金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
全国銀行協会
企画部広報室 調査役
小山 寛隆 氏
知っていますか?最近多い金融犯罪 -知識があなたの家族を守る
「振り込め詐欺」は、依然多発しています。平成20年には276億円の被害があり、銀行営業日1日当たり約1億円でした。その後減少してはいるものの、平成22年でも82億円と大きな額です。
「振り込め詐欺」の中で最も多いのが、(1)「オレオレ詐欺」です。「オレだよ、オレ」などと言ってお年寄りの家に電話をかけ、息子や孫になりすまして事故示談金などの口実でお金を振り込ませます。息子の名前や職業を調べて電話をしてくる場合もあります。会社のお金を使い込んだ、友人の保証人になった、など口実はさまざまです。息子や孫に対する愛情を利用していますので、息子や孫と信じ込ませれば成功したも同然です。「15時までに急いで銀行に行って」などと言って冷静な判断力をなくさせたりもします。
ほかにも、(2)手紙や電子メールで不特定多数者に架空の料金を請求して振り込ませる「架空請求詐欺」、(3)個人事業者等に「低金利で融資します」との案内を送り、問い合わせた人に保証金などと称して振り込ませる「融資保証金詐欺」、(4)税金や保険料を還付すると言ってATMに誘導し、携帯電話で操作を指示して振り込ませる「還付金詐欺」等があります。
当協会では、不正口座をなくす取り組み、不正利用口座の凍結、ATMコーナーでの声かけ、利用額引下げの推奨などを行っています。最善の対策は、預金者が相手の手口をよく知ることです。かかってきた電話に「○○?(息子の名前)」と聞き返してはいけません。合言葉を決めましょう。本人や家族と連絡をとって冷静に対応してください。警察官、弁護士、組織名を名乗った場合は、番号案内などで実在するか確認してください。
キャッシュカードの偽造や盗難で預金を引き出される被害も出ています。カードと暗証番号の管理をきちんとすることが一番です。暗証番号は推測されやすいものを避け、他人に知らせないようにしましょう。カードはICチップや生体認証に変えましょう。インターネットを通じてIDやパスワードを入力するよう巧みに誘導される場合もあるので注意しましょう。最近流行っているのが、警察官や銀行関係者を装い、キャッシュカードや暗証番号を入手しようとするものです。震災関連で、義援金ほかの名目で振り込ませる手口も出ていますので、気をつけてください。
全国銀行協会とは
国内で活動する銀行等を会員とする業界団体で、刊行物やホームページ、講師派遣「どこでも出張講座」などを通じて、銀行業務に関する様々な啓発活動に取り組んでいます。