金融教育公開授業
2013年度 金融教育公開授業
山形県金融広報委員会
山形県立新庄南高等学校
金融広報中央委員会
山形の実施報告
「金融教育公開授業 in 山形(新庄南高等学校)」(10月31日開催)
山形県立新庄南高等学校は、1914年の創立以来、旧新庄城址の一角に99年の歴史と伝統を積み重ねてきました。「普通」、「商業」、「家政」の3学科(現在は普通科、総合ビジネス科の2学科12クラス)からなる高校として17,600名に上る卒業生を送り出しています。学校のスローガンとして、「地域に開かれ、生徒の夢と個性が輝き、活力にあふれる学校」を掲げています。
同校で10月31日(木)に公開授業を開催しました。当日、午前中に総合ビジネス科2、3年生を対象に「会社の仕事とお金の流れ」と題する公開授業を行い、午後にはタレントのダニエル・カール氏による講演会を実施しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
総合ビジネス科の2、3年生が、特別教室を使用して実際の経済活動さながらの「模擬商取引」を行い、会社の仕事やお金の流れを学びました。
具体的には、生徒が商事会社や銀行・運送会社・工場・商店などの28グループに分かれ、社長として決定したり、営業、仕入、会計などの業務をそれぞれ体験しました。取引に当っては、電話、メールにより専門用語を聞いて発注したり、電子会計ソフトを使って、小切手による支払いや手形借入を処理したり、インターネットによる有価証券売買などを行いました。
こうした模擬商取引を通じて生徒は、ビジネスの基本や留意事項を学ぶとともに、人間関係形成能力や情報活用能力、意思決定能力の習得を心掛けました。
参観者からは「実際の仕事の流れを体験することは有意義」「事務のスピード感も貴重な体験である。とても良い授業だと思う」といった感想が寄せられました。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏による「金融教育を考える~日米の生活体験を通して~」と題する講演が行われました。
ダニエル氏は、家族が経済的に恵まれているとはいえない中、6歳の時から父親との間で“chore”(家事)を行うことで収入(おこづかい)を得るという労働契約を結んでいたこと、これが金銭感覚を身につけることに大変役立ったこと、その後、自ら稼いだ学費で高校時代に日本に留学したり大学に進学したことを話されました。
このような実体験を通じた金融教育によって契約概念やマネジメント意識が醸成されたと述べ、金融教育(とくに親が子供に対してお金に関して教えること)の重要性を強調しました。
一方で、日本では、学校がアルバイトや運転免許取得を禁止していたり、家庭でも「食事のときなどにお金の話をするのは“汚い”との感覚がある」など、金融リテラシーの涵養が難しい環境にある、と話されました。そして、生徒に対して、このような環境にある中では、学校の先生や親に対してお金に関する失敗談などを積極的に尋ねてみるのがよい、と力強く勧めました。
最後に、自らの周りにはクレジットカードや借金で失敗した人が存在しており、クレジットカードの利用や友人などへの金銭のやりとりの際は注意を払うよう、呼び掛けました。
生徒たちからは「アメリカでの生活様式や日本との金銭感覚の違い等がよくわかり興味深かった」「将来のためになる話をたくさん聞けたので良かった」といった感想が聞かれたほか、ダニエル氏の、自らの失敗談も織り込んだユーモア溢れる語り口で笑いの絶えない講演会となりました。
3.プログラム
- 10:50~11:40
- 公開授業
「会社の仕事とお金の流れ」(2・3年生 総合実践)
授業者:新庄南高等学校教諭 阿部優ほか商業科教諭 - 13:15~13:25
- 開会挨拶
新庄南高等学校校長 髙山茂
主催者挨拶
山形県金融広報委員会副会長 中村浩行 - 13:25~14:45
- 講演「金融教育を考える~日米の生活体験を通して~」
講師:ダニエル・カール氏 - 14:45~14:55
- 生徒代表 お礼のことば