金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
熊本県金融広報委員会
熊本市立二岡中学校
金融広報中央委員会
熊本/熊本市の実施報告
「金融教育公開授業 in 熊本(熊本市立二岡中学校)」(9月14日開催)
二岡中学校は、熊本市の東部に位置し、自然に恵まれた環境の中にあり、昭和22年4月創立の伝統ある学校です。また、「好学・友愛・剛健」を校訓とし、知・徳・体、調和の取れた生徒の育成を教育目標にしています。本年度は、(1)基礎学力、(2)あいさつ、(3)美化を最重点に掲げ、生徒たちの「夢」達成に向けて取り組んでいます。
また、熊本県金融広報委員会より金融教育研究校(19~20年度)の委嘱を受けたり、熊本市教育委員会よりキャリア教育・小中連携の研究指定(19~20年度)を受けたりして、校長や研究部を中心に全生徒を対象として金融教育やキャリア教育に熱心に取り組むなど、幅広く頑張っている学校です。
9月14日(金)に開催しました公開授業には、同校全生徒の他、学校関係者、保護者および地域の皆様など、多くの方々にご参加をいただきました。また、地元テレビ局(1社)および新聞社(2社)も取材に訪れました。
▼ 参加者内訳:
開催校生徒405名、一般参加者(学校関係者、保護者、地域住民、他校生徒)161名、合計566名
1.公開授業
2年2組では、今学期の取り組みとして、(1)「お金とは?」で生徒のお金に対する自己理解、(2)「お金について考えよう」で貨幣の機能と役割、(3)「みんなの暮らしと日本銀行」で日本銀行の役割と使命について学習してきています。
今回の公開授業では、「消費者トラブル(架空請求詐欺)の事例を知り、対処法を身に付けよう-知ること・行動することは自らを守ること-」と題して、消費者トラブル(架空請求詐欺)というお金の負の面に着目し、生徒に具体的対処法を考えさせ、さらに、北村弁護士の話を直接聞く場を設けることによって、生徒が消費者トラブルから身を守る心構えや対処法を身に付けることを目的に行われました。
熊本県消費生活センターの石原課長補佐より「無料のアダルトサイトを利用したのに登録料を請求された中学生」や、「無料の出会い系サイトを利用したのにお金を何回も請求された高校生」の事例など、インタビュー形式で撮影したビデオを生徒に紹介し、事例のようなトラブルを回避するためにはどうすればよかったかなど、生徒達が各グループで話し合い発表しました。生徒達からは、「簡単にサイトに個人情報を書き込んだりせず、支払いを求められても無視する」、「しつこい電話やメールがあった場合には、電話番号やアドレスを変える」などの意見が出されました。
その後、北村弁護士より専門家の立場から、「『アダルトサイト』に興味があって進入してしまった人の心理になって考えてみる」、「誰でも異性に興味はあり、サイトに進入する行為自体は誰でもする行為」、「自分の行為を恥ずかしいと思う心理に悪質業者はつけこんでくる」、「これは必ず誰にでも起こりうる問題だと思って、勇気をもって身近な人に相談することが大切だ」などのアドバイスがありました。
最後に、生徒達から「トラブルにあってしまった時の対処法がよくわかった」、「お金を請求されたら隠さず身近な人に相談したいと思う」などの感想があり、教職員や保護者の方々からは「お金の問題だけでなく、社会で人と関わる中でどのように対処していくべきかを学ぶことができた」、「誰にでも相談できる勇気や環境をつくることが大切だとわかって勉強になった」などの感想が寄せられました。
(公開授業の模様)
(公開授業の模様)
2.講演会
公開授業の後、全校生徒、保護者、地域住民及び学校関係者など約570人を対象に、北村弁護士による講演「お金って何だろう? ─ リスクと責任 ─ 」が、約1時間半行われました。
講演では、実際に起こった「モニター商法」や「マルチ商法」について、具体的な契約額の数字などを挙げて説明がありました。生徒達は、北村弁護士から「さあ、この契約は得か!損か?」と問われると、隣の友達と相談しながら理由も含めて答えていました。また、買う方が得で売る方が大損になるような取引など絶対に続かないこと、売り手の立場になって考え、儲かる商売かどうかを考えることが必要であるなど説明されました。
次に、「デート商法」について、北村弁護士が担当された事件を例に挙げて説明され、誰でも優しくされたりすると嫌な気持ちになる人はいないこと、騙そうとする人は、人の心の隙を上手についてくること、騙されることは、恥ずかしいことではないと話されました。
その後、トラブルに遭った人がなかなか相談できない心理状態に触れ、大人になっても何でも相談できるような友達をつくることの大切さや、誰にでも失敗はあり、絶対失敗しない人生なんてないこと、騙されたと思った時や借金で失敗した時も恥ずかしいと思わずに、誰かに相談できる自分であること、一人で問題を抱え込んでしまわないこと等がアドバイスされました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 13:40~14:30
- 公開授業「消費者トラブル(架空請求詐欺)の事例を知り、対処法を身に付けよう」(2年2組)
授業者:熊本市立二岡中学校 平山眞理子教諭
ゲストティーチャー:北村晴男氏 - 14:45~15:00
- 開会挨拶 熊本市立二岡中学校長
熊本県金融広報委員会副会長 - 15:00~16:20
- 講演「お金って何だろう? ─ リスクと責任 ─ 」
講師:北村晴男氏 - 16:20~16:25
- 閉会挨拶 熊本市立二岡中学校教頭