金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 鹿児島会場
生命保険文化センター
生活情報室 調査役
牛嶋 信治 氏
いざというときのための生命保険 ― 活用のポイント
生命保険の世帯加入率は約9割、加入世帯の平均保険料は年間45万円で、「住宅に次ぐ高い買い物」といわれます。しかし生命保険の仕組みや自分が加入している契約内容を理解していない方が多いようです。そこで、生命保険を活用するポイントについてお話しします。(1)保障ニーズと保障手段の確認、(2)保障手段としての生命保険の理解、(3)生命保険の購入は契約行為であること、の3点です。
生命保険は、自助努力による保障の手段です。まず「なんのために、いくら、いつまで」といった自分の保障ニーズを確認しましょう。保障ニーズはライフステージや就労、資産などの状況によって異なります。また公的保障(国の社会保険など)や企業保障(福利厚生など)の内容を確認しておきましょう。これらを踏まえて、具体的に生命保険の加入目的、保険金額、保障期間を検討しましょう。例えば入院や手術の費用に備える医療保障では、健康保険などの公的医療保険の自己負担は3割ですが、高齢者の場合や医療費が高額になった場合には、一般に負担割合はかなり少なくて済みます。更に預貯金も役に立ちます。また、保障ニーズが大きく変化したら生命保険も見直しが必要となります。生命保険会社に申し出れば見直しへの対応も概ね弾力的に可能です。
保険制度は確率を用いた科学的・合理的な考え方を原理とする保障に適した仕組みから成り立っています。この原理からいえば、例えば保険で得する、あるいは損するという考え方は馴染みません。保険は「不測の事態」が発生した場合に、経済的に助かるという仕組みなのです。
生命保険の加入は、保険料を支払い、保障という目に見えないサービスを購入するという「契約」です。将来何かあったときに支払われるものであり、契約内容は「約款」で厳密に定められています。保険金は誰が受け取るか、保険金が支払われない場合などは約款で決まります。加入する際、約款に目を通し理解することが理想ですが、現在では「契約概要」や「注意喚起情報」などといった重要な事項をわかりやすく解説した書類が交付されます。内容を理解し納得の上で契約の申し込みをして下さい。
生命保険文化センターとは
人々の生命保険に対する意識や意向を的確に把握し、それに応じた情報を公正な立場から提供することを目的に設立された公益財団法人です。