金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
全国消費生活相談員協会
金融サービス研究会
萩原 規子 氏
震災後の便乗商法に気をつけて! ~トラブルから学ぶ~
便乗商法とは、その時々の話題になった事件や事象などを口実に利益を得る商法です。今回の震災後にも、震災後の原発事故に対する不安や被災地の復興を支援したいという善意につけ込んだいろいろな便乗商法が出てきました。
原発事故の放射性物質に対する不安につけ込んだ便乗商法では「放射性物質を除去する」と広告した浄水器やサプリメント等が販売されています。しかし、効果を裏付ける科学的データがなく、薬事法に違反するような広告もあります。また、インターネット通販の場合は、商品が届かない、業者と連絡がとれなくなる、クレジットカード番号等の個人情報が流失するなどのトラブルが起きています。
一方、被災地の復興を支援したいという善意につけ込んだ便乗商法では、業者が家を訪問し「震災後、医療機器を作るための貴金属が不足している」などと言って市場よりかなり低い金額で、家にある貴金属を買取ってしまう商法があります。不意に訪問されるため、消費者には金の適正価格がわからず、不当な価格で売却させられてしまいます。訪問販売でも、消費者が売り手になる契約にはクーリングオフの適用はありません。契約書面がなく、買い取り業者の連絡先がわからないケースも多くあります。
この他、震災の影響で電力不足になるという風評に便乗し、「原子力発電に代わり風力発電の会社の未公開株が有望で、近々上場するので儲かる」と電話勧誘し、直後に別の業者から「その未公開株を高値で買い取りたい」と電話が入る、いわゆる「劇場型」の投資詐欺の手口があります。上場は簡単にできるものではなく、買取りが実行されることはありません。
また、イラクディナール等の外貨購入を電話で勧誘するものもあります。「高額で買取る」と別業者から電話が入り、購入してしまうケースが多いようです。しかし、これらの外貨は国内金融機関では取扱いがないため換金は困難ですし、買取りが行われることはありません。
被害に遭わないためには、「セールストークをうのみにしない」「すぐ契約せず、情報収集する」「少しでも不審と思ったら契約しないではっきり断る」ことが大切です。不安を感じたら近くの消費者センターに相談してください。
全国消費生活相談員協会とは
消費生活相談員を全国的に組織する団体です。消費者被害の救済と未然防止、拡大防止のための活動や、消費者教育や啓発、情報提供、提言などの活動も積極的に行っています。