金融教育公開授業
2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)
神奈川県金融広報委員会
神奈川県立相模原総合高等学校
金融広報中央委員会
神奈川の実施報告
「金融教育公開授業 in 神奈川(相模原総合高等学校)」(2月2日開催)
神奈川県立相模原総合高等学校は、神奈川県では2番目の「総合学科高校」として、平成15年春に新しく生まれ変わった学校で、「体験型授業」「多種多様な選択科目」を大きな特徴とし、実社会に出た時に役に立つような力を身につけることを教育の主眼としています。
具体的には、自身の将来設計能力や課題解決力を育成するための「キャリア教育」や大人として最低限必要な力をはぐくむための政治参加・司法参加・消費者教育・道徳教育を柱とする「シチズンシップ教育」に力を入れ、高校在学3年間の中で“生きる力”をしっかり身につけて、各方面に巣立っていってもらうよう、全校一丸となって取り組んでいます。
平成24年2月2日(木)午前中に2年次生で公開授業を開催し、午後から生活経済ジャーナリスト・いちのせかつみ氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「被服購入」という身近で具体的な事例から消費生活を考える授業を行いました。まず、セットで購入すると割引が適用されるという商品について、1枚当たりの購入額を計算させ、購入するのかしないのを各自に考えさせました。その後、普段の生活において、どのようなことを考えながら購入しているかを発表しました。他の人の意見や考え方を参考にしながら、これまで被服購入の際に失敗したことについて、理由を含めてワークシートに書き出しました。
さらに、「色について」学習し、自分にあった色選びが必要であること、「貯金について」というDVDを視聴し、少額であっても積み重なれば大きな金額になることを理解しました。
最後に、授業のはじめに検討した商品の購入について改めて振り返り、グループごとに被服購入の際、重要視することを話し合い、発表しました。
2.講演会
公開授業の後、いちのせかつみ氏から、「知らんとアカン!お金のコワ~い話」と題した講演が行われました。
冒頭、いちのせ氏が「何でも買ってもらえるとしたら、今欲しいものは何ですか?」と問いかけたところ、「スマートフォン」「家」「車」など様々な回答があがりました。こうした夢や希望を実現するために、お金が重要であること、計画的に対応することの大切さを説かれました。
また、世界の富豪の血液型がバラバラであると話され、血液型にまつわる俗説を否定し、お金に関する様々な俗説に振り回されて不幸にならないためにも、自らよく考えて行動することが重要であると強調されました。
その後、「コンビニ」の入口の場所や商品配置、あるいは「チラシ」のレイアウトや表現、さらには店舗内装や看板の「配色」などについて、売り手側が売り上げを伸ばすために人間の習性や心理を応用して工夫を凝らしている点を中心に、身近な具体例をあげながら解説されました。
最後に、「携帯電話」のことが取り上げられました。携帯電話にかかる費用を試算してみると、長期的には想像以上に多額になることを紹介するとともに、「携帯依存症」になっていないかを自分自身でチェックするポイントが示されました。
携帯電話については、様々なトラブルが発生していること、架空請求など悪徳業者の被害に遭わないよう注意する必要があると話されました。加えて、インターネットの掲示板での何気ない一言が他人を傷つけたり、ブログでの安易な写真掲載が法令違反となってしまったりするケースを紹介し、自らが「加害者」となってしまわないよう、他人への思いやりや十分な知識・配慮が必要であると語られました。
生徒たちからは、「わかりやすくておもしろかった。お金に対しての意識が高まった」「自分は少し騙されやすいタイプなのでとてもためになった」「迷惑メールの対処法がわかった。携帯は気をつけて使わないといけないと思った」「お金に関する知識を深めることができました」といった声が聞かれました。
3.プログラム
- 10:55~12:25
- 公開授業「被服購入から消費生活を考える」(2年次生・家庭総合)
授業者:神奈川県立相模原総合高等学校教諭 畠山英子・高見澤かおり - 13:30~13:35
- 開会挨拶 神奈川県立相模原総合高等学校校長 船橋憲正
- 13:35~14:35
- 講演「知らんとアカン!お金のコワ~い話」
講師:いちのせかつみ氏 - 14:35~14:40
- 閉会挨拶 神奈川県金融広報委員会事務局
- 15:00~16:15
- 研究協議「学校における金融教育の進め方」