金融教育公開授業
2018年度 金融教育公開授業
福岡県金融広報委員会
朝倉市立秋月中学校
金融広報中央委員会
福岡/朝倉市の実施報告
「金融教育公開授業 in 福岡(朝倉市)(秋月中学校)」(11月8日開催)
朝倉市立秋月中学校は、中世の秋月氏から近世の秋月黒田氏が居城を構えた秋月城址に建つ、豊かな歴史と文化、自然に恵まれた環境にある学校です。
11月8日(木)に金融教育公開授業を開催し、本校が目指す「確かな金銭感覚を身につけ、主体的に行動する生徒の育成」をどう図っていくのか、1年生の道徳、2年生の社会科、3年生の特別活動において具体的な授業づくりの提案を行いました。また、弁護士の菊地幸夫氏による講演も行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「よりよく生きる喜び」
人々が持つ様々な価値観の理解をとおして、責任あるお金の使い方について考えさせる道徳の授業でした。「夢の夢」という資料を用いました。中学1年生の主人公が夢のなかで「世界旅行をしている自分」の夢を2種類見るという内容。生徒たちは、コツコツ型(貯蓄をして老後に世界一周)とチャレンジ型(若いうちから海外旅行してお金を使う)のどちらにも良さ(リターン)と困難さ(リスク)があることに気づき、自分ならどちらを選ぶかを考えました。生徒同士で議論を繰り広げながら、よりよい生き方について考えました。
公開授業「よりよく生きる喜び」の模様
(2)「秋月藩の藩政改革」
秋月藩8代藩主の黒田長舒公の藩政改革に着目して教材化した歴史的分野の授業でした。長舒公の政治について整理したうえで、生徒たちは「長舒公が目鏡橋の建設に着手し、多大な借金をしたことは是か非か」について考えていきました。秋月藩の政策を江戸幕府の改革と比較・関連させ、時代的な背景も踏まえて検討しました。秋月の伝統や文化、現在の自分たちの生活とのつながりについて考えました。自らの郷土を多面的・多角的に考察したことで、目鏡橋の経済的・文化的な価値を再認識することができました。
公開授業「秋月藩の藩政改革」の模様
(3)「主体的な進路選択と将来設計」
近い将来の人生の疑似体験(マネープランゲーム)をとおして、自分の理想の人生の実現に向けて大切なことは何かを考える授業でした。生徒たちは、まず20歳代、続いて30歳代の人生を疑似体験しました。収入と支出について、具体的な例や金額に基づいて体験することで、生活設計をして収入のバランスをとるべきこと、やりたいことに優先順位をつけるべきことを学び、今の自分が今後何をすべきかについても考えました。気付いたことを各班で伝え合い、考えを広げたり深めたりしました。
公開授業「主体的な進路選択と将来設計」の模様
2.研究発表
本校は、2017年度から2か年間にわたり、金融教育研究校の委嘱を受け、研究主題を「確かな金銭感覚を身につけ、主体的に行動する生徒の育成」として研究に取り組んできました。金融教育と「生きる力の育成」との関連を具体的に追究しながら教育内容を重点化し、各教科、領域における授業づくりを図ってきました。生徒たちが主体的・対話的で深い学びができるよう、単元構成の工夫や教材の開発も行いました。
2年間の成果として、「生徒が働く意義とお金の価値を理解し、確かな金銭感覚を身につけることができたこと」、「地域と連携した教育活動を行うことで、生徒自らが考え、行動する主体的・対話的で深い学びの場を創造することができたこと」を挙げることができます。一方、今後の課題は「金融教育の視点から教科横断的なカリキュラムを編成すること」、「生徒が主体的に考え行動できるよう、身近な学習課題や問いを設定すること」と考えています。
3.講演会
公開授業の後、菊地幸夫氏から「学校では教えないお金の話」と題した講演が行われました。菊地氏は、弁護士としての経験を交えながら、金融教育の視点から楽しくわかりやすい講演をしてくださいました。生徒たちは、メディアでよく見る菊地弁護士であり、また、弁護士としての豊富な経験をもとにしたリアリティあふれるお金の話であったため、非常に興味深そうに聴いていました。金融の仕組みや役割を正しく理解し、適切な金銭感覚を身につけるうえで役立ったようです。
4.プログラム
- 13:30~14:00
- 主催者挨拶
朝倉市立秋月中学校校長 堺和弘
来賓挨拶
朝倉市教育委員会教育長 宮﨑成光
学校紹介
朝倉市立秋月中学校主幹教諭 山下博子
研究発表
朝倉市立秋月中学校教諭 竹並薫 - 14:10~15:00
- 公開授業
(1)「よりよく生きる喜び」(1年生 道徳)
(2)「秋月藩の藩政改革」(2年生 社会科)
(3)「主体的な進路選択と将来設計」(3年生 学級活動<特別活動>) - 15:15~16:15
- 講演「学校では教えないお金の話」
講師:菊地幸夫氏 - 16:15~16:30
- 生徒代表 お礼のことば
閉会挨拶
福岡県金融広報委員会事務局長 明知聖士