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金融教育フェスタ

金融教育フェスティバル2011

教員向けセミナー 小学校分科会<1>

講師 : 坂井 辰美 氏
(一宮市福祉こども部青少年育成課 副主監・前 愛知県一宮市立奥小学校 教頭)

「地域・保護者と連携して進める金銭教育」

坂井氏の写真

実践報告

私の前任校が平成20~21年度に金銭教育研究校の委嘱を受けた際に、最初に4つの方針を決めました。それは、(1)1年目、2年目とも10月~11月に研究発表をして、全員が授業を公開すること、(2)研究のために教育課程を大幅に変えることはしないこと、(3)小学校の教育課程を基本として、金銭教育に関連する内容を取り出して研究の中心に据えること、(4)研究を通じて教員の授業力向上と活性化を図ることでした。

これらの方針に基づき、『学校、家庭、地域社会が連携し、自立して生きようとする子の育成』をテーマに定め、本校の教育課程を金銭教育の視点から見直しました。そして、地域とのつながりを明確にした地域学習や体験的な活動を計画的に組み入れることで、「子どもたちが自分の生活を見直そうとする心情や態度が育ち」、「自分と社会のつながりを自覚し、よりよい生き方を主体的に考え努力する態度や意欲を育てることができる」という研究仮説を立てました。

セミナー風景の写真

1年生は物の大切さや感謝の心を持つことを目的とした食育指導など、2年生は野菜や花の苗の販売体験をする生活科を中心とした授業、3年生は地元スーパーの見学と家庭での報告を組み合わせた体験活動、4年生は簡易水道局などを見学して物や資源の大切さを考える地域学習、5年生は地元金融機関の方などをゲストティーチャーとしてお迎えして夢とお金を考える授業、6年生は材料の購入計画の作成から調理実習まで取り組んだ家庭科の授業といったように、学年ごとに様々な体験学習を実践しました。また、道徳の時間は教科等の学習と関連させながら計画をしました。

今回の研究校活動で得られた成果としては、(1)金銭教育に取り組むことで、今までにない視点で学習を進めることができたこと、(2)地域での生活と関連付けて進めたため、児童がより具体的に自分の生活を見直すことができたこと、(3)自分と社会のつながりを考えることができたこと、(4)自分の将来を考えることを通じて、今の生き方や生活の仕方を振り返ることができたことが挙げられます。

今後は、児童が金銭教育を通じて学んだことを実際の生活の中で活かすことができるように、地域・家庭との連携を一層進めることが課題であります。

ワークショップ

前半では、グループに分かれて5年生のための金銭教育の年間計画を作成しました。「運動会や草取りといった学校行事と道徳の時間を年間計画の中で組み合わせ、子どもたちの勤労観を養う」といった案などが出されました。

後半では、「ゲストティーチャーとして地元金融機関の方を学校に招いて子どもたちに話をしてもらうとしたら、どのようなテーマでのお話をお願いするか」を話し合いました。「なぜその職業を選んだか、その職業に就くためにどのような努力をしたか」、「やりがいはどんな時に感じるか」などを子どもたちに話してほしい、などの意見が聞かれました。

教員向けセミナー 小学校分科会<2>

講師 : 谷本 千保 氏(大阪府豊中市立刀根山小学校 教諭)

「マネー・コンピテンシーの育成を目指した単元開発~『コミュニケーション・メディア』としての貨幣から“つながり”をみつめる活動を通して~」

セミナー風景の写真

実践報告

私が今回の実践を始めたきっかけは、児童が大量のゲームカードを購入するという事例が頻繁に発生し、こうした事例への対応が学校の生徒指導上の課題として取り上げられたことでした。友達と遊ぶための道具、つまり子どもたちの友人関係の中にお金が介在していたのです。そこで私は、もっと子どもの心に直接訴えかけていけるような金銭教育が必要ではないかと考えました。

まず、お金を取り扱う技術ではなく、態度や心理的な部分も含めて考えていけるような力(コンピテンシー)をつけていくべきだと考え、「お金の機能や役割を知る」、「自分とお金の間に適切な距離を保つ」、「お金を上手に活用しながら生涯にわたって幸せを創造する」ことを目指し、授業プランを立てました。

実際の授業では、(1)お金についての知識・意見を出しあうブレインストーミング、(2)ブレインストーミングで出た知識・意見のグルーピング&マッピング、(3)お金にまつわることわざを用いたグループ討議、(4)お金が介在する状況を擬似的に体験する貿易ゲーム、(5)自分とお金のハンドブックづくり、(6)お金との関わり方についてのアンケートなどを行いました。

これらの授業を通じて、子どもたちの中に自律意識と他者との関係性への理解が深まりました。また、お金という、学習する意義・価値を実感することができる課題に向き合うことで、学習したことを実践する意欲も高まったように思います。

今回初めてお金についての授業を行ったのですが、小学校だけでなく、中学校・高校・大学でもお金について学ぶ機会をつくり、さらにはこのフェスティバルのようなイベントで親御さんも一緒にお金について考える場を設定していくことが大切だと考えます。

ワークショップ

ワークショップでは、谷本先生が行った5年生のための授業を、参加者の皆さんにも体験して頂きました。

前半では、「安物買いの銭失い」、「悪銭身に付かず」など、お金にまつわることわざとその意味が書かれたワークシートを使って、それぞれのことわざの意味の説明が正しいかどうかを考えました。谷本先生は、「『安物買いの銭失い』と言うけれど、実際は100円均一のお店の商品でもちゃんと使えるものがある」など、授業で子どもたちから出た意見も紹介されました。

後半は、「宝くじの高額当選者に配られるハンドブックにはどんなことが書いてあるか」を各グループで想像しながら話し合いました。どのグループの話し合いも大変盛り上がり、充実したワークショップとなりました。

教員向けセミナー 小学校分科会 総括

講師 : 北 俊夫 氏(国士舘大学 教授)

北氏の写真

今回紹介された2つの実践は、多くの学校で見られる日常的な取り組みと、お金に焦点をあてた特徴的な取り組みで、非常に対照的でした。理想を言えば、2つの取り組みが1つの学校で一緒に行われると、より良いのではないかと感じました。

金融教育は、さまざまな教育課題と関連づけつつ、生きる力を育む教育です。金融に関する基礎的な知識・理解と態度、能力を統一的に育成することを目標とし、各教科等の全教育活動を通して実践されるものです。

金融教育を実践する際には、金融広報中央委員会の『金融教育プログラム』が参考になります。各教科等で発展的な学習として指導するほか、総合的な学習の時間でも実践できます。また、学校全体で取り組むためには、金融(金銭)教育推進委員会などの設置や外部との折衝役の配置など、学校ぐるみ、地域ぐるみで推進していく体制づくりが重要です。

金融教育は、子どもたちを立派な社会人として育てていくために必要なものだと考えています。

プロフィール

東京都公立小学校教員、東京都教育委員会指導主事、文部省(現文部科学省)初等中等教育局教科調査官、岐阜大学教授を経て、現在に至る。金融広報中央委員会発行の「金融教育プログラム」検討委員会委員および同小学校分科会責任者、および同委員会発行の「はじめての金融教育」の編集委員を務める。

著書に、「社会科学力をつくる“知識の構造図”」、「言語活動は授業をどう変えるか」、「子どもの学力をつける学習評価」、「新教育課程と社会科の授業構想」、「あなたの社会科授業は基礎・基本を育てているか」、「若い先生に伝えたい!授業のヒント60」他。

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