金融教育公開授業
2020年度 金融教育公開授業
三重県金融広報委員会
三重県立松阪高等学校
金融広報中央委員会
三重の実施報告
「金融教育公開授業 in 三重(松阪高等学校)」(10月22日、10月28日開催)
本校は、2020年度に創立110周年を迎える歴史と伝統ある学校です。地域に根ざした学校として、卒業生は社会のさまざまな分野で広く活躍しています。「自主自律」を校訓とし、生徒たちは一人ひとりが可能性を最大限に発揮し、勉学だけでなく部活動や学校行事等に積極的に取り組んでいます。また、教科教育以外でも探求活動や課題研究などを通して、課題解決能力や論理的思考力、判断力・表現力など、これからの時代に必要な真の学力を身につけることをめざし、進路実現につなげる教育活動を実践しています。
三重県金融広報委員会より、2020年度の金融教育研究校の委嘱を受け、10月22日に金融教育公開授業を開催し、10月28日にパックンマックンによる講演会を、テレビ会議システムを利用したオンライン中継により行いました。
▼ 参加者内訳:
(講演会)生徒320名、教員15名、その他1名、合計336名
1.公開授業(10月22日)
「~制服の一生すごろく~ SDGsを踏まえた服育を通した消費者教育」と題して公開授業を行いました。服育net研究所が作成した『制服の一生すごろく』に取り組むことにより、生徒に身近な衣服である「制服」の一生(ライフサイクル)について、普段の生活では見えない製作過程や廃棄後などの部分に目を向けました。さらに、すごろくを活用したグループワークを通して、低酸素社会や循環型社会・自然共生社会の実現・SDGsの実現をめざし、自分にできることは何かを考えました。
まず、制服の一生(原材料→縫製→着用→リサイクル→廃棄まで)の環境負荷について、温暖化の原因であるCO2排出量が“見える化”されている「制服の一生すごろく」に取り組むことにより、制服の購入や使用時だけでなく、制服の製作や廃棄までの過程を含めて自然に理解することができました。各過程でのCO2排出量を把握することを通じて、自分たちが制服を通してできる環境問題への対応を考えました。それぞれの意見をワークシートにまとめたうえで、グループで意見交換して様々な視点や意見に触れ、自分の考えを深めました。
次に、生徒が自分たちにできることは何かという意識を持ったところで、教師よりエシカル消費・エシカルファッション、カーボンオフセット、再生繊維、3Rなどについて解説しました。再生PET繊維については、ペットボトルから繊維になるまでの各段階の素材の実物や実用例を生徒へ回覧し、実物を目で確認したり触れて理解を深めました。制服の利用だけでなく、環境への配慮や持続可能な社会・SDGsの実現に向けて様々な場面で「自分たちにできることは何か」を考えるきっかけとなりました。
2.講演会(10月28日)
パックンマックンから、「日米の金銭感覚の違い」と題する講演会がテレビ会議システムを利用したオンライン中継により行われました。
はじめに、東京のスタジオにいるパトリック氏から松阪高校で視聴している生徒に向け、「お金はどうやってもらっていますか」と質問されました。生徒の代表が「親からお小遣をもらっています」と答えたところ、パトリック氏は「アメリカではお小遣をもらうには家のお手伝いをしなければなりません。子どもの頃から『お金は働いてもらうもの』と教えられており、ここに日米の金銭感覚の大きな違いがあります」と話されました。
次に、お金の使い方でも日米での考え方に大きな違いがあることを教えてくださいました。アメリカでは、塾代などではなく、習い事などの「自分への投資」にお金が使われることを紹介されたうえで、「アメリカとは事情は少し異なりますがみなさんが日々勉強や部活などに取り組んでいることも、将来の自分に投資していることと同じです」と話されました。さらに、「アメリカでは、夢や未来への支出に備えて『お金は育てるもの』と考えられています。貯蓄だけではなく、リスクを考慮しながら株式などへ投資されています」と説明してくださいました。
最後に、お金に対する考え方には日米で違いはありますが、お金と上手につき合うためには、「Think」=よく考えること、「Talk」=家族などとよく話すこと、「Plan」=きちんと計画を立てること、の3つが大切です、と結ばれました。
生徒からは「日米の文化の違いが金銭感覚にも表れていることを知り、興味深かったです」「オンラインによる講演会は初めてでしたが、わかりやすくお金のことを考える良い機会になりました」「お金について詳しく考えたのは初めてで、とても新鮮でした」といった感想が聞かれました。
3.プログラム
- 公開授業
- 9:25~10:50
-
「~制服の一生すごろく~ SDGsを踏まえた服育を通した消費者教育」
(1年生 家庭科) - 研究協議
- 11:00~11:05
-
開会挨拶
三重県金融広報委員会事務局長 岡田あずさ - 11:05~11:30
- 研究協議
- 講演会
- 15:15~15:20
- 開会挨拶
三重県金融広報委員会事務局長 - 15:20~16:15
- 講演「日米の金銭感覚の違い」
講師:パックンマックン - 16:15
- 主催者挨拶
三重県立松阪高等学校校長 森山隆弘