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先生のための金融教育セミナー

平成21年度教員のための金融教育セミナー

2.分科会(金融教育の事例紹介とワークショップ)

分科会1(小学校)

進行およびコメント:
国士舘大学体育学部こどもスポーツ教育学科 北 俊夫 教授

実践報告およびワークショップ(1)

「お金は大切に使おう~正しい金銭感覚を養って、よりよい生活を~」(2年 道徳)
東京都北区立西浮間小学校 木村 良平 校長

実践報告

児童の道徳性を養うことは、道徳教育の目標であると同時に、金融教育の基盤を形成する大切な要因と言えます。道徳的心情や道徳的判断力などの道徳的価値を養っていないと、学習上の知識や理解も正しく生かせません。

この実践では、「おこづかい」という資料を使います。3匹の子ぶたが母から100円ずつお小遣いをもらい、文房具を買いに行く。トンタは消しゴムをたくさん買い、ブンタはお菓子を買い、ノンタは鉛筆と消しゴムを買ってお釣りをもらった。店から出てきた3匹が買ったものを見せ合うと……という話です。3匹それぞれの心情を共感的に押さえることを通じて、金銭の持つ大切さに気づかせ、よりよい生活をしようとする心情を育てることがねらいです。

ワークショップ

各参加者が、「おこづかい」を使った実践の展開例に沿って「金融教育との関連」や「指導上の留意点」などを記入し、指導案を作りました。その後、木村校長から指導案の例として、「お小遣いの使い方を見つめ直すことで正しい金銭感覚の涵養を図るという観点から学習を展開します。先ず、導入では『お小遣いを500円もらったらどうしますか』と発問します。この意図は、低学年の児童にとって500円は高いという生活実態を活用しています。導入の価値への気付きから、展開の前段では3匹の子ぶたの行動の違いをしっかり押さえ、最終的にノンタの心情に共感させていきます。後段で自分の生活を具体的に振り返らせ、最後に教師の体験談を話し、お金の大切さに気づかせます」と解説されました。

コメントおよび質疑応答

「お小遣いを与えない家庭もある」という参加者の指摘に対して、木村校長は「児童の家庭環境は多様だが、いずれ一定額のお金を自分で責任をもって管理しなければならなくなる時期がくるので、このような授業は大切です」と答えられました。北教授から、「『物や金銭を大切に使う』について、『使う』には消費する、物を買う、乗り物に乗る、サービスを得る、貯める、投資する、寄附するなどがあるほか、『大切に』は目的・用途・必要に応じて、計画的に最後まで使う、再利用するといったさまざまな内容があるため、こうした点をきちっと押さえて授業を行うことが必要です。また、例えば鉛筆がどのような苦労や工夫を経てつくられているのかがわかると、子どもは大切に使うようになります。各教科で金融教育の視点を意識して授業を展開することが必要です」というコメントがありました。

木村良平校長の実践事例は、金融広報中央委員会の『金融教育プログラム-社会の中で生きる力を育む授業とは-』で紹介されています。
金融教育プログラム-社会の中で生きる力を育む授業とは- 小学校における金融教育の指導計画例

分科会1(小学校)の模様(1)

実践報告およびワークショップ(2)

「米作りの会社『なめがたガキンチョ米会社』経営の試み」(5年 総合的な学習の時間)
茨城県神栖市立横瀬小学校 山本 良信 教頭

実践報告

平成19年度に茨城県行方市立行方小学校5年生7名を対象に行った実践です。実際に現金を扱うことで社会と積極的に関わる場を設定し、子どもたちに金銭感覚を身につけてもらいたいと考えてこの実践を計画しました。行方は農業地帯ですが、子どもは田んぼに入ったこともありません。しかし、自ら考え判断し、行動する過程で、子どもは変容していきました。

農家は何のために米を作っているのか、それは子どもだけでできないだろうかと問いかけ、会社を設立しました。代掻き、田植え、アイガモ除草、稲刈り、市場調査、販売価格の決定などを経て、作った米を地域の祭りで完売することができました。こどもたちは公金を扱っていることを次第に意識するようになり、借りられるものは借りるなど、出費を抑えるよう努めました。売り上げは一部を自分たちへの給料としたほか、利益を学校および各学年へのプレゼント代や宿泊学習費用に充当しました。また、家族や教師以外の大人と交渉する過程で、一人前に扱ってもらう体験をしました。ほとんどの子どもは、もらった給料をまだ使うことができずに持っているようです。

ワークショップ

6グループに分かれ、児童に現金を取り扱わせることを想定した実践を検討し、発表しました。「地域の高齢者の植木の水やり、犬の散歩などを1回10円で手伝い、それを元手に○○小祭で屋台や物品販売をする。利益の使途は子どもたちで話し合うが、何か地域に返せるように指導する」、「各学年で農産物をつくり、地域の文化祭で売る。6年生は資源回収を行う。その収益を費用の一部に充てて金管バンドをつくり、将来、コンサートを開いて入場料を徴収する」、「子どもたちが情報収集、取材、イラストを描いて地域の人たちを紹介するタウン誌をつくり、広告料を取る」などのアイデアが出されました。

コメントおよび分科会総括

北教授から、「現金を児童に扱わせる場合は、その点について、学校全体で十分なコンセンサスを図っておくことが重要です。この実践は、米作りを農業経営という視点で位置づけ、ヒト、モノ、カネ、情報を一体的に学ぶ貴重な体験となると同時に、算数や理科の要素も含む複合的な学習になりました。総合的な学習の時間で金融を取り上げると、地域の方が参画する理想的な学校づくりのきっかけになります」とコメントがありました。

また、分科会総括として、「小学校における金融教育は、目標を明確にすることで実践の可能性が広がります。各学校で金融教育の意義を話し合い、教科、学年の全体像との関連を明確にすることが重要です」とまとめられました。

山本良信教頭の実践報告は、金融広報中央委員会の「金融教育を考える」第5回小論文コンクールで優秀賞を受賞しました。
「金融教育を考える」第5回小論文コンクール(平成20年)

分科会1(小学校)の模様(2)

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