金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 千葉会場
千葉県金融広報委員会
金融広報アドバイザー
齋藤 喜代美 氏
(八街市消費生活センター 消費生活相談員)
「エンディングノート~自分のため・家族のための覚書~」
あらためて今を見つめ直し、これからの人生を考えるきっかけに
人生の終末・エンディングは誰にもいつの日か訪れます。自分の死後に財産をどう処分してほしいのかを書くのが第一目的の遺書と違って、「エンディングノート」はずっと幅広くいろいろなことを書けます。家族への愛のメッセージであり、これからどう生き、どのように自分らしい最期を迎えるかにつなげることができます。
エンディングノートにどんな事を書くのかを説明します。
(1)自分の経歴、現在の自分とこれからの自分、既往症やアレルギー、受けている治療法などの健康情報、がんの告知や延命治療、認知症になった時の介護の希望、死亡を連絡してほしい人たちのリスト、祖先や家族について。(2)葬儀や墓、エンバーミング(遺体の衛生保全)などの希望。(3)献体や臓器提供についての希望。(4)預貯金、宝石・貴金属などの財産リスト、健康保険・生命保険・損害保険・介護保険の番号や満期時期等のリスト。(5)住宅ローン、クレジットカードなどの負債。(6)ペットをどうするか、えさのやり方等。(7)遺言書について、自分で書く自筆証書遺言または、公証人の書く公正証書遺言があります。
私は90歳の母を見送りました。その時、医師に延命治療の判断を求められ、兄弟と相談して「しない」と答えましたが、苦しみました。本人の意思を生前に確認し、できれば家族とよく話し合って、例えば「こう書いたけれど、その時の状況でやってくれればいい」と伝えておかれればと思います。
エンディングノートを書くことをきっかけにして、保険や預貯金を見直すなど、いろいろなことを整理できるはずですので、ぜひご活用ください。市販のエンディングノートは千円程度で、項目別に記入すればいいようになっていますが、自分らしさを強調して自作されてもいいのです。
ファイナンシャル・プランナーの方が設立したNPO「ら・し・さ」のノート、財団法人社会教育協会のものなどもあります。
千葉県金融広報委員会とは
「健全で合理的な家計運営」のために、金融広報中央委員会、財務省関東財務局千葉財務事務所、千葉県、金融機関等が協力して、県民の皆様に対し中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する広報・消費者教育を行っている団体です。