにより、来年度はもっと景気が悪くなると言われています。このような時代には、心が強くならないと生きてゆけないが、そのためにはまず自分自身が健康であることが大切です。そのうえで、“まねる力”、“段取り力”、“コミュニケーション能力”を身に付けることが重要です」と述べました。
また、「今の世の中は、肩書だけで渡れるほど甘くはなく、常に当事者意識をもってものを考える、小さな変化を起し続ける、小さなアンテナ・大きなアンテナを持ち続ける、常にグローバルな感覚を持ち続ける、などが大事。校長室に“作るは一生、壊すは一瞬”と書かれた額が掛かっていましたが、まさしくそのとおりだと思います」と力説しました。
最後に、「若い皆さんは絶えず夢を追いかけ、挫折しても決して諦めないで下さい。幸せになる“かきくけこ(注1)”を実践し、“1秒の言葉(注2)”をきちんと言える人は豊かな人生を送ることができると思います」と結びました。
(注1)か‥感謝・感激・感動、き‥希望をもつ、く‥くよくよしない、け‥健康である、こ‥行動する
(注2)はじめまして、ありがとう、頑張って、おめでとう、ごめんなさい、さようなら
これに対し参加者からは、「身近な話題から入っていたので分かりやすかった」とか、「子ども達がどのような目標を持てばいいか分かりやすく教えてくれた」といった声が聞かれました。
3.プログラム
- 13:00~13:50
- 公開授業(各教室)
(1) 「金融業者のビジネスを知ろう」
(2) 「手形の会計処理について」
授業者:大分県立大分商業高等学校教諭 白井敏行、齋藤治子 - 14:20~14:25
- 開会挨拶 大分県立大分商業高等学校 校長
- 14:25~14:30
- 主催者挨拶 大分県金融広報委員会 副会長
- 14:30~15:40
- 講演「チャレンジから未来が見える」
講師:生島 ヒロシ 氏 - 15:40~15:45
- 閉会挨拶 大分県立大分商業高等学校 保護者代表