金融教育公開授業
2018年度 金融教育公開授業
東京都金融広報委員会
立川市立幸小学校
金融広報中央委員会
東京/立川市の実施報告
「金融教育公開授業 in 東京(立川)(幸小学校)」(12月3日開催)
立川市立幸小学校は昭和46年に開校し、現在は全12学級、児童数367名です。学校の北側には玉川上水が流れ、校庭に咲く花の木、実のなる木が、四季を楽しませてくれる自然豊かな環境の中にあります。
職員玄関に飾られている大きな木彫りには、谷川俊太郎氏が作詞した校歌が刻まれています。その歌詞にある「私が種をまかなければ花は開かない・・・。自分で考え、自分で始める・・・」との言葉のとおり、『自分で考え、行う子ども』を教育目標の重点として日々の教育活動に取り組んでいます。
東京都金融広報委員会より平成29・30年度の金銭教育研究校の委嘱を受け、研究活動の一環として、12月3日(月)に金融教育公開授業を開催し、3年生を対象にした公開授業と、住田裕子氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「買い物をするときに考えること」(3年生・学級活動)と題した授業を行いました。現金を手にしたり、その現金を使って買い物をしたりする経験がまだ少ない3年生にもイメージしやすいように、自分たちが日ごろ使っている文房具を題材にしました。
新しい文房具を買う場面を設定し、子供たちに、「消しゴムを買うとき、事務用のものとキャラクター包装のもののどちらを選ぶのか」、「えんぴつがどれぐらいの長さになったら買い替えるのか」といったテーマについて考えてもらいました。また、自分が新しい物を買うときの考え方を友達と話し合うことで、自分の価値観について振り返るとともに、友達が物を買うときの価値観にも触れてもらうことができました。
ふだん何気なく行っている行為を子供たちに掘り下げてもらうことにより、「賢くお金を使おう」という消費者意識の素地を育むことができたのではないかと思います。
また、「消しゴムを買う時に支払う代金は、どのようにしてそう設定されているのか」という観点から消しゴム代の内訳について子どもたちに解説し、「価格のしくみ」についても学習しました。
2.講演会
公開授業の後、住田裕子氏から、「法律相談から見える金銭教育の必要性~よりよく子供達が生きていくために~」と題する講演が行われました。
まず、「今すぐ10万円を受け取るのと、1年後に11万円を受け取るのと、どちらを選ぶか」という行動経済学の視点(人間は合理的に考え、行動するものか)からの質問で始まりました。そして、弁護士としての経験も交えながら、様々な金銭トラブルの事例について紹介されました。
そのうえで、大切なこととして、(1)賢くこわがり、そのリスクを計算して行動する、(2)自律的に考え、判断する、(3)多くの人の意見を聴く、知ろうとする、(4)今だけでなく、未来も視野に入れる、(5)損得抜きで動く場合もある。金銭以外の価値も求めたい、と語られました。
また、「日本の現状と次世代に期待すること」として、日本の人口問題や社会の変化、AIに代表されるイノベーションによる新しい産業社会の展望について話されました。特に、「これからの時代を生き、社会で活躍するための資質」として、学力(IQ)だけではなく、人間力(EQ)、熱意、意欲、忍耐、自制、謙虚、共感性、中庸が必要であると説明されました。
多くの参加者から、「感銘を受けた」といった感想が寄せられました。
3.プログラム
- 13:30~14:15
- 公開授業
「買い物をするときに考えること」(3年生 学級活動)
- 14:30~14:40
- 開会挨拶
立川市立幸小学校校長 浦川潔 - 14:40~16:00
- 講演「『法律相談から見える金銭教育の必要性』~よりよく子供達が生きていくために~」
講師:住田裕子氏 - 16:00~16:05
- 閉会挨拶
東京都金融広報委員会 福山泰弘