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金融商品なんでも百科

(平成20年度版)

金融商品の保護について

金融商品保護の主な仕組み

預金者の保護

預金の預け先が破綻しても、預金は預金保険制度によって保護されます。

金融機関は、制度を運営する預金保険機構に保険料を払い、自らが破綻したときには、(1)預金者に対して保険金が支払われる(ペイオフといいます)、あるいは、(2)預金などを譲受ける救済金融機関に対して資金援助が行われるようになっているのです。

(1)、(2)いずれの場合も保護の範囲は同じですが、決済や借入れなどのサービスも救済金融機関へ引継がれるよう、(2)の資金援助が優先されます。つまりペイオフ解禁といっても、金融機関が破綻した場合、すぐに預金がカットされるわけではありません。

なお、すぐに救済金融機関が見つからない場合には、預金保険機構が受け皿として承継銀行(ブリッジバンク)を設立し、そこで業務を続けながら、救済金融機関を探すこともできます。

預金保護の方法

預金保護の方法

対象金融機関

日本国内に本店のある、以下の預金取扱い金融機関(対象預金などを取扱っている金融機関)はすべて、預金保険制度への加入が義務づけられています。

  • 銀行(日本国内に本店のあるもの)
  • 信用金庫、信金中央金庫
  • 信用組合、全国信用協同組合連合会
  • 労働金庫、労働金庫連合会

なお、預金取扱い金融機関のうち、政府関係金融機関(商工組合中央金庫など)、外国銀行(日本国外に本店のある銀行)の在日支店は預金保険制度の加入対象外です(外国に本店のある金融機関などの出資により、日本国内に設立された銀行は、日本国内に本店のある金融機関として預金保険制度の加入対象となっています)。

預金保険

対象商品

預金保険の対象となっている預金は以下のとおりです。なお、いずれも国内にある預金などが対象で、海外支店の預金などは除きます。

具体的な対象預金
預金保険の対象預金など 預金保険の対象と
ならない預金など
  • 普通預金
  • 当座預金
  • 別段預金
  • 定期預金
  • 定期積金
  • 貯蓄預金
  • 掛金
  • 通知預金
  • 納税準備預金
  • 保護預り専用の金融債(ワイドなど)
  • 元本補てん契約のある金銭信託
    (ビッグなど貸付信託を含む)
  • 上記の預金を用いた積立・財形商品
  • 外貨預金
  • 保護預り専用商品以外の金融債
  • 元本補てん契約のない金銭信託
    (ヒット、実績配当型金銭信託
    〈ユニット型〉など)
  • 譲渡性預金
保護の範囲

預金保険による保護の範囲は、「1金融機関につき、1預金者あたり対象預金などの元本合計1,000万円までとその利息」となります。

ただし平成17年4月1日以降は、無利息、要求払い、決済サービスを提供できること、という3条件を満たす決済用預金に該当するものは全額保護となり、それ以外の預金などについては元本1,000万円までとその利息が保護の範囲となります。なお、担保預金となっている場合には、預金保険機構は、借入金相当額の預金については、保険金の支払いを保留することがあります。

保護の範囲
預金の種類 平成17年4月1日以降

預金保険の
対象預金

当座預金、利息のつかない普通預金など※1 全額保護
上記預金以外の預金など 合算して元本1,000万円
までとその利息※2を保護
預金保険の対象
とならない預金
外貨預金・譲渡性預金・ヒット
(元本補てん契約のない金銭信託)など
保護の対象外

※1 無利息、要求払い(預金者の要求でいつでも払戻しができる)、決済サービス(引落しなどができる口座)を提供できること、という3条件を満たす預金。決済用預金という。
※2 定期積み金の給付補てん金なども利息と同様保護される。

「いくつも預金を持っている」場合はどうなるか

保護の上限は、同じ金融機関にある同一預金者の対象預金などの合計に対して適用されます。

では、「いくつも預金を持っている」場合はどうなるのでしょうか。たとえば、

複数の金融機関に預金をしている場合

異なる金融機関が同時に破綻しても、それぞれ別に計算します。

金融機関が合併などした場合

金融機関が合併を行ったり、営業(事業)のすべてを譲受けた場合には、その後1年間に限り、「1,000万円×合併などに関わった金融機関の数+それらの利息」が保護の対象となります。

同じ金融機関の複数の支店に預金をしている場合

金融機関としては1つですから、各支店の預金を合計します。

同じ金融機関に家族の預金がある場合

夫婦や親子などの家族でも、名義が異なれば別の預金者として扱われます。

同じ金融機関に複数の立場から預金をしている場合

会社や団体の代表者・役員などとして名義人となっている預金は、当該会社・団体の預金として、個人名義の預金とは別に計算されます(会社や団体の預金の保護については、次のコラムを参照してください)。

他人名義・架空名義の預金の場合

保護を求めることはできません。

会社・団体の預金の保護

会社(法人)の預金は、その会社を1預金者として保護されます。したがって、会社の支店などの名義となっている預金も、同じ会社の預金として合計され、保護の上限が適用されます。

また、マンション管理組合など複数の人が集まって作った団体は、規約などの確認によって法人と同視しうる場合(権利能力なき社団・財団としての要件を備えている場合)に、その団体が1預金者として認められます。それ以外の場合は、その団体を構成する個人の共有預金とされて、各人の他の預金と合計されることになります。

預金保険制度のその他の機能

仮払金の支払い

預金保険金の支払いなどにかなりの日数を要すると見込まれる場合に備えて、必要な請求手続きをすれば、普通預金(総合口座の普通預金を含む)の残高について、1口座あたり60万円を限度に支払いを受けられる制度が用意されています。これは、預金保険制度による保護の一部をとりあえず先に行うという意味で、「仮払い」と呼ばれます。

危機的な事態に対応するための措置

内閣総理大臣が、金融危機対応会議の議を経て、「国全体または地域において信用秩序の維持に極めて重大な支障が生じるおそれがある」と認める場合に限り、金融機関に対する直接の資本の増強(金融機関の体力を増強させる)、資金援助の特例(救済金融機関に預金引継ぎの一定額保証を超えて資金援助を行う)、銀行などの特別危機管理(預金保険機構による全株式の取得)など、例外的に、預金者などに破綻に伴う負担を直接求めない措置が採られます。

決済を維持することの重要性

「決済なんてどうでもいい。保険金でも、引継ぎでも、預金さえ無事ならどちらでもいいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、想像してみてください。たとえば、公共料金の支払いが滞ったために、電気やガスが止められてしまったら困ることになるでしょう。

企業はもっと大変です。企業は、原材料の仕入れなどの代金受払いを、現金ではなく、手形や小切手、口座振替など金融機関を通じて決済するのが一般的です。代金の支払いができないと、企業は倒産の可能性すら出てきます。極端な話ですが、それは自分自身や自分の家族が勤めている会社かもしれないのです。

そこで、決済機能の安定性を確保するために、決済に用いられる利息のつかない預金については、全額保護されることとなりました。また、決済手続きがなされているものについては、金融機関が破綻してしまった後でも、その決済を完了させることができます。


金融商品の保護についての目次