金融教育公開授業
2022年度 金融教育公開授業 金融・金銭教育協議会
広島県金融広報委員会
広島県立音戸高等学校
金融広報中央委員会
広島/呉市(音戸高等学校)の実施報告
「金融教育公開授業 in 広島(音戸高等学校)」(9月5日開催)
音戸高等学校は、創立から74年を数える全日制普通科高校で、各学年1クラス、全校生徒61名の小規模校です。学校からは名勝地の音戸の瀬戸を見渡すことができ、自然豊かな環境の下で、地元音戸町をはじめとする地域との強い絆の中で、生徒は学校生活を送っています。
小規模校のため、生徒同士、生徒と教員の結び付きも強く、アットホームな雰囲気の中で、「総合的な探究の時間」をはじめ、体験的な学習を重視した取り組みを推進しています。
昨年度から、本校は広島県金融広報委員会より金融教育研究校の委嘱を受け、公民科の授業を中心に3つの視点から金融教育に力を入れて取り組みました。
1つめは、地元地銀の支店長等による出前授業です。生徒は金融のプロから、基礎的な金融経済の知識、銀行の役割の変遷、投資の実際まで幅広い活きた知識を学びました。
2つめは、株式学習ゲームへの取り組みです。株式の模擬売買を通じて、生徒は投資の必要性やリスクについて理解を深めました。
3つめは、金融に関する課題発見・解決型の学習をグループ単位で行い、成果の発表を通して主体的・対話的で深い学びを実践することです。
9月5日(月)に行った金融教育公開授業では、3年生の政治・経済の授業を公開し、生徒が金融について調べたことを発表する「金融教育発表会」を実施しました。併せて、テレビ等でも御活躍の弁護士の住田裕子氏による講演会を開催しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
会場として、広島国際大学呉キャンパスのメディアホールをお借りし、保護者や他校の教職員が参観する中、「思考力・判断力・表現力を育成する授業の工夫~金融リテラシーを高めるために~」をテーマに生徒が主体となった公開授業を実施しました。
生徒には「保護者や地域の方にも知っておいてもらいたいお金に関すること」を7~8分で発表するという課題のもと、グループごとに設定したテーマでの課題発見と具体的な解決策について発表しました。3年生は17名のクラスのため、1班4~5名に分け4つの班がそれぞれ調べたことを発表しました。
1班は「18歳成年」について調べ、金融に関わる18歳から変わること、変わらないことをまとめて発表しました。成年年齢に達して未成年者取消権を失ったあとは契約を簡単に取り消すことができないことを自覚し、契約するときは自分にとって本当に必要かどうかを考え、自信が無いときは信頼できる大人に相談しようと訴えました。
2班は「資産運用について」をテーマに、生涯年収と生涯支出の差に着目して発表しました。預金利息だけでは、老後の生活に必要なお金が足りないというデータをもとに、資産運用ついて詳しく調べて発表しました。ローリスクハイリターンの投資は存在しないこと、リスクをよく理解した上で投資をしなければならないと報告しました。
3班は「キャッシュレス社会」について調べて発表しました。最近はコンビニなどでキャッシュレス決済を行っている人が増えているという気付きから、その便利さと気を付けるべきリスクについてまとめました。7月に発生したスマートフォンでの大規模通信障害時に顕現化したリスクにも触れ、キャッシュレス決済と現金決済を上手く組み合わせる必要があると指摘していました。
4班は「消費者トラブル」について、どのような詐欺が発生しているのか、詐欺被害に遭わないために日頃から具体的に気を付けることを調べて発表しました。
生徒達は、現実の生活を意識しながら、課題発見・解決型の学習に取り組んでおり、この発表体験を通して金融についてより深く学ぶことができました。
2.プログラム
- 13:30~14:20
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公開授業
「思考力・判断力・表現力を育成する授業の工夫~金融リテラシーを高めるために~」(3年生 公民科「政治・経済」) - 14:30~14:35
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開会挨拶
広島県立音戸高等学校校長 坂根保廣 - 14:35~15:35
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講演「社会で活躍する若者世代へのメッセージ」
講師:住田裕子氏 - 15:35~15:40
- 生徒代表 お礼のことば
- 15:40~15:45
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閉会挨拶
広島県金融広報委員会事務局長 栢場義彦