金融教育公開授業
2017年度 金融教育公開授業
長崎県金融広報委員会
長崎県立松浦高等学校
金融広報中央委員会
長崎の実施報告
「金融教育公開授業 in 長崎」(10月31日開催)
長崎県立松浦高等学校は、「松浦市に普通科高校を」という市民の強い要望から生まれた松浦市唯一の高校です。昭和37年の開校以来、進学教育、職業教育を推進し、「地域の生徒は、地域が育てる」をモットーに、地域に根ざした学校づくりを進めています。将来は地元に戻り、郷土発展に貢献できるような人材の育成に取り組んでおり、生徒達は、豊かな自然のなか、のびのびと学習や部活動に励んでいます。
平成28年度より、長崎県金融広報委員会から金融教育研究校の委嘱を受け、金融教育に関する各種活動に積極的に取り組んできました。
2017年10月31日(火)に金融教育公開授業を開催し、3年生を対象とした公開授業と、全校生徒を対象としたパックンマックンの講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
3年生の公民科(現代社会)で、「政府の役割と財政」をテーマとした授業を行いました。
これまで生徒達は、日本銀行長崎支店長の講話や地元銀行本店での職場体験などを通じて、金融や経済のしくみについて理解を深めてきました。今回の授業は、経済の三主体(家計、企業、政府)のうち、政府の役割や財政について考えました。
まず、国の財政収支を見て気づいたことをグループ毎に発表しました。国の借金が1,000兆円を超えていることや、公債費が歳入全体の4割近くを占めることに、驚きの声が上がりました。
次に、松浦市の財政支出表が示されました。地元の財政状況を見て、生徒達からは「2階建ての公民館にエレベーターの設置は必要なのか」、「松浦高校への支援事業費があり、とてもありがたい」など多くの意見が出されました。
担当教員は、「松浦市のお金の使い道を決めるのは議会だが、議員を選ぶのは有権者であり、日頃から地元の現状や問題について興味を持ってほしい。また、納税者として財政との正しい関わり方を身に付けてほしい」と結びました。
2.研究協議
公開授業の後、教育関係者による研究協議を行いました。
近隣中学校の先生も参加しており、地域や各教科における中学校と高等学校の連携を強化することの意義や、効果的な授業のあり方などについて、活発な意見が交わされました。
長崎県教育センター職員からは、新しい学習指導要領における金融教育関連の記述について説明がありました。参加した先生方は、今後の授業に役立てようと熱心に聴き入っていました。
3.講演会
パックンマックン(パトリック・ハーラン氏、吉田 眞氏)による『苦労を笑いに変えるコミュニケーション力』と題する講演会が行われました。
講演の前半では、日本とアメリカのお小遣いやお金に対する価値観の違いについて紹介がありました。また、勉強や習い事など「自分への投資」について、若いうちから考えてもらいたい、とのアドバイスがありました。
後半では、講師と生徒代表7名による「意見交換会」が設けられ、壇上に上がった生徒から「生徒会に入っていましたか」、「松浦市を元気にするには、どうしたらよいでしょうか」、「どんな学生でしたか」など多くの質問が寄せられました。お二人はそれら質問にひとつひとつ丁寧に答えてくださり、「意見交換会」は、大いに盛り上がりました。
結びでは、お二人から、「世界は広いから、一度は外に出て、たくさんのことを経験してほしい。そして、その経験を活かして、ふるさと松浦市に貢献する大人になってほしい」とのメッセージが送られました。
講演後、参加者からは、「自分への投資、と言う言葉が心に響いた」、「英語をもっと勉強して世界を見てみたい」、「努力することの大切さを改めて感じた」といった感想が寄せられました。
4.プログラム
- 10:50~11:40
- 公開授業
「政府の役割と財政」(3年生 公民科(現代社会)) - 11:50~12:40
- 研究協議(教育関係者)
- 14:00~14:05
- 開会挨拶
長崎県立松浦高等学校校長 渡邊久範 - 14:05~15:35
- 講演「苦労を笑いに変えるコミュニケーション力」
講師:パックンマックン - 15:35~15:40
- 生徒代表 お礼のことば
- 15:40~15:45
- 閉会挨拶
長崎県金融広報委員会事務局長 風間毅