金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
北海道金融広報委員会
札幌市立上野幌中学校
金融広報中央委員会
北海道の実施報告
「金融教育公開授業 in 北海道(上野幌中学校)」(8月28日開催)
札幌市立上野幌中学校は、札幌市の南東部に位置しており、平坦な住宅地にあります。「明日を切り拓く、たくましく、心豊かな生徒の育成」を学校教育目標に、総合学習では自分の進路を決定する能力や、社会人として自立する力などを養う「キャリア教育」を全学年で進めており、職場体験や福祉施設の見学も行っています。
平成20年度から2年間、北海道金融広報委員会より金融教育研究校の委嘱を受け、3年生の社会科の授業を中心に、社会人となって自立した生活を送れるよう、金融教育に熱心に取り組んでいます。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「上野幌にTシャツ屋さんを出店しよう」とのテーマの下、3年1組の社会科公民の時間を活用し、上野幌に新しくお店を開くにはどのようなことが必要なのか、―― 店名や店の方針、出店場所 ――などについて話し合ってきたところです。
公開授業当日は、「店の方針、出店場所を発表し、交流をしよう」と題し、まず、各班がこれまで話し合ってきた結果について、プレゼンテーションを行いました。各班の代表者は、「発表シート」に基づき、「店名」、「ターゲットとする客層」、「どんな種類のTシャツを売るのか」、「他店との差を出すための特色」、「私たちがここに店を出すポイントはこれだ!」といった項目について、順番に発表していきました。黒板の店名カードの下に「発表シート」が掲示され、上野幌地区の大きな白地図には出店場所がマーキングされていきました。各班からの発表後、それぞれの計画についてクラス全体で討論を行いました。
(公開授業の模様)
2.公開模擬授業
公開授業の後には、藤原和博氏をお迎えし、「ハンバーガー店の店長になってみよう!」というテーマで全校生徒397名に公開模擬授業が行われました。内容は、5人~6人の班に分かれ、横浜市緑区の地図上にハンバーガー店の出店計画を練るゲームです。話し合いの後、班の代表者が「大学の側」、「住宅地の真ん中」、「会社の近く」など、出店場所を選んだ理由などを全員の前で発表し、議論を深めました。「住宅地は昼間、お年寄りと小さな子供を持つお母さんばかり、大学は長期休みに入ると学生が減る。店の稼働率が低くなる可能性がある。出店先を選ぶ大切な要素は稼働率が高いところを探すこと」といった藤原先生の場所選定、売上げの試算など、マーケティング論を織り交ぜての解説に、生徒は熱心に耳を傾けていました。
また、ハンバーガー店の1日の売上げを計算してみる場面では、実際に学校近くの上野幌駅に生徒が直接電話し、1日の乗降客数を問い合わせるなど、授業が社会と直接つながっていることを実感しました。
今回の模擬授業は、経済の仕組みを知るだけでなく、班による話し合い活動により、様々な考え方を発表したり聞いたりすることで、多面的・多角的な見方を身につけさせることが狙いです。3年生の生徒たちは「受身でなく、自分で考える授業で楽しかった。金融教育と言われてもピンと来なかったが、社会の仕組みを学べて良かった」と満足した様子でした。参加者からも、「一人一人が意見を持って取り組んでいて、とても有意義な勉強ができた」との感想が聞かれました。
(公開模擬授業の模様)
3.プログラム
- 13:40~14:30
- 公開授業「地域に店を出そう」(3年1組・社会科公民)
授業者:札幌市立上野幌中学校教諭 菅谷昌弘 - 14:45~14:55
- 開会挨拶 札幌市立上野幌中学校校長 大塚裕子
北海道金融広報委員会事務局長 宮田克己 - 14:55~15:55
- 公開模擬授業「ハンバーガー店の店長になってみよう!」
講師:藤原和博氏 - 15:55~16:00
- 生徒代表謝辞
閉会挨拶 北海道金融広報委員会