2013年度 金融教育公開授業
福岡県金融広報委員会
豊前市立合岩中学校
金融広報中央委員会
福岡/豊前市の実施報告
「金融教育公開授業 in 福岡(合岩中学校)」(11月1日開催)
豊前市立合岩中学校は、豊前市南部の山間に位置する生徒数23名の小規模校です。「自ら学び、心豊かに、たくましく生きる生徒の育成」を教育目標としています。豊かな自然の中で、小中合同体育大会の開催、地域活性化を目的とした「ゆず祭り」への参加などを通じて、学校・家庭・地域が一体となった教育活動を推進しています。
11月1日(金)に金融教育公開授業を開催し、「ゆず祭りを通して、地域活性化について考えよう」をテーマとして全学年・全生徒による公開授業を行いました。また、公開授業に続き、研究発表、いちのせかつみ氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
地域で開催される「ゆず祭り」に出店するための商品(梅干し100g)の価格設定について考える授業が行われました。生徒たちは、事前に行った地元のお店での聞き取り調査で、価格決定には原材料費の他に人件費、宣伝費等が含まれていることを学んでいます。1~3年の縦割で構成された班ごとに話し合って、消費者の視点から安く沢山売る、販売者の視点から「ブランド化して高く売りたい」など、それぞれの意見を発表しました。
最後に、道の駅で様々な加工食品を販売しているゲストティーチャーから、日々の材料費や同業者の価格も考慮しながら、安すぎず高すぎず自分たちの労働に見合った価格を設定している、気の合う仲間と無理をしない程度に働いて長い間続けている、との話を聞きました。このような話を通じて、生徒たちは労働と報酬の関係を学びました。また、報酬に加え、働く喜びや、自分が作った作物が売れる喜びなどの付加価値を得ることができることを知ることができました。
2.研究発表
「自らの未来を切り拓く自立した生徒の育成~地域素材を生かした金銭教育を通して~」を研究主題として、主に総合的な学習の時間を中心に、地域に密着した金銭教育を実践してきたとの発表がありました。
実践にあたっては、毎年行っていた「ゆず祭り」の出店体験を金銭教育の観点から見つめ直し、「ゆず祭りを通して地域活性化について考えよう」をテーマとして設定しました。地域の「ひと・もの・こと」を活用することにより、生徒たちの有用感、郷土愛、意欲、感謝の気持ちが高まったことが発表されました。
3.講演会
研究発表の後、いちのせかつみ氏から、「知らんとアカン!お金のコワ~い話」と題する講演が行われ、地域の小学校から6年生も参加しました。
初めにいちのせ氏が「今欲しい物は何ですか?」と問いかけると、様々なモノが出されました。いちのせ氏は、欲しい物は尽きることがないので自分の中で本当に必要なものと欲しい物を判別して、限りあるお金の中で上手に物を買うことが大切だと話されました。
また、人間の習慣や本能をうまく利用してコンビニは物を売っていると解説しました。地元で開催される「ゆず祭り」で梅干し等の販売を予定している生徒たちは、メモを取りながら真剣に聞いていました。
最後に、いちのせ氏は、中学生にも身近になったスマートフォンを題材に、携帯依存症の現状や架空請求について説明し、こうした機器を通じて様々な情報を簡単に得ることができるが、その中から正しい情報を選んでいく力を身に付けることが大切だと話されました。また、保護者等に向けて、子どもたちをめぐる環境の変化を十分認識し対応することが大事であることを強調されました。
4.プログラム
- 13:30~14:20
- 公開授業
「ゆず祭りを通して、地域活性化について考えよう」(全学年・総合的な学習の時間)
授業者:豊前市立合岩中学校教諭 梅林悦子 - 14:35~15:00
- 開会挨拶
豊前市立合岩中学校校長 森伸美
豊前市教育委員会教育長 戸田章
研究発表「自らの未来を切り拓く自立した生徒の育成~地域素材を生かした金銭教育を通して~」
発表者:豊前市立合岩中学校教諭 陣山由紀、梅林悦子 - 15:00~16:10
- 講演「知らんとアカン!お金のコワ~い話」
講師:いちのせかつみ氏 - 16:10~16:20
- 閉会挨拶
- 福岡県金融広報委員会事務局長 髙山浩之