金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 千葉会場
全国銀行協会
企画部 調査役
小山 寛隆 氏
「金融犯罪にご用心!~金融犯罪の手口と対策~」
全国で被害発生中、増えている新種の犯罪にご注意!
私は現在、金融犯罪対応の部門にいて、警察庁等と協力しながら施策、対策を練っています。金融犯罪のうち振り込め詐欺の被害額は平成20年が約276億円、21年は約96億円、22年は推定80億円程度と減ってきてはいますが、依然として大きな被害が発生しています。21年の振り込め詐欺件数の多い都府県をみると、1位東京、2位神奈川、3位埼玉、4位愛知で、千葉は5位大阪にわずかな差で6位の発生件数です。
振り込め詐欺は「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「融資保証金詐欺」「還付金等詐欺」の4類型に分かれます。振り込め詐欺全体としては減っていますが、「オレオレ詐欺」は増加傾向にあり、昨年11月までの被害額は52.4億円と、既にその前年1年間分を超えています。
被害に遭わないためには、「電話の相手をきちんと確認する」、「家族やペットの名前を聞く」、「子や孫と事前に決めた合言葉を言わせる」、「相手が警察官、弁護士等を名乗った場合には名前、住所、電話番号を聞いて一度電話を切り、実在しているかどうかを確認する」等を実行してください。金融機関では、不自然な態度で振り込もうとしている人への声掛け、ATMの利用限度額の引き下げ推奨などをしています。
「振り込め詐欺救済法」が20年に施行され、振込先口座に預金が残っていたら被害者に被害金を按分してお支払いしますので、被害に遭われた方は、振込先の金融機関にご連絡ください。
偽造・盗難キャッシュカードによる犯罪も発生しています。車に置いたキャッシュカードや運転免許証を盗んで暗証番号を推測したり、カードは盗まずにカード読み取り機で磁気データだけを盗んでデータをほかのカードにコピーしたりして預金を引き出します。暗証番号に生年月日など類推されやすいものは使わず、通帳や印鑑は厳重に管理してください。
銀行協会職員や警察官になりすまして口座番号や暗証番号を聞き出したり、キャッシュカードを預かったりして預金をだまし取る犯罪が最近全国で増えています。銀行協会職員や警察官が電話で暗証番号を聞くことは絶対にありませんから、そういう時はすぐ、最寄りの警察や銀行協会に連絡してください。
全国銀行協会とは
全国銀行協会は国内で活動する銀行等を会員とする業界団体で、刊行物やホームページ、どこでも出張講座などを通じて、銀行業務に関する様々な啓発活動に取り組んでいます。